今や我國は聖戦第3年を迎へ, その目的貫徹の爲に凡ての物資を之に供してゐるが, 就中燃料はその最たるものである。即ち長驅敵陣を衝く荒鷲機を始め戦車や装甲自動車の如く活動せしむるものは皆石油であり, 生産力擴充の原動力は石炭である。更に車を両者の援軍としての代用燃料, 之等は何れも時局の花形として一億同胞の眼前にクローズアップされて來たのである。
從つて戦時下に於ける議會に燃料問題が強く反映したことは當然で, 連日貴衆両院の本會議, 豫算總會の重要題目として眞剣なる討議, 研究が繰り返された。
本稿はその速記録を輯録したものであるが, スペースの關係, 或は軍事上の機微にふるゝ事等のため, 発言全部を盛り切れなかつたことは遺憾とするところである。
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