工業技術に関係ある研究機関のうち (1) 財団組織によるもの,(2) 研究組合,(3) 研究を営業とするものは日本では余り見当らないのであるが, 筆者の属する公立試験研究機関の役目はほぼこれらに一致する。
最近筆者が見学してきた英, 米, 独, 仏のこれらの研究組織のそれぞれの特異性とその要領を主として説明し, 米国の古くからある財団組織による研究所および英国の研究組合制度は第2次大戦後独, 仏にも普及し, 活発な活動が行われている。
一方日本の国, 公立試験研究機関は一通り体制は整つているが研究費もきわめて少なく充分な活動もできない現状である。特に地方産業あるいは中小企業を対象とし, また輪出産業に対しても大きな使命をもつ公立工鉱業試験研究機関は内容的にも強化しなければならないことはもちろん, その運営の制度についても再検討の要がある。
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