巻号一覧
21 巻 (1927 - 1928)
- 4 号 p. 751-
- 3 号 p. 535-
- 2 号 p. 283-
- 1 号 p. 1-
前身誌
21 巻, 4 号
選択された号の論文の23件中1～23を表示しています
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服部 貴芳1928 年 21 巻 4 号 p. 751-775
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー1. 舞踏鼠ハ總テノ音響ニ對シテ聽性反射運動 (Hörreflex) ヲ缺如ス.
2. 舞踏鼠ニ身體ノ均衡障碍ヲ證明ス.
3. 舞踏鼠ニ廻轉性眩暈ノ隨伴症状ヲ認メズ.
4. 舞踏鼠ニ前庭性廻轉性眼球震盪, 頭震盪並ニ冷温性前庭性眼球震盪ヲ惹起セシムル能ハズ.
5. 舞踏鼠ニ於テハ迷路性體位體向諸反射ノ出現甚シク不完全ナリ. 即
A. 進行性運動反射ハ手掌伸展ノ微弱ニ出現スル外殆ンド全ク認ムルヲ得ズ.
B. 四肢ニ於ケル緊張性迷路反射ハ完全ナラズ.
C. 頭部ニ於ケル迷路性躯幹位置反射ヲ缺ク.
D. 眼球ニ於ケル緊張性迷路反射ヲ全ク缺如ス.
E. 異常位置ニ對スル復位動作及墜落廻轉反射等ハ出現ス.
F. 脊髓性諸反射ハ著明ニ存在ス.
6. 舞踏鼠ノ迷路曠置ニヨル其缺陥症状ハ不定型不完全ナリ.即
A. 迷路ノ曠置側ト同方向ニ躯幹ノ傾斜, 頭部ノ屈曲, 竝ニ同側肢脚ノ屈曲, 反對側肢脚ノ伸展ヲ出現スルモ, 之ヲ一側迷路曠置ノ正常「マウス」ニ比スルニ著シク其度微弱ナリ.
B. 外力ニ依リテ注入側ニ向テ轉倒シ易ク反對側ニ向テハ抵抗ヲ有スル所謂 Cruschmann ノ症状及躯幹背部ヲ注入側ト反對ノ方向ニ凸側ヲ向ケテ彎曲シ, 注入側肢脚ヲ伸展シ反對側肢脚ヲ屈曲スル所謂 Dreyfuss ノ症状ハ明瞭ナラズ.
C. 大小調馬場運動及廻轉運動ノ發來定型的ナラズ.
D. 一側迷路曠置後ノ症状ハ早期ヨリ四肢ヲ弛緩シ腹部ヲ床上ニ接着シ四肢ヲ騒擾状ニ運動セシムレバ直チニ轉倒シテ背位トナリ身體ノ長軸ヲ軸トシ左右何レノ方向ヘモ廻轉ス, 即恰モ正常「マウス」兩側迷路曠置後ニ類似ノ症状術前ニ比シ一層顯著トナル.
E. 一側又ハ兩側迷路曠置ニ依リテ其特有廻旋運動ハ減少シ且不完全トナリテ遂ニ消失シ, 頭部及上半身ヲ左右ニ屈曲 (Wenden) セシメツヽ蛇行状運動ヲナス.
F. 特發性眼球震盪, 眼球偏位及頭震盪等ヲ認ムルコトナシ.
7. 上來ノ諸成績ハ舞踏鼠ニ於ケル迷路機能ハ殆ンド消滅セルカ若クハ甚シク不完全ナルヲ證ス.
8. 舞踏鼠ノ前庭性機能障碍ハ生後運動ヲ開始スルニ至レバ已ニ其症状ヲ現ハス.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2349K) -
服部 貴芳1928 年 21 巻 4 号 p. 776-789
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリーI. 舞踏鼠ノ嗅神經, 三叉神經, 顔面神經及動眼神經等ノ機能ハ正常「マウス」ノ其等ノ機能ト同樣ニシテ異常ナシ.
2. 舞踏鼠ノ小腦ノ各部位ヲ除去スルモ其諸症状ハ正常「マウス」ニ於ケルト同樣ニシラ唯之ニ於ケルヨリ其廻轉運動, 頭部ノ屈曲, 躯幹ノ傾斜及四肢ノ伸展ノ度稍強度ナルヲ認ム.
3. 舞踏鼠ノ「クロヽフオルム」麻醉ニ依リテ, 其初期ニハ固有廻旋運動ハ増強セラレ, 深麻醉期ニ於テ諸反射運動ノ消失ト共ニ消失ス.
4. 舞踏鼠ノ顱頂後頭部皮質ノ除去ニヨル諸症状ハ之ヲ正常「マウス」ノ夫レニ比スルニ顯著ナラズ.
A. 皮質除去側ノ反對側ニ頭部ノ屈曲及躯幹ノ傾斜ヲ示シ同側肢脚ヲ伸展シ反對側肢脚ヲ屈曲ス.
正常「マウス」ニ於テ同時ニ發來スベキ反對側ニ向フ廻旋運動ハ舞踏鼠ニ於テハ全ク認メザルカ又ハ其初期ニ於テ僅少ニ之ヲ認ムルノミ. 同名部以外ノ皮質部除去ニヨリテハ上記ノ症状ヲ發來セズ.
