最近の高温高圧のボイラの重油の使用量灘大するとともに, ボイラ低温部の腐食に大きく関心が払われるようになつてきた。腐食は燃料中のイオウ分に基因するものが多い。すなわち燃料中のイオウ分は燃焼と共に亜硫酸ガス (SO
2) となり, さらにその一部は酸化されて無水硫酸 (SO
3) となる。SO
3が含まれていないと燃焼ガスの露点は50℃位であるが, SO
3が少量でも存在すると露, 点は100~150℃にもなる.そして露点以下の激の金属面に, 硫酸が凝縮して腐食を生ずる。
従つてボイラの煙道ガス側の障害の実態を把握し防止策を考える上で, 露点, SO
3の量, 腐食速度などの測定が必要である。わが国においては低温部の障害に関する研究は最近まであまりすすんでいなかつたが適当な測定装置が得られないことがその大きな理由であつた。
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