温度放射の検出において, 物体の距離が増大すると, 検出器の窓およびチョッパととも大気光路による赤外部吸収をを考慮しなければならない.
この場合の検出器起電力は, 全然吸収, 損失を伴なわない場合のηηω倍に低下するが, 係数ηηωは大気光路, 窓およびチョッパの全透過率によって定まり, 検出器の測定感度および精度に直接関係するので, その値はなるべく大きく, かつ物体温度には関係しないことが望まれる.
またチョッパには, 検出器起電力の交流変換以外に, もう一つの役目があって, 受熱板が物体の像によって完全におおわれない場合, そこへ入射する別の放射によって誘起する起電力を, それの透過性を利用して抑制するにある.
以上述べたこれらの必要条件に対し, 窓およびチョッパに使用される2, 3の材料について比較検討し, その優劣を決める.
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