B. 同上皮質部ノ一側或ハ兩側除去ニ依リ術前ニ於ケルヨリ一層轉倒シ易クナリ背位トナリテ左右ニ廻轉ス.
C. 舞踏鼠ノ特有廻旋運動ハ同上皮質部ノ除去ニ依リテ其性質的變化ヲ蒙ルコトナシ.
5. 舞踏鼠ノ固有廻旋運動ハ其前庭神經中樞ニ於ケル不均齊ナル興奮ガ延イテ之ト各々連絡セル諸反射中樞ノ不調和ナル興奮ヲ惹起スルニ因ルモノナルベシ.
6. 舞踏鼠ノ運動中ニ示ス頭部ノ動搖, 蛇行状前進及特有廻旋運動等ハ何レモ其迷路乃至第八對神經領域ノ機能不全ニ歸因スルモノト認ム.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1557K) -
服部 貴芳1928 年 21 巻 4 号 p. 790-801_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/12/02
ジャーナル フリーI. 幼若舞踏鼠ノ聽器迷路ニ於ケル變化ハ基礎廻轉ノ螺旋節細胞ニ於テ先ヅ其少數ノモノニ萎縮及消失ヲ來シ, 次デコルチ氏器ニ於ケル有毛細胞ニ及ビ其胞體ノ膨大及萎縮ヲ發來シ時期ヲ經ルニ從テ其變化ハ増強シ又漸次基礎廻轉ヨリ上方廻轉ニ向フ.
II. 幼若舞踏鼠ニ於テハ螺旋板間神經纖維, 螺旋脈絡帶及蝸牛殼神經幹ハ正常ナルカ若クハ輕微ノ變化ヲ認ムルノミ.
III. 幼若舞踏鼠ニ於テハ正圓嚢聽班, 楕圓嚢聽班, 各半規管聽櫛, 前庭神經幹及其節細胞等ニ殆ンド異常ヲ認メズ.
IV. 成熟舞踏鼠ニ於ケル聽器迷路ノ變化ハ次ノ如シ.
1. 螺旋神經節細胞全部ノ消滅若クハ其大多数ノ消失及該細胞ノ萎縮
2. コルチ氏器ニ於ケル内外有毛細胞ノ消滅若クハ種々ナル程度ノ退行變性
3. 内外聽桿細胞ノ消滅若クハ纖維樣萎縮
4. ダイテル, ヘンゼン, クラウヂウス氏各支柱細胞及内螺旋溝上皮細胞ニ於ケル種々ノ程度ノ退行變性
5. 其變化高度ノ場合ニハコルチ氏器各細胞ハ固有ノ性状ヲ失ヒ短圓柱上皮細胞ノ一層ト變化ス.
6. 螺旋脈絡帶上皮細胞ノ萎縮
7. 螺旋板間神經纖維ノ消滅及退行變性
8. 骨軸内蝸牛殼神經纖維ノ變性及減少
9. 前庭神經纖維及節細胞ニ於ケル輕度ノ變性及排列ノ鬆疎
10. 正圓嚢聽班ニ於ケル神經上皮細胞ノ萎縮
V. 一般ニ聽性迷路及前庭迷路ノ變化ヲ比較スルニ前者ニ顯著ニシテ後者ニ輕度ナリ.
VI. 舞踏鼠聽器迷路ハ動物ノ成熟ニ伴ヒ其退行性變化ヲ増加ス.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3127K) -
服部 貴芳1928 年 21 巻 4 号 p. 802-815_2
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー1. 幼若並成熟舞踏鼠第八對神經中樞ニ組織的變化ヲ認ム. 其最モ顯著ナルハ第八對神經中樞ノ腹核, 聽結節及ダイテル氏核領域ニシテ蝸牛殼神經根纖維, 菱形體纖維及核, モナコウ及ヘルド氏聽線, 前庭神經根纖維等ノ變化之ニ亜グ.
2. 上述諸部ニ於ケル變化ハ神經細胞ノ著シキ減少, 存在スル細胞ノ倭小, 各細胞相互ノ大サニ不同著シキコト, 其細胞群配列ノ疎ナルコトヲ以テ主要ノ變化トシ, 神経纖維ニアリテハ均シク纖維ノ減少, 各纖維ノ極メテ纖細菲弱ニシテ且染色性ニ乏シキコト, 形態ノ不同, 其排列及走行ル鬆疎ナルコト, 一般ニ細小ナル纖維ナルニモ拘ラズ尚太細不同著シク屡々中ニ萎縮濃染シ細カク捻轉セル纖維ヲ混ズルコトアル等ヲ以テ主要ノ變化トシ, 更ニ成熟鼠ニ至レバ纖維ノ膨大, 絞搾, 断裂, 捻轉等ノ退行變性ノ存在スルラ認ム.
3. 幼若並ニ成熟兩舞踏鼠ノ神經節細胞ニ於ケル變化ニハ互ニ顯著ナル差異ヲ認メザルモ, 神經纖維ノ變化ニ於テハ兩鼠ニ已記ノ相違ヲ證ス.
4. 一般ニ蝸牛殼神經中樞ノ變化ハ前庭神經中樞ノ夫レニ比シ強度ナリ.
5. 已記第八對神經諸中樞部位ニ於ケル神經細胞ニハ著明ナル退行變性ヲ殆ンド認メズト雖モ, 其神經纖維ニ於テハ主トシテ成熟舞踏鼠ニ退行性變化ヲ認ム.
6. 上橄欖體及外側蹄係ニ於ケル纖維變化ハ少ナク, 之レアル場合ニモ輕度ニシテ, 内膝状體及大腦顳顱〓葉皮質ニハ著變ナシ.
