戦後窯業界においても「品質の向上, 生産コストの切下げ」などのため石炭に代って重油が用いられるようになったが, これに用いるバーナーとその適正使用が重要視されるようになわた。
学振第103委員会 (会長黒田泰造) は昭和28年度文部省試験研究補助金により, 窯業工場を対象にしてバーナー, 炉, 操業法の各種の項目について調査を行い, 結局80工場からの回答を得て, これに理論的考察を加えて整理したものである.
すなわち, セメント焼成回転窯, 陶磁器焼成窯, 耐火物焼成窯, ガラス熔融窯の4種別に分類し, そのおのおのについて使用重油の性状, バーナーの性能, 窯炉およびその操業法について, 上記4種別について一覧表に纒めた.
結論として窯業における重油燃焼は燃料費と入件費の大巾な節約が得られ, またいままで以上の高温焼成が得られ, 品質の向上に稗益するところ大であり, 一方欠点としては炉の寿命が短かくなり, 燃焼室レンガの破損, 局部過熱等の問題を惹起していることが判つた.これらは単にバーナーのみならず, 炉の構造, 操業法の改良と相俊つて解決されるべきものである.
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