異なる2つの実験動物生産施設 (日本クレア: Jcl, および日本エスエルシー: Slc) より購入した実験動物ラット, F 344/Jcl, Jcl: WistarおよびSlc: Wistarの糞便から, 非選択培地であるBL培地, および既存の
Bifidobacterium選択培地であるBS培地を用いて
Bifidobacteriumを74株分離した. 糖発酵性状試験とDNA-DNAハイブリダイゼーション法で菌種同定をした結果, F 344/JclおよびJcl: Wistarから分離した45株はすべて
B. pseudolongum subsp.
globosumと同定された. 一方Slc: Wistarから分離された29株は, すべて
B. animalisと同定された. またSlc: Wistarから分離された
B. animalisは, BS培地では発育しないことがわかったので, これらの分離株と基準保存株を用いて, 新たに, 実験動物ラットからの
Bifidobacteriumの定量培養が可能な選択培地の作製を試みた. 乳製品中の
Bifidobacteriumの菌数測定に用いられているTOS培地を改良し, 選択剤としてセファロチン, フォスフォマイシン, プロピオン酸ナトリウム, および塩化リチウムを添加し, pHを補正することにより, 選択性も回収性も良好な選択培地を作り出すことができた. またこの選択培地を用いて, ラット糞便中の
Bifidobacteriumを定量した結果, 糞便1g当たりの菌数は10
6-8であることがわかった.
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