7. 舞踏鼠第八對神經中樞ニ於ケル所見ハ該神經細胞及纖維ノ發育不全ヲ主要ノ變化トシ, 動物ノ成熟スルニ及ンデ稍顯著ナル退行變性ヲ認ム.
8. 舞踏鼠ノ聽器迷路ノ變性 (已報參照) ハ第八對神經中樞領域ニ於ケル發育不全及退行變性ノ二次的變化ナリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (5832K) -
岡崎 儀四郎1928 年 21 巻 4 号 p. 816-830_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー上來叙述ノ實驗成績ヨリ結論スレバ下ノ如シ.
1. 昇汞,「ウラン」及「カンタリヂン」ヲ以テ海〓ニ腎臟炎ヲ起サシムルニ其. 聽器ニ組織學的變化ヲ發來ス.
2. 實驗的ニ腎臟炎ヲ起サシメタル海〓聽器ノ組織學的變化ハ主トシテ聽神經及其神經終末装置ニ於ケル退行性變化ニシテ蝸牛迷路ノ螺旋神經節細胞及コルチ氏器ノ毛細胞ニ最モ著明ニ且早期ニ發現シ蝸牛殼神經纖維ニ比較的輕度ナリ.
3. 蝸牛迷路ニ於ケル病變ハ各廻轉ヲ通ジテ著シキ差異ヲ認メズ.
4. 前庭迷路ニ於テモ亦實驗的腎臟炎ニ際シテ前庭神經纖維, 前庭神經節細胞, 聽班及聽節ノ神經上皮細胞ノ退行性變化ヲ招來スレドモ蝸牛迷路ニ於ケル病變ニ比シテ著シク輕度ナリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3723K) -
岡崎 儀四郎1928 年 21 巻 4 号 p. 831-839_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗成績ヨリ結論スレバ次ノ如シ
1. 昇汞,「ウラン」及「カンタリヂン」ヲ用ヰテ海〓ニ腎臓炎ヲ起サシムル場合ニ其聽神經中樞領域ハ多少ノ障害ヲ蒙リ組織學的變化ヲ招來ス. 而テ其主要ナル病變ハ神經細胞ノ腫脹或ハ萎縮, ニツスル染色體ノ形態並ニ其排列ノ變化乃至消失ニシテ核質ニハ多クハ異常ナシ又神經纖維ハ稀ニ腫脹紡錘状形成, 蛇行, マルキー顆粒ノ増加ヲ來ス.
2. 實驗的腎臟炎ノ際ノ聽器並ニ聽紳經中樞領域ニ於ケル病變ハ螺旋神經節細胞及コルチ氏器ニ最モ著明ニシテ聽神經腹核及聽結節之ニ亜ギ上橄欖核, 外側蹄係核, 後四疊體及内膝状體ハ比較的ニ輕ク顳〓葉皮質ニ最モ輕微ナリ.
3. 前庭神經核, 其他三叉神經核, 顔面神經核, 外旋神經核ノ神經細胞ハ聽神經腹核, 聽結節等ニ於ケルモノニ比シ其染色質ノ崩壊輕微ナリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2486K) -
岡崎 儀四郎1928 年 21 巻 4 号 p. 840-853
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー上來諸實驗ノ結果ニ基キ結論スレバ次ノ如シ.
1. 正常家兎ノ皷室腔内ニ注入セル色素ハ一定時間中ニ皷室腔内ヨリ吸收セラル.
2. 皷室腔ニ於ケル色素ノ吸收經路トシテハ血管, 淋巴管共ニ之ニ參與ス.
3. 皷室腔内ニ於ケル色素吸收ノ時間的經過ハ血液ニアリテハ注入後10分淋巴ニアリテハ30分ニシテ始メテ之ヲ證明シ此等液中ニ於ケル含有色素濃度ノ最高ニ達スル所要時間ハ血液ニ於テハ注入後2-3時間, 淋巴ニアリテハ3-4時間ナリ.
4. 色素吸收ノ時間的經過ニ於ケル血液及淋巴中ノ含有色素濃度ハ皷室腔内ニ注入セル色素ノ種類ニヨリテ差異アリ. 一般ニ擴散度大ナル色素 (Trypanblu, Trypanrot 及 Fuchsin S) 注入ノ場合ハ吸收ノ初期及中期ニ於テ血液中ノ色素濃度ハ淋巴ノ夫レニ比シ著シク大ナリ. 然ルニ吸收後期ニ至レバ血液及淋巴中ノ色素濃度ハ互ニ接近スルノミナラズ擴散度小ナル色素 (Neutralrt, Mlethylenblue) ノ場合ハ淋巴中ノ色素濃度ハ血液中ノ色素濃度ヲ凌駕スルニ至ル.
5. 皷室腔内ニ注入セル色素溶液ノ濃度ノ大小ニヨリテ色素吸收ノ時間的經過ニ多少ノ差異アリ. 一般ニ色素溶液ル濃度大ナルモノハ小ナルモノニ比シテ色素吸收ノ時間的經過ハ少シク延長ス.
6. 尿中ニ排泄セラル色素濃度ハ色素ノ種類ニヨリテ血液中ノ色素濃度ニ比シテ稍々大ナルモノ (Trypanblaue 及 Trypanrot) 及却テ小ナルモノ (Neutralrot, Mechylenblue, Fuchsin. S. etc) アリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1382K) -
岡崎 儀四郎1928 年 21 巻 4 号 p. 854-866_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗成績ョリ結論スレバ下ノ如シ.
