本研究は, 都道府県立自然公園が抱える保全上の問題点を明らかにすることを目的に, 国土の自然環境保全の枠組みの中で, 都道府県立自然公園がどのような位置付けにあるか, 条例上の問題は何か, 公園面積, 土地所有状況, 特別地域の指定状況, 公園計画の策定状況はどのようになつているか等につき, 随時国立, 国定公園と比較しながら資料分析, 考察を行った。その結果, 都道府県立自然公園が国土の丘陵地帯の保全に重要な位置にあること, 都道府県立自然公園における特別地域の指定, 公園計画の策定状況が国立, 国定公園に比べ遅れている等の状況が定量的に明らかになった。公園計画の充実, 生態系保護が今後の課題である。
抄録全体を表示