前報で述べたように正炭化水素の低温酸化において, 六方晶系に属する微結晶は必ず触媒作用を現わして, フォルムアルデヒドを作ることがわかつた。この作用を利用してノッキング現象, 四エチル鉛のアンチノック作用およびノッキング防止法などの研究を行つた。
今回はこの触媒作用によつて逆に物体表面の微結晶的性質を調べた。なおこの性質と水蒸気吸着による物体表面の電気伝導との関係を考察した。それによると硝子の表面が特にこの触媒作用と電気伝導度とが大であつた。硝子の表面は上述の微結晶的性質があるため, 水蒸気が化学的吸着を行いその水中のイオンの作用により, その電気伝導度が特に大となつたものと考える。
なお, かつて名古屋三菱重工業株式会社で, 発動機の燃燒室に銅および錫被覆を行つて得た給気圧, 出力および燃料浩費量の向上の概要を述べた。
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