1. Trypanblau, lithinkarmin 及 Neutralrtヲ家兎ノ中耳腔内ニ注入スルトキハ皷室粘膜, 粘膜下組織, 聽小骨骨膜及同靱帯等ハ注入後2時間ニテ強ク着色スルモ6時間後ヨリ漸次褪色シ24時間後ニ至レバ僅ニ其着色ヲ認メ得ル程度ニ至ル.
2. Trypanblau 及 Lithionkarmin ヲ中耳腔内ニ注入セル場合ニ出現スル生體可染顆粒ハ注入6時間後ヨリ漸次増加シ, 24時間後ニ至レバ著シク著明トナル.
3. 是等生體可染顆粒ノ著明ニ出現スル部位ハ皷膜, 聽小骨骨膜, 聽小骨關節及同靱帯ニシテ皷室上窩, 第二皷膜, 蝸牛殼尖端部皷室面ノ附近等之ニ次グ.
4. Nentralrot ヲ中耳腔内ニ注入セル場合ニハ生體可染顆粒ノ出現ヲ見ズ.
5. 中耳腔内ニ色素溶液ヲ注入スルトキハ24時間後ニ至リ中耳腔内ニ著明ナル組織球ノ出現ヲ見ル.
6. 中耳腔内ニ Trypanblau, Llithionkarmin 及 Neutralrot ヲ注入スル場合ニハ Trypanblau ハ注入後2時間ニシテ已ニ第二皷膜ヲ透シテ内耳外淋巴腔内ニ侵入シ, 6時間後ニハ輸状靱帯ヲ透シテ前庭迷路ニモ侵入スレドモ Neutralrot 及 Lithionkarmin ハ24時間ヲ經過スルモ内耳外淋巴腔内ニ殆ンド侵入セズ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2457K) -
岡崎 儀四郎1928 年 21 巻 4 号 p. 867-879_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗ノ成績ヨリ結論スレバ下ノ如シ.
1. 海〓ニ笛聲ヲ連續的ニ作用セシムルトキハ内耳蝸牛迷路ノ一定部位ニ著明ナル病變ヲ發來スルノ外聽神經中樞領域ニモ續發性變性ヲ招來ス.
2. König 氏ガルトン笛度盛10ノ笛聲ヲ作用セシムル場合ニハ蝸牛基礎廻轉ノ中部ニ比較的限局セル著明ナル病變ヲ惹起ス, 其他ノ廻轉ニ於テモ亦多少ノ病變ヲ認ムレドモ其變化著シク輕微ナリ.
3. 笛聲ニ因ル蝸牛迷路ノ病變ハコルチ氏器ノ毛細胞及支柱細胞殊ニ前者ニ最モ著明ニシテ且早期ニ發現シ, 次デ螺旋神經節細胞及蝸牛殼神經ノ末梢神經纖維ノ變性萎縮ヲ招來シ, 更ニ其變性ハ一定時日後ニ該神經幹部ニ及ブ.
4. 聽神經中樞領域ニ於テハ1-2週ヲ經過スルモ未ダ病變ヲ認メザルモ3週乃至2ヶ月ニ至レバ聽結節及聽神經腹核ノ背方細胞群領域ニ於ケル神經細胞ニニツスル染色體ノ變化ヲ認ム.
5. 聽結節及聽神經腹核ニ於ケル神經細胞ノ變化ハ胞體ノ腫脹或ハ萎縮, ニツスル染色體ノ崩壊等ニシテ核ノ轉位, 空胞形成等ヲ認メズ.
6. 前庭迷路及前庭神經核ニハ著變ヲ認メズ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3815K) -
岡崎 儀四郎, 齋藤 愼1928 年 21 巻 4 号 p. 880-894
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗ノ成績ニ基キ結論スルコト次ノ如シ.
1. 中耳ニ炎症ヲ惹起セシメタル家兎中耳腔及外聽道内ニ「Trypanblau」「Neutralrot」及「Lithioncarmin」等ノ色素溶液ヲ注入スルニ一定時間中ニ當該色素ハ中耳腔及外聽道ヨリ吸收セラル. 血管及淋巴管ハ共ニ其吸收徑路タリ.
2. 中耳炎ヲ惹起セシメタル中耳腔ニ注入セル色素ヲ定量シ得ルニ至ル時間ハ上記三種可檢色素ノ如何ニ拘ラズ血液ニ於テハ注入後20乃至30分, 淋巴ニ於テハ30分乃至1時間ナリ, 之等體液中ノ含有色素濃度ハ注入後ニ於ケル時間ノ經過ト共ニ漸増シ遂ニ最大濃度ニ達スルニ至ル時間ハ血液及淋巴ハ共ニ注入後3乃至4時間ナリ即中耳炎ヲ惹起セル中耳腔及外聽道ヨリノ色素吸收ノ時間的經過ハ正常中耳腔及外聽道ノ場合ニ比シ血液ニ於テハ遲延スレドモ淋巴ニ於テハ著シキ差ヲ示サズ.
3. 中耳炎ヲ惹起セル場合ニハ血液及淋巴中ノ含有色素濃度ハ吸收ノ時間的經過ヲ通ジテ正常中耳ノ場合ニ比シ著シク小ナリ.
