耳鼻と臨床
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64 巻, 1 号
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原著
  • 園田 世里夏, 久保 和彦, 松本 希, 玉江 昭裕, 大橋 充, 梅野 好啓, 小宗 静男, 中川 尚志
    2018 年64 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー

    耳硬化症に対するアブミ骨手術の成績は非常に良好であるが、術前諸検査により耳硬化症と判断し手術的にも問題なかったにもかかわらず、2 度の聴力改善手術でいずれも術後聴力改善が得られなかった症例を経験した。2 回目の手術の際、初回手術で留置したテフロンピストンは正しく位置しており、ツチ骨・キヌタ骨の可動性も良好であったため、側頭骨 CT を見直すと、正円窓の骨性閉鎖を疑う所見を認めた。正円窓の骨性閉鎖は非常にまれではあるが、骨性閉鎖の程度によっては、手術による聴力改善が乏しいとの報告がある。耳硬化症では前庭および蝸牛周囲の骨吸収像に目が行きがちだが、アブミ骨手術を行う際には正円窓の所見にも気を付ける必要があると考える。

  • 福岡 久邦, 宇佐美 真一
    2018 年64 巻1 号 p. 7-10
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー

    良性発作性頭位めまい症(BPPV)患者に対して、水分摂取療法を施行し、再発の抑制効果につき検討した。水分非摂取グループは 43 例のうち 14 例(33%)で再発を認め、一方で水分摂取を行ったグループは 58 例のうち再発は 7 例(12%)と低い結果となった。これらの結果から BPPV 患者に対しての水分摂取療法は再発の抑制に有効であると考えられた。

症例報告
  • 山野 貴史, 杉野 真理子, 城戸 寛史, 坂田 俊文
    2018 年64 巻1 号 p. 11-15
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー

    インプラント治療に伴う合併症としての歯性上顎洞炎の報告が散見される。初期の対応としては、まず投薬による急性炎症の沈静化を図るが、難治症例においてはインプラント体や骨充填剤の抜去が必要かの結論は得られていない。当科でインプラント治療の関与が疑われた上顎洞炎に対して、内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS:endoscopic endonasal sinus surgery、以下 ESS 略す)を施行した 2 例を経験した。2 例の共通点は炎症による中鼻道自然口ルートの狭小化、血清総 IgE 値の高値、複数のアレルゲンに対する特異的 IgE 抗体が陽性である点で、ESS とアレルギー性鼻炎に対する治療を行い、インプラント体、骨充填剤は温存したまま治癒することができた。

  • 松永 啓秀, 安松 隆治, 佐藤 方宣, 中野 貴史, 古後 龍之介, 橋本 和樹, 山元 英崇, 小田 義直, 中川 尚志
    2018 年64 巻1 号 p. 16-22
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー

    症例は 50歳、女性。1 年前から嚥下時違和感を認め、画像検査の結果、食道粘膜下腫瘍と診断した。腫瘍の増大傾向があること、乳癌治療歴があり転移が否定できないこと、嚥下時違和感などの自覚症状を有していたことから、治療目的に腫瘍摘出術を行う方針とした。腫瘍は食道筋層内に局在しており、摘出標本は 37 × 31 mm 大であった。術中所見および病理組織所見から頸部食道より発生した神経鞘腫と診断した。術後経過は良好で術後 10日目に退院となった。術後 10 カ月が経過した現在、再発所見は認めていない。今回まれな頸部食道神経鞘腫に対して文献的考察を行ったところ、上縦隔にとどまっている腫瘍については頸部切開のみで摘出可能であり、上縦隔から中縦隔にまたがる頸胸部境界部腫瘍の場合は症例ごとにアプローチ法を選択する必要があると考えられた。

視点
  • 石丸 幹夫
    2018 年64 巻1 号 p. 23-31
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー

    30 年くらい前から、日常診療において、めまい患者で回転角の自覚に異常がないかチェックすることにしており、耳鼻咽喉科用診察椅子に座る、閉眼した状態で、時計方向、反時計方向にそれぞれ 90°手動で回旋し、回転角の自覚を答えさせてカルテに記載していた。その結果、めまい患者は、健常者と異なった不正確な回転角を返答する傾向があることに気が付いたので、興味深い症例を紹介した。厳密な計画を立てた研究ではなく、日常の診療の記録から渉猟した。

臨床ノート
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