ビフィズス
Online ISSN : 1884-5134
Print ISSN : 0914-2509
9 巻, 2 号
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  • 瀧口 隆一, 宮本 真理, 大江 道夫, 豊田 修次, 中島 一郎, 辨野 義己
    1996 年 9 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    健常成人10名 (男性8名, 女性2名, 平均年齢36.1歳) および老人ホーム在住の健常高齢者11名 (男性2名, 女性9名, 平均年齢78.5歳) に, Lactobacillus acidophilus SBT2062株, Streptococcus salivarius subsp. thermophilus SBT 1035株およびBifidobacterium longum SBT2928株を用いて調製した発酵乳を1日当り250gとして20日間投与した.発酵乳の投与により, 健常成人および健常高齢者ともに, Bifidobacterium, bacteroidaceae, Eubacterium等の糞便内優勢菌群の菌数には変化は認められなかったが, Clostridium perfringensの菌数および糞便中のp-クレゾール, インドール, アンモニアの腐敗産物量が減少する傾向が認められた.なお, 排便回数および糞便pHには大きな変化は認められなかった
  • 腸内細菌叢の変動を中心として
    高橋 裕一郎, 門脇 和臣, 田代 靖人, 滝沢 登志雄, 木下 俊夫
    1996 年 9 巻 2 号 p. 141-150
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    腸内ビフィズス菌の増殖因子であるフラクトオリゴ糖を3カ月間, 慢性腎不全患者9例に投与し, 腸内細菌叢, 腸内腐敗物質, 臨床検査値および便通の変化につき検討した.途中で服用を中止した1例を除いて腸内ビフィズス菌の量は増加した.また, 乳酸菌群に属するStreptococcusLactobacillus菌量も増加した.腸内腐敗生産物のうち, フェノールは変化しなかったが, インドール, スカトール, パラクレゾールは有意に低下した.腸内腐敗細菌であり, 有害性を持つといわれるClostridiumも減少した.血中トリグリセライドの減少が認められ, 投与前値と減少幅との間に強い逆相関がみられた (r=-0.8376).また, 血中総コレステロールを減少させる傾向があり, その際にHDL-コレステロールを減少させないという特色がみられた.便秘に対する効果は, 7例 (77.8%) で認められた.副作用は認められなかった
  • 名倉 泰三, 清水 洋介, 佐山 晃司, 辨野 義己
    1996 年 9 巻 2 号 p. 151-159
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    健康成人6名に対し, 2, 4, 8g/日のメリビオースをそれぞれ1週間摂取させ, 糞便内フローラ, 糞便中の有機酸および腐敗物質に及ぼす影響を調べた.4gと8gのメリビオース摂取期間中, 糞便中のBifidobacteriumは有意に増加し (p<0.01), 摂取終了後減少した.またBifidobacteriumの表現種レベルの変動を検索したところ, 摂取前ではB.adolescentis group, B.longumが優勢で, 1名にB.breveが認められ, 8gのメリビオース摂取によりB.adolescentis groupが有意に増加したほか (p<0.01), B.longum, B.breveも増加する傾向であった.また8g摂取中にB.bifidumが高い菌数で1例検出され, メリビオース摂取により, 増加したものと推察された.さらに糞便性状は, メリビオース摂取により糞便の硬い被験者で柔らかく, 軟便気味の被験者で硬くなる傾向がみられ, 軟便で特に多かったコハク酸は著しく減少した.またp-クレゾール, インドールは水分の少ない硬い糞便に多い傾向で, メリビオース摂取により減少する傾向が認められた
  • 金沢 和美, 伊藤 喜久治
    1996 年 9 巻 2 号 p. 161-169
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    22歳から54歳のボランティア8名 (男性4名, 女性4名) がモロヘイヤ (Corchorus olitorius L.) を2週間1日当り80~100gずつ摂取した.その結果, 腸内フローラは, モロヘイヤ摂取により著しい変化はみられなかったが, 糞便中総腐敗産物量, およびその成分のインドールにおいて特に女性で減少が認められた.また, 糞便中水分含量は, 8名中5名において増加傾向が認められた.以上の結果よりモロヘイヤ摂取は腸内環境の改善において有効であると考えられた.
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