合成化学工業の水性ガス源として従来は石炭またはコークスが使われ, 米国など天然ガス資源の豊富な国ではこれが使用されてきた。近時重油髪原料とする各種水性ガス製造法が発達し, わが国で竜日産化学をはじめ数社で, これが操業または建設の行われる段階となってきた。著者は各鰍性ガス製造灘ついて概説し, また同社で稼働中のファウザー法の装置操業実績について詳しく説明した。本法は建設費, 人件費が安く, 熱利用率が高く, また原料の選択を要しないなどの長所があり, 安価な水性ガスが得られるが, 原料油価格が変動しやすいこと, 現在入手できる油は硫黄分の多いものが多く, 脱硫に費用のかかる欠点もある。
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