耳鼻と臨床
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65 巻 , 3 号
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原著
  • 森部 一穂, 竹市 夢二, 黒田 陽, 村上 信五
    原稿種別: 原著
    2019 年 65 巻 3 号 p. 73-79
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル フリー

    外耳道閉鎖症は小耳症に合併することが多い。小耳症形成術は一般的に行われているが、外耳道造設術はあまり行われていないのが現状である。外耳道造設術は長期的にみて、皮弁の壊死や鼓膜の浅在化などが起こり、再手術を必要とすることが少なくない。われわれは外耳道造設術を 2 回に分けて段階的に行っている。Ⅰ期では浅側頭動脈を茎とする細長い浅側頭動脈皮弁をらせん状に挿入して円筒形の外耳道を作製し、Ⅱ期手術として全層植皮を行い、深部の外耳道と鼓膜を作成する。段階的に形成することにより、植皮片が骨面ではなく、血流の安定した皮弁軟部組織の上に移植されるため、植皮生着率が上がり鼓膜の浅在化が起こりにくくなる。12 人、13 耳に手術を施行した。最初の 6 耳は側頭骨皮質骨をコルメラにして耳小骨再建を行ったが聴力改善が不良であったため、以後の 7 耳には PORP®を用いて耳小骨再建を行った。術後平均純音聴力( 3 分法)は側頭骨皮質骨使用例で 56.4 dB、PORP®使用例で 38.8 dB と PORP®使用例で良好な結果となった。 術後の聴力はまだ十分に満足できるものではない。今後は聴力改善不良例の原因を模索し、外耳道の狭窄や浅在化についても、より長期的に観察する必要があると考えている。

  • 菊池 良和, 梅﨑 俊郎, 澤津橋 基広, 山口 優実, 中川 尚志
    原稿種別: 原著
    2019 年 65 巻 3 号 p. 80-86
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル フリー

    声門閉鎖不全に対する治療として、声帯内自家脂肪注入術 (以下、脂肪注入術) およびシリコンブロックを使用した甲状軟骨形成術Ⅰ型変法を当科では行っている。本研究は局所麻酔下で経皮的に脂肪注入術を行った症例をまとめ、臨床的検討を行うことを目的とした。対象は 14 年間で脂肪注入術を行った 55 例 (平均年齢 58.7 歳、男性 29 名、女性 26 名)。声帯麻痺は 43 例、声帯萎縮は 6 例、声帯溝症は 6 例。当科の脂肪注入術の方法は、脂肪は腹部から採取し、輪状甲状間膜から経皮的に声帯内筋層に注入し、十分な声門閉鎖を得られたと判断したところで終了する。平均の術前 MPT は 8.7 秒、術後 1 カ月の MPT は 13.1 秒、術後 3 カ月の MPT は 12.1 秒、術後 1 年の MPT は 13.2 秒、術後 2 年の MPT は 12.3 秒だった。局所麻酔で経皮的に行う脂肪注入術では、音声や自覚的誤嚥、咳嗽効率の改善を認め、有効な術式であることが再確認できた。

症例報告
  • 秋定 直樹, 石原 久司, 竹内 彩子, 藤澤 郁, 赤木 成子
    原稿種別: 症例報告
    2019 年 65 巻 3 号 p. 87-91
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル フリー

    後天性血友病 A とは、凝固第Ⅷ因子に対する自己抗体が出現し出血症状を呈する疾患である。われわれは鼻出血を契機に発見された後天性血友病 A の 1 例を経験した。症例は 73 歳、男性。鼻出血を繰り返し、当科を受診した。出血点を認め焼灼するも再出血した。APTT 延長を認めたため当院血液内科に紹介し、後天性血友病と診断され現在治療中であり、治療開始後は再出血なく経過している。後天性血友病の初発症状は、皮下や筋肉内の出血が多く、鼻出血を契機に発見された症例はまれである。比較的まれな疾患ではあるが、診断が遅れれば、頭蓋内出血や腹腔内出血といった致死的な出血を来す可能性がある。早期診断・治療が重要であり、耳鼻咽喉科医も知識を有しておくべき疾患である。

  • 増田 智也, 瓜生 英興, 増田 徹, 宮崎 雄一, 津本 智幸, 中島 寅彦
    原稿種別: 症例報告
    2019 年 65 巻 3 号 p. 92-95
    発行日: 2019/05/20
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル フリー

    頸部腫瘤は、耳鼻咽喉科外来で一般的に遭遇する身体所見である。今回、声帯麻痺を伴った総頸動脈瘤による頸部腫瘤を認めた症例を経験した。動脈瘤は血管型ベーチェット病によるものであったが、頸部動脈瘤、声帯麻痺を伴った血管型ベーチェット病の報告はまだない。過去の報告を参考に、頸部動脈瘤、声帯麻痺を伴った血管型ベーチェット病について報告、考察を行った。

臨床ノート
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