本稿は二條城二の丸庭園の成立から現在に至るまでの396年間を時代別に調査し, 庭園景及び担った役割の変遷について考察した。その結果 (1) 創建期 (慶長8年~元和9年),(2) 初期庭園景の完成期 (寛永元年~寛永3年),(3) 開放的庭園景への移行期 (寛永4年~正徳5年),(4) 地割確定後の庭園景維持期 (享保元年~寛延2年),(5) 庭園景の衰退期 (寛延3年~文久2年),(6) 庭園景の復活と再衰退期 (文久3年~明治16年),(7) 近代的庭園景の完成期 (明治17年~昭和13年),(8) 近代的庭園景の維持・公開期 (昭和14年~現在) の8つの時代に分け妥当性を得た。二の丸庭園は時代や所有者によって, 庭園景と担った役割が変化し現在に至っていることがわかった。
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