日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
Print ISSN : 0916-8753
97 巻 , 4 号
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目次
論文
  • 近藤 頌大, 永石 平, 堂脇 清志
    2018 年 97 巻 4 号 p. 77-87
    発行日: 2018/04/20
    公開日: 2018/04/27
    ジャーナル フリー

    近年,燃料電池の技術開発が進んでおり,その燃料となる水素需要は拡大を見せている。しかしながら,現在の水素のエネルギー源は化石燃料が一般的であるため,ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から考えると,水素からエネルギーを取り出したとしても,温室効果ガス排出に寄与してしまう。その代替として,再生可能エネルギーであるバイオマス由来の水素(Bio-H2)製造に着目し,その環境影響に関する研究を行ってきた。その結果,水素精製プロセス(圧力変動吸着法 PSA))が最も環境影響があることが判明し,その解決策の一つとして,2-step PSAを開発した。しかし,2-step PSAによるBio-H2製造プロセスのエネルギーの有効利用及び環境影響の検討はなされていない。 そこで,本研究では,2-stepPSAを利用したBio-H2製造プロセスのエネルギーの有効利用の及び環境影響について検討を行った。ここでは,ガス化及び水素精製実験データに基づきプロセス設計を行い,エクセルギー解析を用いプロセス評価を行った。それに加え,LCA分析を用い,プロセス全体の環境影響評価を行った。 その結果,2-step PSAケースの方が従来PSAケースより,エクセルギー効率が1.7ポイント向上し,従来PSAケースと比べ2-step PSAケースでは化石燃料の消費量が低減され,さらに地球温暖化に影響するCO2排出量に関しては大きく低減される結果となった。本研究で新しく提案したエネルギー有効利用及び環境影響を含む複合評価手法を用いることで,エネルギー変換プロセスにおいてよりエネルギーを有効利用でき環境影響も少ないプロセスの技術促進に繋がると考えられる。

  • 加藤 貴宏, 永井 裕樹, 大川 浩一, 菅原 勝康
    2018 年 97 巻 4 号 p. 88-96
    発行日: 2018/04/20
    公開日: 2018/04/27
    ジャーナル フリー

    石炭中の無機および有機硫黄を穏和な条件下で効率的に事前脱硫する技術を開発するため,炭化度が異なる5種類の石炭について過酸化水素による酸化脱硫を行った。室温にて石炭試料を過酸化水素中で2 h撹拌すると,無機硫黄の黄鉄鉱硫黄と硫酸塩硫黄が固相から完全に除去された。有機硫黄も同時に除去され,例えば低炭化度の褐炭では84%の有機硫黄が除去された。固相から除去された硫黄は硫酸塩として過酸化水素水溶液に溶解した。石炭中のチオフェン型硫黄は,過酸化水素処理の間にスルフォキシドとスルフォンに変わることがXANES分析により明らかとなった。チオフェンの除去率は石炭化度が高い石炭ほど低く,原炭の芳香族炭素指数との間に明確な相関があることが確認された。

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