人工光源下で植物を生育させた場合, いかなる形態的, 生理的影響が現われるか, したがって正常に育てるための強放射用実用光源を開発していく研究の予備実験として, まず現在市販されているか, またはその段階にある高圧水銀ランプ, バラストレス水銀ランプおよびキセノンランプを放射し, 稲を材料として生育に及ぼす影響を観察した.
その結果, 強放射のもとにおいては, ランプからのふく射熱による影響が大きく, この害作用は, 伝導, 対流熱によるものと, 作用のしかたが本質的に異なるようである.強放射用光源としての赤外線の量は, 温度を制御した場合には, 普通の水銀ランプ程度で十分であり, キセノンランプでは, 強い近赤外線のため, かえって稲が枯死する.
Silver-white系のけい光体を用いた水銀ランプでは, 種々な生育障害が生ずるようであるが, 白熱フィラメントを蔵したバラストレス形の水銀ランプでは, かなり正常に近い生育を示すようになる, しかしSilver-white系のけい光水銀ランプでも, 短日効果を起こさせることはできる.
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