4. 中耳炎ヲ惹起セル中耳腔及外聽道内ニ色素ヲ注入シ同時ニ「イオントフオレーゼ」ヲ施セバ中耳腔及外聽道ヨリノ該色素吸收ニ影響ヲ及ボシ色素吸收ノ時間的經過ハ「イオントフオレーゼ」ヲ施サザルモノニ比シ注入後當該色素ヲ血液及淋巴中ニ初メテ定量シ得ルニ至ル迄ノ時間ハ短縮シ最大濃度ニ達スル迄ノ時間モ亦短縮且其最大濃度ハ大ナリ, 但シ惹起セル中耳炎ニシテ炎性變化ノ高度ナル場合ニハ「イオントフオレーゼ」ニヨル影響顯著ナラズ. 血液及淋巴中ノ色素濃度ガ最大ニ達セシ後ハ時間ノ經過ト共ニ漸減ス而テ「イオントフオレーゼ」ヲ施セル場合ニハ之ヲ施サザル場合ニ比シ色素濃度ノ減少速ナリ.
5. 中耳炎ヲ惹起セシメタル中耳腔及外聽道内ニ注入セル色素ヲ尿中ニ定量シ得ルニ至ル時間ハ色素ノ種類ニヨリ異ナリ「Trypanblau」及「Lithionc armin」ハ注入後1時間「Neutralrot」ハ30分ナリ, 尿中ノ含有色素濃度ハ注入後ニ於ケル時間的經過ト共ニ漸増シ最大濃度ニ達スル時間ハ注入後4時間ナリ一般ニ中耳炎ヲ惹起セル中耳腔及外聽道ニ色素ヲ注入セル場合ハ正常中耳腔及外聽道ノ場合ニ比シ尿中ニ於ケル色素排泄ノ時間的經過ハ遲延シ而テ尿中ノ色素濃度ハ小ナリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1537K) -
齋藤 愼, 岡崎 儀四郎1928 年 21 巻 4 号 p. 895-906_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗ノ成績ヨリ結論スレバ下ノ如シ.
1. 中耳ニ炎症ヲ惹起セシメタル家兎ノ中耳腔及外聽道内ニ Trypanblau 及 Lithionkarmin ヲ注入セル場合ニ該色素ニヨリ最モ著明ニ染色セラレ且生體可染顆粒ノ出現顯著ナル部位ハ皷膜ニシテ外聽道ノ皮膚及皮下組織之ニ亜ギ, 皷室粘膜及聽小骨骨膜等ハ1-6時間ヲ經過スルモ着色輕度ニシテ生體可染顆粒ノ出現ヲ見ズ.
2. 炎症ヲ惹起セシメタル中耳腔及外聽道内ニ Trypanblau 及 Lithionkarmin ヲ注入セルトキハ「イオントフォレーゼ」ヲ施スニヨリ外聽道壁, 皷膜及皷室腔ノ該色素吸收状態ニ多少ノ影響ヲ及ボス.
3. 皷膜及外聽道壁ハ「イオントフォレーゼ」ヲ施セヾル場合ニハ施サヾル場合ニ比シテ著明ニ染色シ且生體可染顆粒ノ出現稍々顯著ナリ.
4. 中耳ノ炎症輕度ニシテ腔内ニ滲出物ノ瀦留少キモノハ「イオントフォレーゼ」ヲ施スニヨリ皷室粘膜及聽小骨骨膜等ハ著明ニ着色スレドモ中耳ノ炎症著明ニシテ腔内ニ多量ノ滲出物存スル場合ニハ「イオントフォレーゼ」ヲ施スモ皷室粘膜等ノ着色輕度ニシテ「イオントフォレーゼ」ヲ施サヾルモノト比較シ其着色ノ程度ニ著シキ差異ヲ認メズ.
5. Trypanblau 及 Lithionkarmin ハ中耳ニ高度ナル炎症アル場合ニハ中耳腔内ニ注入シテヨリ1-6時間ヲ經過スルモ内耳外淋巴腔内ニ侵入セズ. 然レドモ中耳ノ炎症輕度ナルモノニテハ「イオントフォレーゼ」ヲ施スニヨリ Trypanblau ハ色素液注入後1時間ニテ内耳外淋巴腔内ニ明ニ侵入セルヲ見ル.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1986K) -
岡崎 儀四郎, 齋藤 愼1928 年 21 巻 4 号 p. 907-913_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗成績ヨリ結論スレバ下ノ如シ.
1. 家兎ノ外聽道内ニ注入セル Trypanblau, Lithionkarmin 及 Neutralrot ハ外聽道壁及中耳粘膜ヨリモ吸收セラルレドモ主トシテ皷膜殊ニシュラップネル氏膜ヨリ吸收セラル.
2. Trypanblau, Lithionkarmin 及 Neutralrot ハ正常ナル皷膜ヲ透シテ中耳粘膜ニ到達スルヲ得. 殊ニ擴散度ノ大ナル Trypanblau ハ擴散度ノ小ナル Lithionkarmin 及 Neutralrot ニ比シテ中耳腔内ニ侵入スルコト速ナリ.
3. 外聽道内ニ注入セル色素液ガ正常ナル皷膜ヲ透シテ中耳腔内ニ侵入シ易キ部分ハ主トシテシュラップネル氏膜及皷膜ノ中間部ナリ.
