日本エネルギー学会誌
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特集:アジアバイオマス科学会議Ⅰ(論文)
  • Dedy Eka PRIYANTO, Chikako WADA, Naoki SATO, Shunichiro UENO, Kazuhiro ...
    2018 年 97 巻 8 号 p. 216-221
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    The co-firing of coal with biomass is a promising method for reducing net CO2 emissions from existing coalfired power plants. This present study examined the effect of the co-firing of coal with biomass on the produced fly ash and the fouling tendency under condition representative of reheater region of pulverized-coal (PC) boiler. The fouling tests were conducted in a drop-tube furnace by inserting a water-air-cooled deposition probe to the point where the inner furnace temperature was 800-900 °C and probe’s metal temperature was kept at 500 °C. Bituminous coal was mixed with up to 50% (energy basis) of three types of biomass, namely; Palm Kernel Shell (PKS), Japanese cedar (without bark) and bark of cedar respectively. Fouling tendency was evaluated by determining the ash deposition ratio during co-firing tests. The properties of fly ashes and ash deposits for each sample were analyzed in detail by XRF and CCSEM analysis. Compared to coal firing, PKS or bark co-firing significantly increases the fouling tendency, whereas cedar co-firing does not affect the fouling tendency. The increase of minerals with low melting point, particularly Ca-Fe-Al-Si and K/Na-Al-Si, in fly ash accelerated the fouling tendency during co-firing.

  • Emmanuel Owoicho ABAH, Kazuma IWAI, Kai SAKURAI, Ryozo NOGUCHI
    2018 年 97 巻 8 号 p. 222-225
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    バイオマスの燃焼は,熱エネルギーを得るため世界的に最も伝統的な方法である。しかしながら,バイオマスの燃焼による熱エネルギーの利用において,適正かつ十分な技術を使用しなければ,大気汚染や微粒子などの有害汚染物質の排出などを引き起こす。本研究では,水稲籾殻の燃焼に伴って発生する10,4,2.5および1.0 µmの粒子状物質(PM)の比較評価に焦点を当てた。粒子状物質のリアルタイム測定は実験室規模で実施され,籾殻燃焼のために固定床燃焼チャンバー(Yamato F100,PM測定のためにエアロゾルカウンター(Dust-track II)が使用された。サンプリングを行う排気ガス排出口の温度を下げるために,熱交換器の製作と取り付けを行った。燃焼の各温度区分は,600,700,800,900および1000℃とし,籾殻サンプル1 gあたり3分間の燃焼実験を行い,それぞれの燃焼温度について5回の平均値を採用した。燃焼温度600℃と1000℃において,PM2.5の最大質量濃度は121.6 mg/m3 および87.6 mg/m,PM10 の最大質量濃度は150.0 mg/m3および71.53 mg/m3が測定された。しかし,燃焼温度700,800および900℃のPM2.5質量濃度は,PM10よりも明らかに高かった。

  • Kota UETAKE, Takehiko TAKAHASHI
    2018 年 97 巻 8 号 p. 226-230
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    リグノセルロース系バイオマスは,ヘミセルロースおよびリグニンがセルロースに強固に結びついた複雑な網目構造を有しており,酵素糖化においてリグニンが阻害要因であると言われている。秋田県立大学では,リング媒体利用粉砕機を開発し,杉を微粉砕することで高い酵素糖化率となる杉粉末を得ているが,リグニンの影響についてはこれまで検討されていない。本研究では,杉をリング媒体利用粉砕機で粉砕した際における杉粉末中のリグニン構造変化,またその変化が酵素糖化率に与える影響について検討した。リグニン定量試験の結果,杉粉末のクラーソンリグニン含有量は粉砕時間が増加しても変化しなかった。一方で,ESR試験より得られたスペクトルから杉粉末中のラジカル濃度を算出した結果,杉粉末中のラジカル濃度は粉砕時間20分で最大値を取り,その後は緩やかに減少した。粉砕することでリグニンの主要結合であるフェニルエーテル結合を開裂し,酵素糖化率の向上に寄与しているのではないかと予想された。

特集:アジアバイオマス科学会議Ⅰ(技術論文)
  • Takahiro YOSHIDA, Yoshitaka KUBOJIMA, Daisuke KAMIKAWA, Makoto KIGUCHI ...
    2018 年 97 巻 8 号 p. 231-235
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    トレファクション燃料製造プラントを新規に設計,製作して実証運転試験を行った。装置仕様は既存装置をベースにロータリーキルン式炭化炉およびリングダイ式ペレタイザーなどから構成する内容とした。炭化炉をのべ240時間以上運転した結果,生のスギ木材チップからトレファクション化した木材チップを2.3 t製造でき,トレファクションチップのエネルギー収率は従来の木炭チップのほぼ2倍に相当した。一方,ペレット成型後の長さは平均7.4 mmで従来木質ペレットに比べて短くなった。このペレットをコーンカロリメーターで燃焼試験に供した結果,着火時間が遅れは見られず,有炎燃焼時の発熱速度が減少することがわかった。

