本研究は, 樹木の色彩学的特性を明らかにすることを目的とし, 樹木の葉色を色差計で測定して樹種間の違いや葉の表側と裏側の違いを検討した。葉の色を表色系内の座標位置により分類すると, 裏側の色については, 落葉樹が多いグループと常緑樹が多いグループに分けられた。葉の表と裏の明度, 彩度, 色相角度は, 落葉樹と常緑樹では異なる傾向がみられ, 表と裏の差の大きさについても落葉樹と常緑樹で異なる傾向がみられた。特に, モッコクは他の樹種に比べて特徴的な色であることが明らかになった。また, 常緑樹は冬期にいったん薄い色になり, 春期以降に再び濃い色に変化することがわかった。
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