ヒト甲状腺腫瘍におけるepidermal growth factor receptor (EGFR) およびエストロゲン・レセプター (ER) の発現を, 凍結標本を用いて免疫組織学的に検索した. 対象は, 癌19例, 腺腫12例, 腺腫様甲状腺腫7例, 正常甲状腺10例の計48例である. 結果はEGFRの染色強度は癌が最も強く, 次いで腺腫, 腺腫様甲状腺腫, 正常甲状腺で, 悪性度に伴い染色強度は増強する傾向がみられた. また, ERは腺腫様甲状腺腫および正常甲状腺では認められず, 腫瘍化に伴い発現する可能性が示唆された.
ERとEGFRには明らかな相関はみられなかったが, ER強陽性の1症例は, EGFRの染色強度は弱く, EGFRとERの発現は相反することが示唆された.
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