アディティブ法での無電解銅めっきによる配線形成時に, 配線ラインとレジストとの境界上に特異的に生じる銅の瘤状異常析出 (ノジュール) 現象の解明を行った。まず, 実際に発生したノジュールの外観, 断面および成長過程を詳細に観察し, 発生メカニズムを推定した。その結果ノジュールは微小な核を中心に銅が放射状に成長したものであり, さらに, その核はめっき前溝状になっている配線パターン部のレジスト壁面部にあることがわかった。また, 金属酸化物粒子上に銅が析出することを見出し, 不導体粒子がノジュールの核になり得ることを明らかにした。さらに, 擬似めっき液中の溶存酸素濃度の測定から実際のめっき液中の溶存酸素濃度を推定した。その結果をもとに, 非線形拡散モデルからノジュールの核となり得る粒子の大きさを計算した。これらの解析からパターン部分のレジスト壁面に約4.2μm以上の大きさの異物が付着した場合, その異物を核に銅が析出, 成長し, ノジュールになるというメカニズムを明らかにした。
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