耳鼻と臨床
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63 巻, 4 号
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症例報告
  • 打田 義則, 上野 哲子, 妻鳥 敬一郎, 中川 尚志
    2017 年63 巻4 号 p. 111-117
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー
    陳旧性側頭骨骨折症例で迷路気腫を伴う外リンパ瘻が生じた症例を経験した。鼻かみ直後よりめまいと左難聴を自覚し、30 代男性が来院した。20 年前に頭部外傷による左側頭骨骨折の既往があった。標準純音聴力検査で左に 53dB の混合難聴と右向き水平回旋混合性眼振がみられ、側頭骨 CT にて左側頭骨骨折と卵形嚢に low density area を認めた。 発症 13 日目に内耳窓閉鎖術を施行した。外側半規管隆起から前半規管のやや外側を横断し顔面神経水平部近傍までの連続する骨折線が認められ、内耳窓閉鎖術を行った。術後、前庭症状は消失したが、一時的な聴力の悪化を認めた。しかし、聴力は徐々に回復し、6 カ月後に 33 dB まで改善した。
  • 齋藤 雄一, 江島 正義, 田中 俊一郎, 中川 尚志
    2017 年63 巻4 号 p. 118-126
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー
    鼻腔(右鼻中隔)原発の Glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 80 歳、男性で、鼻閉感を主訴に前医より紹介受診となった。右鼻腔下鼻甲介前端よりやや後方から、後鼻孔を占拠する表面平滑で、血管豊富な腫瘍を認めた。画像検査および病理組織診の結果、鼻腔原発の Glomangiopericytoma と診断した。生検時易出血性であったものの、腫瘍は鼻腔に限局しており、周囲への浸潤も無かったため、経鼻的内視鏡下腫瘍切除術を施行した。術後合併症および、術後局所再発は認めていない。Glomangiopericytoma は近年まで Hemangiopericytoma と認識されていたものである。良性腫瘍であるが、報告により差はあるものの術後局所再発率が高く、外科的治療に際しては完全切除が求められる。本症例のように鼻腔に限局している場合、経鼻内視鏡下手術は有効であると思われた。
  • 五島 透, 竹内 寅之進, 賀数 康弘, 福島 淳一
    2017 年63 巻4 号 p. 127-131
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー
    急激な頸部腫脹を来す疾患は腫瘍性病変や感染がまず鑑別に挙げられるが、深頸部血腫も鑑別の一つであり、副甲状腺からの出血は比較的まれながら報告が散見される。今回われわれは症状、臨床所見から深頸部膿瘍を疑った副甲状腺腺腫からの特発性出血症例を経験した。症例は 43 歳の女性。頸部痛、頸部腫脹で発症し、経時的に増悪、当院受診時の第 11 病日には発熱、呼吸苦を伴っていた。血液検査で炎症反応上昇あり、経過、画像所見からも頸部膿瘍を否定できず、緊急手術を行った。甲状腺左葉外背側に明瞭な被膜を持つ腫瘤性病変を認め、内部には茶褐色の貯留液が充満していた。組織診断より副甲状腺腺腫の腫瘍内出血と診断した。経過良好にて術後 10 日目に退院となった。頸部腫脹の際には、副甲状腺組織からの出血も鑑別に挙げるべき重要な病態である。
  • 押川 千恵, 岸川 禮子, 下田 照文, 岩永 知秋
    2017 年63 巻4 号 p. 132-137
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー
    タマネギを摂取することにより耳下腺の腫脹を繰り返し、アナフィラキシー症状を呈したアレルギー性耳下腺炎を経験した。症例は 57 歳、男性で、カレーライス(卵、牛肉、ニンジン、タマネギ入り)を摂取後に両耳下腺の腫脹とともにかゆみ、呼吸困難を伴うアナフィラキシー症状を起こした。ステノン管からの唾液は漿液性で混濁は認めず、唾液中に多数の好酸球が認められ、CT、エコー検査にて耳下腺内の導管拡張所見がみられた。アレルギーが関与する反復性耳下腺炎としては、ステノン管から粘稠な線維素塊の排液を認める線維素性唾液管炎が知られているが、本症例では線維素塊の排液は認められず、アレルギー性耳下腺炎の診断とした。抗原特異的 IgE 検査ではヤケヒョウヒダニ、スギ、タマネギが陽性で、タマネギ経口負荷検査にて耳下腺の腫脹が誘発されたことより、タマネギが原因抗原と同定した。タマネギの摂取を回避し、抗アレルギー剤を適宜使用することで良好なコントロールが得られている。これまで食事と関連するアレルギー性耳下腺炎や線維素性唾液管炎の報告はあるが、原因抗原を同定できることは非常にまれである。頻度は少ないが、反復する耳下腺腫脹を認める場合は、本疾患を念頭に置いておく必要がある。
  • 森満 保
    2017 年63 巻4 号 p. 138-144
    発行日: 2017/07/20
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー
    約 20 年持続した筆者自身のホワイトノイズ様頭鳴に対し、アカミミズから発見された線溶酵素剤であるルンブロキナーゼを服用したところ、数日で頭鳴の明らかな減弱を認めた。増量効果も確認され、2 年後の現在も自覚的にほぼ消失している。この効果からの治療的診断によって、頭鳴症例の中に、大脳聴覚野での血小板凝集性のフィブリン血栓症(thrombotic microangiopathy)によるものの存在が推測された。その機序について文献的考察を行った。
臨床ノート
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