水素吸蔵合金充填層の容器壁面に生じる応力を検討するため,粒子の膨張・収縮を考慮し,離散要素法による数値解析を行った。粒径が7 mm および2 mm の球形粒子で構成された粒子充填層を模擬し,粒子の膨張・収縮が充填率および容器壁面に生じる応力に及ぼす影響を検討した。粒子の膨張・収縮の繰り返しによって,粒径が小さい粒子が粒子同士の隙間を移動することを示し,充填層の下部において充填率および応力が高い傾向が得られた。また,粒子の形状を球形,正四面体あるいは立方体型とし,粒子の形状が充填率および容器壁面に生じる応力に及ぼす影響を検討した。粒子の形状によって各領域における充填率および容器壁面に生じる応力が異なった。これらのことから,粒子の形状とその移動が容器壁面に生じる応力に影響を及ぼすことを明らかにした。