けい光放電管を直流点灯したとき, 陰極附近に発生する高周波雑音を, 周波数0.5Mc~15Mcにわたって, その温度特性 (-40℃ ~60℃) および分光特性を調べると共に, 可動探針により陰極附近の種々の状態を, 実験的に検討した.
その結果, 雑音は第I振動.第II振動およびfluctuationnoiseの3つにわけられ, このうち, 第I振動は従来の双子型振動といわれているものと同等で, 第皿振動は今回新に分離できた雑音で, fluctuation noiseは一般に放電時に発生するwhite雑音であることが判明した.
これら雑音の温度特性および分光特性, すなわち,-40℃ 附近においても第I振動が存在すること.ならびにその振動が存在している場合に, アルゴンの火花線スペクトルが確認せられた事等により, 第I振動は, アルゴンイオンがその振動に関与しているプラズマイオン振動で, 第皿振動は, 水銀イオンに関するものであることが判明し, また探針特性により, 第I振動には高速電子ビームの存在も確認されて, その発生機構として空間電荷波の理論の適用が裏付けられた.
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