4. 皷膜ヲ透シテ中耳腔内ニ侵入セル色素ノ最モ著明ニ附着スル部位ハ外槌骨靭帶, 槌骨, 砧骨及皷膜緊張筋ノ周圍ニシテ皷室上窩殊ニ其内壁被覆粘膜之ニ亜ギ其他ノ部分ノ皷室腔壁被覆粘膜ニハ色素顆粒ヲ附着スルコト著シク輕微ナリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1361K) -
齋藤 愼1928 年 21 巻 4 号 p. 914-925
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗ノ成績ニ基キ結論スレバ次ノ如シ.
1. 家兎皷室腔及外聽道内ニ Trypanblau, Neutralrot 及 Lithioncarmin 等ノ色素溶液ヲ注入シ「イオントフォレーゼ」ヲ施ス場合ニハ一定時間内ニ該色素ハ皷室腔及外聽道ヨリ吸收セラル. 其吸收徑路ニハ血管及淋巴管ハ共ニ參與ス.
2. 中耳腔及外聽道内ニ色素液ヲ注入シ「イオントフォレーゼ」ヲ施ス場合ニハ中耳腔及外聽道ヨリノ該色素吸收ニ著明ナル影響ヲ及ボス.
3. 色素吸收ノ時間的經過ニ就テハ「イオントフォレーゼ」ヲ施セル場合ニ之ヲ施サヾル場合ニ比シ注入時ヨリ血液及淋巴中ニ初メラ該色素ヲ定量シ得ルニ至ル時間短ク且其最大濃度ニ達スル迄ノ時間モ亦短縮ス.
4.「イオントフォレーゼ」ヲ施ス場合ニハ上記三種ノ可檢色素ノ如何ニ拘ラズ血液ニ於テ吸收色素ヲ確實ニ定量シ得ルニ至ル時間ハ注入後5分, 淋巴ニ於テハ30分ヲ要ス, 其後ハ時間ノ經過ト共ニ色素濃度漸増シ其最大濃度ニ達スル時間ハ血液ニ於テハ注入後1時間ニシプ淋巴ニ於テハ2乃至3時間ナリ.
5. 血液及淋巴中ノ含有色素ノ最大濃度ニ達セル後ハ漸減シ「イオントフォレーゼ」ヲ施セルモノハ之ヲ施サヾルモノニ比シテ其減少スルコト速ナリ殊ニ血液ニ於テ著シ.
6. 可檢色素ノ如何ニ拘ラズ血液中ノ最大濃度ハ淋巴中ノ夫レニ比シ大ニシテ「イオントフォレーゼ」ヲ施セルモノハ之ヲ施サヾルモノニ比シ更ニ大ナリ.
7.「イオントフォレーゼ」ヲ施セル場合ニハ色素ノ尿排泄ニ影響ヲ及ボシ其排泄ノ時間的經過ハ「イオントフォレーゼ」ヲ施サヾル場合ニ比シ短縮ス.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1140K) -
齋藤 愼1928 年 21 巻 4 号 p. 926-938_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー本實驗ノ成績ヨリ結論スレバ下ノ如シ.
1. Trypanblau 及 Lithionkarmin ヲ健康家兎ノ中耳腔及外聽道内ニ注入シ「イオントフォレーゼ」ヲ施ストキハ皷室腔及外聽道壁ノ該色素吸收状態ニ著明ナル影響ヲ及ボス.
2. 皷室腔及外聽道内ニ一定量ノ色素液ヲ注入シ「イオントフォレーゼ」ヲ施セルモノハ之ヲ施サヾルモノニ比シテ色素液注入1時間後ニハ中耳粘膜, 粘膜下組織, 聽小骨骨膜其他皷膜及外聽道壁等ノ着色著シク顯著ナレドモ時間ヲ經過スルニ從ヒ速ニ褪色シ6時間後ニ至レバ反テ其着色ノ度ヲ減ジ生體可染顆粒ノ出現著明ナリ.
3. 中耳腔及外聽道内ニ注入セル色素ハ「イオントフォレーゼ」ヲ施スニヨリ第二皷膜及輪状靱帯ヲ透シラ内耳外淋巴腔内ニ容易ニ侵入ス, 殊ニ擴散度ノ大ナル Trypanblau ハ擴散度ノ小ナル Lithionkarmin ニ比シテ侵入容易ナリ.
4. Trypanblau ハ「イオントフォレーゼ」ヲ施ス場合ニハ中耳腔内ニ注入後1時間ニシテ, 内耳外淋巴腔内ニ著明ニ侵入スレドモ「イオントフォレーゼ」ヲ施サヾル場合ニハ3-6時間後ニ至リ僅ニ侵入セルヲ認ム.
5, Lithionkarmin ハ「イオントフォレーゼ」ヲ施ス場合ニハ中耳腔内ニ注入後3時間ニシタ第二皷膜及輪状靱帶ヲ透シテ内耳外淋巴腔内ニ侵入スルモ「イオントフォレーゼ」ヲ施サヾル場合ニハ1-6時間ヲ經過スルモ侵入セズ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2213K) -
三井 忠1928 年 21 巻 4 号 p. 939-944
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー1. 航室學上安全氣圏ト見做サレタル陸地ヲ距ル4000米突高以内ニ於ケル「プライヱル」反應ハ陽性成績ヲ示スモノナリ.
2. 上昇飛行ノ際一定高所ニ於テ一定度ニ減弱セル「プライヱル」反應ハ可檢動物ノ同氣壓ニ習慣スル事ニヨリ該反應ノ減弱ハ一部分恢復シ得ルモノナリ.
