エレクトロニクス実装学会誌
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23 巻, 6 号
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巻頭言
特集/アディティブマニュファクチャリングと立体配線基板・部品
令和元年技術賞受賞講演
  • 武田 裕一, 猪瀬 幸司, 杉生 大輔, 久保木 禎夫, 滝岡 秀一, 山形 一行, 本目 英貴, 笹嶋 秀明, 小林 裕二, 山崎 貴彦
    2020 年 23 巻 6 号 p. 490-500
    発行日: 2020/09/01
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    電子制御燃料噴射システムをコントロールするECUに,家電,民生技術のカードエッジコネクタと半導体製法のトランスファ成形を適用した。開発品は,エッジコネクタ端子部を除いたプリント回路板のすべてが,専用エポキシ樹脂で封止されており,ECU単体の防水構造を世界初で実用化している。さらに,ECUとかん合される防水カードエッジコネクタを開発した。端子ダメージを生じない挿抜機構や多点接点を持つ端子,強度変化の少ないプリント回路版を適用し,二輪車が必要とする耐久性を満足した。これらの技術が適用されたECUは,従来に対し5倍を超える生産性と20%のコスト低減を達成し,2018年モデルの小型二輪車から実用化されている。

  • 菅 克司, 大井 陽介, 藤井 康仁
    2020 年 23 巻 6 号 p. 501-506
    発行日: 2020/09/01
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー

    FOWLP(ファンアウトウエハレベルパッケージ)にLMC(リキッドモールディングコンパウンド)が広く採用されている中,次世代LMCに要求される微細シリカフィラーを充填したLMCを開発することに成功した。開発されたLMCは平均粒径8 μm程度のフィラーを85 wt%充填し,かつ低温成型を可能にすることによりフィラーの小粒径化と反り特性の両立を達成した。当技術を有したナガセケムテックス製液状成型材料T693/R4000シリーズは,フェイスダウンタイプのファンアウトパッケージに始まり,フェイスアップタイプなど世界中のファンアウトパッケージに使用されている。

研究論文
  • 高木 怜, 野田 尚昭, 佐野 義一, 高瀬 康, 鈴木 靖昭, 趙 振綱, 張 季婷
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 23 巻 6 号 p. 507-515
    発行日: 2020/09/01
    公開日: 2020/09/01
    [早期公開] 公開日: 2020/06/22
    ジャーナル フリー

    接着接合は重量・価格・生産性の面で優れており,その接着強度は,界面端部に生じるISSF=一定によって表現される。しかし,実際の接着構造は3次元形状を有するため,はく離が生じる起点を正確に把握し,その強度を適切に予測することが製品の信頼性を確保する上で重要である。本研究では,角柱状突き合わせ継手試験片において接着界面縁のどの部分から破壊が生じるのか実験的に明らかにし,その破壊起点が滑らかな界面縁のISSFの分布のどこで生じるのか,正確な解析をもとに考察した。接着界面コーナー部の周辺ではISSFの極大値が局所的に生じるため,破壊起点となりにくく,ほとんどの破壊起点はコーナー部以外の界面縁で生じる。

  • 関根 智仁, 竹田 泰典, 熊木 大介, 時任 静士
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 23 巻 6 号 p. 516-520
    発行日: 2020/09/01
    公開日: 2020/09/01
    [早期公開] 公開日: 2020/06/15
    ジャーナル フリー

    印刷法を用いて作製する有機エレクトロニクスは大面積・低コストな電子デバイスを実現できるため,近年注目が集まっている研究分野である。特に,これらはフレキシブル基板上に形成することで,ヒトの肌に貼り付けて体調管理を行えるウェアラブルなヘルスケアデバイスに応用できる。一方,上記デバイスにおける印刷銀電極は,ヒトに直接貼付するため,汗や湿度に対するエレクトロケミカルマイグレーション(ECM)への耐久性が低いことが問題視されている。本研究ではECM発生時の印刷銀電極表面を解析することで,耐久性向上に対する指針を得ることを目的とした。電極表面にバリア層として自己組織化単分子膜を導入,または封止層を形成することで銀イオン生成防止によってECMの耐久性が向上することも併せて明らかにした。

  • 郭 碧濤, 羽深 等
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 23 巻 6 号 p. 521-526
    発行日: 2020/09/01
    公開日: 2020/09/01
    [早期公開] 公開日: 2020/08/21
    ジャーナル フリー

    バイオマスから誘導される低極性長鎖脂肪族ジアミンと3,3′-dimethyl-5,5′-diethyl-4,4′-diphenylmethane bismaleimide (BMI)の反応により,変性BMI (m-BMI)樹脂を合成し,その樹脂硬化物の低誘電特性を含む基本特性を確認した。さらに,m-BMIと低極性であるp,p’-Divinyl-1,2-diphenylethan (BVPE),1,2,4-Trivinylcyclohexane (TVCH)のブレンドにより樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)を改善した。すなわち,m-BMI (CB12)とBVPEが50:50の樹脂硬化物は,10 GHzでの比誘電率(εr) 2.47,誘電正接(tanδ) 0.0012,Tg: 206°Cを示し,m-BMI (CB13)とTVCHが50:50からなる樹脂硬化物は,εr: 2.53,tanδ: 0.0017,Tg: 204°Cを示した。 変性BMI (m-BMI)の短所を低減し,樹脂硬化物に低誘電,高耐熱性という特性を与えることで,5G通信関連エレクトロニクス実装用高分子材料に要求される性能を示すことが確認された。

速報論文
講座 「バウンダリスキャン技術講座」第7回
研究室訪問
エレクトロニクス実装学会 令和元年度表彰
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