フレキシブル製造システム(FMS)の設備設計においては, ステーション数, 機械台数構成, システム内パレット数, 負荷(工具)配分を同時に決定しなければならない.これをシミュレーションで行うには, 代替案の作成とシミュレーションに膨大な労力を要し, 得られた設計案の最適性も保証されない.そこで, 閉待ち行列ネットワーク(CQN)でFMSをモデル化し, CQNモデルの解析結果を駆使して最適設計を行う試みがなされ, 負荷均等配分の場合に対しては最適設計法が提案されている.本研究では, この負荷均等配分の制約を除去し, 機械台数構成や負荷配分をも意思決定の対象とした, より一般的な機能分散型FMSに対し, 最適設計法を提案する.いくつかの数値例を解くことにより, 提案アルゴリズムでは最適解がごく短時間に得られること, 負荷均等配分による解が最適解と一致する場合が多く, 一致しない場合でも精度の高い近似解になることを明らかにする.
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