日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
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99 巻, 11 号
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目次
特集:アジアバイオマス科学会議Ⅱ(論文)
  • Emmanuel Owoicho ABAH, Tofael AHAMED, Ryozo NOGUCHI
    原稿種別: Original Paper
    2020 年 99 巻 11 号 p. 220-229
    発行日: 2020/11/20
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

    バイオマス燃焼は,大気汚染の主要な原因となる粒子状物質(PM)の排出源の一つである。本研究では,籾殻の粒径と糠の不純物が,籾殻燃焼時のPM2.5の排出傾向に及ぼす影響を調べた。日本産籾殻試料(JPN)として,コシヒカリ(Oryza sativa)の籾殻3.00 gを用いた。JPNは糠の不純物を含まず,普通の大きさの籾殻粒子(4.00〜5.50 mm)であった。ネリカ米(O. sativaO. glaberima の交配種)の籾殻を,ナイジェリア産ネリカ籾殻試料(NGR)として3.00 gを用いた。NGRは糠の不純物を有し,小さな籾殻粒子(0.10〜2.00 mm)であった。籾殻ブリケット(RB)として,結合材を含まないJPNを高温圧縮したものを3.00 gを用いた。ヤマトF100固定床電気炉,ダストトラックIIエアロゾル分析装置,Testo350排ガス分析装置を用いて燃焼実験装置を構成し,JPN,NGR,RBを,600 ℃から1000 ℃の間の温度で3分間燃焼させた。その結果,RBは表面積や気孔容積が小さく,燃焼段階での空燃比に影響を与えていることから,RBの700 ℃燃焼でのPM2.5排出量は32.4 mg/gとなり,NGRの800 ℃燃焼 (23.7 mg/g),JPNの900 ℃燃焼(13.6 mg/g)に比べて高くなった。また,JPN燃焼では,より高い硫黄分(0.2 wt%db)と高濃度の一酸化炭素(1592.4 ppmv)が排出されるとともに,SO2排出量が増加した。

  • Emi HOSOBUCHI, Chiharu MISAKI, Noboru KATAYAMA, Yin LONG, Kiyoshi DOWA ...
    原稿種別: Original Paper
    2020 年 99 巻 11 号 p. 230-235
    発行日: 2020/11/20
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

    近年,環境負荷の小さい交通手段として,コミュニティサイクル(シェアサイクル)が注目を集めている。本研究では,環境負荷低減や,バイオマスエネルギー(下水汚泥等)由来の水素燃料の利用を考慮した,自転車シェアリングシステムを検討する。従来のコミュニティサイクルには,リチウムイオン電池を搭載した電動アシスト自転車が用いられているが,本研究ではその代替システムとして,航続距離の延長と環境負荷低減を目途に,燃料電池(FC)を搭載したシステムを想定した。なお,H2はメタン発酵工程を経て精製されることとし,水素貯蔵には水素吸蔵合金(MH)を用いることとする。また,仙台市をモデル地域とし,提案する自転車の環境負荷を,ライフサイクルアセスメント(LCA)を用いて評価した。FC自転車の性能を考慮し10 年間の環境負荷を試算した結果,自転車シェアリングにFC 自転車を用いることによる環境負荷の低減が示唆された。従来のコミュニティサイクルと比較して,非生物資源枯渇領域において15%,地球温暖化領域において10%,環境負荷を低減することが明らかになった。

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