  • Masakazu NAKANISHI, Tomoko OGI, Takahisa TSUGOSHI
    2018 年 97 巻 8 号 p. 236-239
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    熱天秤と質量分析計を組み合わせた装置(TG/MS分析計)を用いて,ヘリウム+水蒸気雰囲気またはヘリウム+水蒸気+酸素雰囲気でスギ木部の熱重量変化と分解生成物の温度依存性を測定した。酸素を加えると重量減少が大きくなった。これは酸素がガス化反応を促進したことを示唆する。ホロセルロースの分解は約200℃から始まり,約390℃/380℃で終了した。ホロセルロースの分解終了温度で熱重量曲線が大きく変化した。リグニンの分解は約250℃から始まった。ホロセルロースとリグニンが同時に分解する温度範囲(約250~約390/380℃)で,重量が大きく減少した。

論文
  • Tetsuo UMEGAKI, Atsuto SHIMAZAKI, Yoshiyuki KOJIMA
    2018 年 97 巻 8 号 p. 240-244
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    本研究では,球状ケイモリブデン酸- シリカ複合粒子を調製し,そのアンモニアボラン加水分解活性について検討した。球状粒子の均一性は調製時に添加するアンモニア量の増大に伴い,向上することが確認された。一方で,焼成前後の試料についてIRスペクトルを解析したところ,高pH条件下で調製した試料は末端Mo-O結合に由来する吸収強度が大きくなっていることが確認された。この結果は,固定化されたケイモリブデン酸が一部崩壊していることを示唆している。アンモニアボラン加水分解活性に関してはより均一な球状粒子でケイモリブデン酸の分子構造が崩壊していない試料ほど活性が高いことが確認された。

  • 井上 博成, KEELEY Alexander 竜太
    2018 年 97 巻 8 号 p. 245-251
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    本研究は,日本における小水力発電の普及に係る障壁と課題について,事業主体の視点から明らかとすることを目的とする。筆者らが小水力発電事業実施地域に入り込み行ってきた参与観察及び小水力発電事業者への聞き取り調査とアンケート,そして先行研究を基に,小水力発電の普及に係る障壁と課題を事業主体の視点から8つ特定し,大きく次の3つのカテゴリーに整理を行った:政治的要因カテゴリー,技術・インフラ的要因カテゴリー,事業主体形成・計画・資金調達要因カテゴリー。 小水力発電事業者へのアンケートを基に,特定された各要因の重要度を,階層化意思決定法を用いて分析し,各要因の重み付けを行った。再生可能エネルギー全般において障壁となっている系統連系の問題に加えて,小水力発電には多くの許認可手続きの課題,地域住民との関わり方を含めた事業主体の形成の重要性,長期を要する開発期間の短縮のための事業計画の重要性等が確認された。これらの課題を踏まえた事業主体の形成,資金調達,そして地域住民や各種ステークホルダーとの調整を行っていくことがこれからの小水力発電の普及において重要であると考察される。本研究は,事業主体の視点に焦点をあてることによって,小水力発電の普及に係る障壁と課題を詳細に明らかにしている。

技術論文
  • 清水 正也, 鬼塚 遼太郎, 小竹 正人, 内田 博之
    2018 年 97 巻 8 号 p. 252-260
    発行日: 2018/08/20
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    100 t/日未満の中小規模のごみ処理施設では経済的観点から発電は難しいため,RDFや炭化燃料などのごみ燃料化技術を導入することで,リサイクル率を高め,未利用のエネルギーを回収するという視点が重要と考えられる。2015年7月に炭化燃料化技術を導入して竣工した西海市炭化センターでは,30 t/日という小規模施設でありながら,民間発電事業者のボイラ用石炭混焼燃料として利用する国内初のシステムを構築した。2年間の運用で得られた炭化燃料の性状は,発熱量16,000 kJ/kg以上,塩素濃度3,000 mg/kg-DB程度であり,粉砕性を示すHGIが224と石炭と比較して高く,そして溶出試験や含有量試験,ダイオキシン類濃度とも基準値内であり,保持温度100℃での発火はなかった。実績データからのエネルギー回収率の試算では,炭化燃料による発電が18%とRDFによる発電の16~21%と同等であり,単純焼却の1~13%と比較して優位性があることが示された。

ゲストエディタ(特集:アジアバイオマス科学会議)
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