3. 降下飛行ノ際一定高度ニ降ルヤ直チニ上昇ニヨリテ減弱セル該反應ノ一部ヲ恢復シ迅速ニ該氣壓ニ相當セル反應ヲ現ハスモノナリ.
4. 高室飛行ニヨル「プライヱル」反應ノ強弱ハ一般氣壓ノ變化ニ關係シ一定方向ノミニ作用スル器械的外力ニ基ク壓力變化ニハ關係スルモノニ非ズ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (586K) -
龜谷 貞訓1928 年 21 巻 4 号 p. 945-953
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/12/02
ジャーナル フリー腦壓ヲ上昇セシムル時ハ體位及位置反射ニ一定ノ影響ヲ及ボス
a. 腦壓上昇比較的輕度ナル時ハ其ノ影響モ僅少ニシテ躯幹ニ對スル躯幹位置反射ニ減弱廻轉後眼球震盪ニ亢進ヲ來スコトアリ.
b. 腦壓ヲ中等度 (40-60mm Hg) ニ上昇セシムレバ體位ハ腹臥位又ハ側臥位ヲ取リ躯幹位置反射, 脊髓性諸反射, 昇降運動廻轉性及廻轄後頭部反射ハ減弱又ハ消失シ廻轉性及廻轉後眼球反射ハ概シヲ減弱ス迷路性位置反射迷路性四肢及眼球緊張反射ハ其影響ヲ受クルコト最モ輕度ナリ.
c. 腦壓ヲ高度 (70-90mm Hg) ニ上昇セシムレバ體位及位置諸反射凡テ消失ス然レドモ脱壓スル時ハ一定時ノ後一定ノ順序即迷路性緊張諸反射ヲ先駆トシ廻轉性廻轄後頭部及眼諸反射之レニ次ギ進行性反射脊髓性反射躯幹位置及反射最モ遲レテ復舊シ其ノ順序腦上昇ニ依テ影響セラルヽ順位ト逆ナリ.
d. 上述ノ成績並ニプ氏反應ハ廻轉後眼球反射ニ先テ消失シ又之レニ遲レテ恢復スルノ事實ヨリ腦壓上昇ニ對シ一般ニ脊髓性諸反射ハ迷路諸反射ニ比シ又音響性反射ハ前庭迷路諸反射ニ比シ抵抗弱シ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2647K) -
後藤 光治, 安田 安治1928 年 21 巻 4 号 p. 954-960
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/12/02
ジャーナル フリー1.「オツエナ」患者ヨリ手術的ニ剔除セル上頸交感神經節ニ一定ノ組織的變化ヲ證明ス.
2. 該變化ハ神經節細胞ノ退行性變化ト間質組織ノ増殖性變化トヨリナル.
3. 該變化ハ機能的ニ著者ノ證明セル「オツエナ」患者ノ交感神經過敏症ニ一致ス.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (739K) -
後藤 光治, 安田 安治1928 年 21 巻 4 号 p. 961-976
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー1. 余等ノ觀察セル迷路炎症例ニ於テハ限局性ノモノハ勿論・瀰漫性ノモノニ於テ尚聽力ノ残存スルヲ認メ得ベク又他方ニ全然聽力ノ消失セルモノアリテ迷路炎ニ際スル聽能力ノ有無ニ關シテハ一律ヲ許サヾルコトヲ示ス.
2. 余等ノ症例中片側迷路疾患患者ノ外半規管刺戟適位ニ於テ廻轉刺戟ヲ加フルニ患側廻轉後發來スル健側ニ向フ水平性眼球震盪ハ數及其持續時間ニ於テモ健側廻轉ニ發現スル夫レニ比シテ優越ス.
3. 余等ノ症例ニ於テ頭位變換後, 前鉛直半規管若シクハ後半規管刺戟適位ニ於テ廻轉刺戟ヲ加フルニ患側前及後鉛直半規管聽櫛ハ刺戟状態ニアルヲ認ム.
4. 冷温性眼球震盪ハ患側耳ヲ刺戟セル場合ハ健側ヲ刺戟セル場合ヨリ常ニ低減スルカ若シクハ全然發現セズ, 但シ第五例黴毒性外半規管疾患症例ニ於テハ患側耳前鉛直半規管聽櫛ハ健側ニ比シテ稍刺戟状態ニアルヲ認ム.
5. 「ゴニオメーター」檢査ニ於テ一側迷路患者ノ墜落角下ハ正常人ノ約1/3-1/5ニ低減ス然レドモ兩側迷路炎患者ハ比較的均衡ヲ保持シ其墜落角度ハ正常ニ比シ僅微ノ差異ヲ示スニ過ギズ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1665K) -
安田 安治, 伊積 政雄1928 年 21 巻 4 号 p. 977-984_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー1. 音響性耳殻運動反射ハ「インシユリン」注射後0.5-1.5時間ニ於テ一時亢進シ注射後4.5乃至5.0時間ニ至リテ急激ニ抑制セラノル.
2. 音響性耳殻反射ガ「インシユリン」注射ニヨリテ蒙ル影響ハ使用セル各音源ノ種類 (振動數ノ異ナル各種ノ音) ニヨリテ特殊ノ關係ヲ示スコトナシ.
