ビフィズス
Online ISSN : 1884-5134
Print ISSN : 0914-2509
6 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 池 慶子
    1992 年 6 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 森下 芳行, 小西 良子, 田中 隆一郎, 務台 方彦
    1992 年 6 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    転移オリゴ糖 (TOS) のラットおよびマウスにおける腸内フローラと盲腸内短鎖脂肪酸生成に及ぼす影響を精製飼料を用いて検討した. ラットでは3%または5%のTOS投与により, Bifidobacteriumおよび酢酸の顕著な増加, プロピオン酸の中等度の増加が認められたが, 酪酸はむしろ減少した.一方, マウスでは3%TOSの投与で, BifidobacteriumLactobacillusの軽度の増加が認められ, 酢酸と酪酸の顕著な増加とプロピオン酸の軽度の増加が認められた. 3%TOS含有飼料を使用して自由採食の約70%に摂取制限したとき, プロピオン酸と酪酸の減少は顕著であったが, 酢酸の減少は摂取制限と同程度であった. 15%セルロース飼料に3%TOSの添加によって15%セルロース飼料投与でみられた, BifidiobacteriumLactobacillusの減少は相殺された. 自然素材の複合飼料を基礎飼料とした場合にはTOSのBifidobacterium増殖促進はみられなかった. 比較に用いたフラクトオリゴ糖の投与ではTOSと異なる反応がフローラおよび短鎖脂肪酸生成に認められた.
  • 今村 理佐, 村井 健二, 趙 春菊, 竹部 幸子, 小橋 恭
    1992 年 6 巻 1 号 p. 19-29
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    カラマツなどの針葉樹に多く含まれる, 難消化性多糖のアラビノガラクタンが, ラットおよびヒトの腸内細菌により資化されるか否かを検討した.13%アラビノガラクタン添加粉末飼料を与えたラット糞便は, pHが低下し, 水分含量も増加した.低級脂肪酸量に関しては, コントロール群と比較して有意な差は認められなかった.また, ラット糞便をアラビノガラクタン添加培地で培養した場合, 全糖量の減少, 低級脂肪酸の蓄積, 乳酸の蓄積があることより, 糞便中の細菌はアラビノガラクタンを資化していることが明らかになった.さらに, ヒトおよびラット腸内細菌のアラビノガラクタンの資化性を検討した.そのなかでBifidobacterium longumは, アラビノガラクタン添加により, 24時間後で生菌数が70倍に増加し, 培地のpHが著しく低下した.また, 酢酸などの低級脂肪酸の蓄積, 全糖量の減少も認められた.このことは, B.longumがアラビノガラクタンを資化していることを示している.他の菌株では, Clostridium sordelliiがアラビノガラクタンを炭素源として増殖することを認めた.
  • 藤井 智恵美, 久米村 恵, 橋本 文雄, 石田 晋也, 松尾 恵子, 木村 弘之, 宮副 玲子, 岡松 洋, 光岡 知足
    1992 年 6 巻 1 号 p. 31-41
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
    本研究では, 4G-β-galactosylsucrose (lactosucrose: LS) がビフィズス菌増殖因子として生体に及ぼす影響を検討する目的で, 糞便培養試験ならびにヒトボランティア試験を行った.糞便培養試験では, LS (98%純度) 30mgを含む糞便培養液 (0 .2gのヒト新鮮糞便を含む) を嫌気条件下で9時間培養し, 培養液中の短鎖脂肪酸含量, pHおよびBifidobacterium, Eubacterium, Bacteroidaceaeの経時変化を追跡した.LSの添加では, 培養液中の乳酸, 酢酸, プロピオン酸, 酪酸, 吉草酸の各含量が増加し, 培養液のpHは著しく低下した.また, 培養液中のBifzdobacteriumの菌数の増加とBacteroidaceae, Eubacteriumの菌数の著しい減少が認められた.ヒトボランティア試験では, 健常成人9名に0.36g/kg body weight/dayのLS50P (LSを51%含む) を3週間摂取させ, 腸内細菌叢, 糞便短鎖脂肪酸含量, 便の性状および排便感に及ぼす影響を検討した.その結果,(1) LS50Pの摂取により, Bifidobacteriumの菌数ならびに占有率は有意に増加した.一方, Bacteroidaceaeの菌数は減少傾向を示し, 同占有率は有意に減少した.(2) 便重量は, LS50Pの摂取により増加傾向を示した.また, 排便感の改善効果が認められた.(3) LS50Pの摂取は, 便の水分含量およびpHに顕著な影響を及ぼさなかった.(4) 糞便の短鎖脂肪酸含量は, LS50Pの摂取14日後に有意に減少した.以上の成績から, LSはビフィズス菌の選択的な増殖因子であることが示された.さらに, LSの摂取は, 便の重量を増加させ, 排便感を改善させることから, 便秘の改善に寄与することが推察された.
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