日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
Print ISSN : 0916-8753
97 巻 , 1 号
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目次
論文
  • 田上 奈実, 中館 朋江, 水野 諭, 井田 民男
    2018 年 97 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー

    本論文は,石炭の指標が半炭化バイオマスの特性を示す指標として適用可能であるか検討することを目的とする。石炭の指標は,燃焼性を示す燃料比と石炭化度を示すコールバンド(van Krevelen diagram)を用いた。原料に緑茶を用い,半炭化処理温度の異なる半炭化バイオマスを作成し,それらの燃料比およびコールバンドによる化学組成変化について調査した結果,次のような知見を得た。緑茶を原料とした半炭化バイオマスは,293 K ≦Tb ≦640 Kにおいて,燃料比0.38-2.07を得た。重量収率と燃料比の間には0.38 ≦F.R ≦0.65,0.65<F.Rの範囲において,負の相関関係が認められ,F.R = 0.65において屈曲点が存在し,屈曲点を境に熱分解により放出される揮発成分が異なることが示唆された。コールバンドを適用することにより,半炭化過程における化学変化を推定することができるが,脱カルボキシル,脱カルボニル反応による酸素の放出と脱メタン,脱水素反応による水素の放出が同時に生じる場合においては,コールバンドのみで各反応を決定することは困難であることがわかった。

技術論文
  • 森 健太郎, 伊藤 拓哉, 角田 雄亮
    2018 年 97 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー

    木質バイオマス単独の溶媒循環型直接液化プロセスでは,次循溶媒量が確保できないことが問題であった。そこで著者らは,プラスチックとの共液化による溶媒補填および初期溶媒の分解挙動について検討した。木質バイオマスとしてはスギを,プラスチックとしては廃プラスチックを想定して,ポリプロピレン,ポリエチレンおよびポリスチレンを,初期溶媒には鉱油を用いた。スギと各プラスチックの共液化における温度の影響および溶媒循環の可能性について検討を行った結果,以下の事が判明した。400℃より高い温度では試料との相互作用により,鉱油の分解が生起するため,反応温度は400℃以下が望ましい。ポリスチレン以外では,共液化の相互作用によってプラスチックの分解が促進され,溶媒留分収率が増加する。初期溶媒を鉱油とした場合,無極性成分の鉱油の分解が生じたため溶媒留分の確保ひいては溶媒循環が困難であった。初期溶媒中の極性成分割合を最適化することでこれを解決できる可能性がある。

資料
  • 辻本 政雄
    2018 年 97 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2018/01/20
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー

    本稿では,ペルシャ湾岸7ヶ国における経済成長(一人あたりGDP)と大気汚染(一人あたりCO2 排出量)の関係に注目する。特に,各国別及び時系列(1980~2014年の35年間)のデータ,並びに,回帰分析を用い,湾岸7ヶ国における環境クズネッツ曲線仮説(EKC仮説)の妥当性を検証し,以下を述べる。第一に,当該条件下におけるEKC仮説の妥当性は限定的であり,むしろ,比例増加の関係が支配的である。第二に,仮説の限定性の背景要因として,環境負荷軽減に向けた制度上の課題,すなわち,(1)政治的制約,(2)環境親和性に欠くソフトな予算制約,(3)廃棄物処理・管理上の不備等が挙げられる。しかし,第三に,仮説の限定性は同時に,環境負荷軽減に向けた諸々の事業への更なる参画を通して,日本の国際的プレゼンス強化を図る好機を示すものと考えられる。

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