3. 「インシユリン」注射ニ因ル音響性耳殼運動ノ振幅ノ減弱ハ用ヒラレタル音, ノ高低ノ如何ニ關セズ, 一樣ニ使用量ノ増加ニ從ツテ減弱ス.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2507K) -
久米 直助1928 年 21 巻 4 号 p. 985-993
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー1). 多數動物ニ就キテ廻轉性, 一側迷路破壞性及代償性眼震ノ個體的變動ヲ比較スルニ;
a). 一側迷路破壞性及代償性眼震ハ兩者略々同一程度ノ個體的變動ヲ示ス.
b). 一側迷路破壞性及代償性眼震ノ個體的變動ハ廻轉性眼震ノ個體的變動ニ比シテ其範圍小ナリ.
c). 廻轉性眼震ノ個體的變動ノ大ナルハ i) 成因ノ相違 ii) 視性影響, 並ニ iii) 本眼震ガ時ニ外界ノ諸因子ニヨリテ容易ニ或影響ヲ受クル等ニ關スルナランカ.
2). 各同一動物ニ於ケル廻轉性, 一側迷路破壞性及代償性眼震ノ持續時間及震盪數ヲ箇々ニ吟味スルニ;
a). 廻轉性及一側迷路破壞性眼震ノ持續時間及震盪數ハ兩者眼震ニ於テ略々並行スルノ傾向ヲ認ム.
b). 代償性眼震ノ持續時間及速度 (震盪數) ハ廻轉性及一側迷路破壞性眼震ノ持續時間及速度ト並行的關係ヲ示サズ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (837K) -
久米 直助1928 年 21 巻 4 号 p. 994-1002
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリー上來ノ記述ニヨリ次ノ如ク結論ス.
1) 一眼ヲ剔出セノシ家兎ニ1廻轉約10秒ノ速度ヲ以テ1回或ハ2回ノ廻轉刺戟ヲ與フルニ廻轉性眼震ノ持續時間及震盪數ハ廻轉ノ方向ニヨリテ一定ナル差ヲ示ス.
a) 眼球剔出側方向ニ廻轉スル場合ニハ健眼側方向ニ廻轉セル場合ニ比シ廻轉中ノ眼震ハ震盪數少ニシテ廻轉後眼震ハ持續時間長ク震盪數著シク多シ.
b) 健眼側方向廻轉ノ際ニハ廻轉中ノ眼震ガ震盪數多ク, 廻轉後眼震ハ持續時間短ク震盪數著シク少キカ或ハ眼震缺如ス.
2) 兩眼健存家兎ニ於ケル廻轉後眼震ノ左右廻轉ノ方向ニヨル差ハ既知ノ如ク僅小ニシラ且廻轉ノ方向ト一定ナラズ. 依テ (1) ノ所見ハ一側視力脱失ニ因ル一種ノ視性影響ト解シテ妥當ナルベシ.
3) 一眼剔出ニ因ル健眼側ニ向フ特發性眼震持續中ニ於ケル廻轉性眼震ノ左右廻轉ノ方向ニヨル差異ハ一眼ヲ剔出スルモ特發性眼震ヲ發來セザル他ノ家兎ニ於ケル上記 (1) ノ所見ニ同致ナリ.
4) 一眼剔出後, 特發性眼震ヲ發來セザル家兎ニ於テハ健眼側ニ向フ眼震準備 (Nystagmusbereitschaft) ノ保有ヲ思惟セシム.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3556K) -
冷温性眼球震盪ノ外聽道經由刺戟ニヨル場合ト前庭壁直接刺戟ニヨル場合トノ差異久米 直助1928 年 21 巻 4 号 p. 1003-1012_1
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/12/02
ジャーナル フリー10℃及50℃ノ冷温水5ccヲ約20秒間ニ外聽道内ニ灌注シテ (間接刺戟) 發來スル冷温性眼震ト同一温度ノ冷温水1乃至2ccヲ數秒間ニ前庭迷路壁直接灌注 (直接刺戟) ニヨル冷温性眼震トヲ比較スルニ次記ノ相違アリ.
1). 潜伏期ハ間接刺戟ノ場合ニハ數秒乃至數十秒ナルニ反シ直接刺戟ノ場合ニハ著シク短クシテ多クハ1或ハ2秒ヲ出デズ.
2). 眼球偏位及不規則震盪期ハ直接刺戟ニヨル眼震ニ於テ遙ニ短シ.
3). 週律性震盪期ニ於ケル振幅及速度 (震盪數) ハ一般ニ間接刺戟ニヨル場合ニハ小ニシテ不規則ニ, 直接刺戟ニヨル場合ニハ著シク大ニシテ規則正シ.
4). 間接刺戟ニヨル場合ノ内, 冷刺戟ニヨル眼震ハ温刺戟ニヨル眼震ニ比シテ明ニ持續時間長ク振幅大ニ震盪數多シ. 然ルニ直接刺戟ノ場合ニハ冷及温刺戟ニヨリテ眼震ノ性状ニ顯著ナル差ヲ見ズ.
5). 冷温戟刺ニヨル動物ノ自發的體動ハ間接戟刺ニ於テ顯著ニ大ニシテ屡々眼震ノ觀察ヲ妨グルニ反シ直接戟刺ニ於テハ自發的體動著シク小ナリ.
6). 冷温性眼震ノ個體的變動ハ間接刺戟ノ場合ニ其範圍著シク大ナリ反之直接戟刺ノ場合ニハ其範圍顯著ニ小ナリ.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2898K) -
廣神 伊藤1928 年 21 巻 4 号 p. 1013-1017
発行日: 1928/04/20
公開日: 2011/10/14
ジャーナル フリーPDF形式でダウンロード (572K)
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