作業域は一般に身体標準寸法, 動作範囲の観点からその基準が提起されている.本研究では作業域を身体可動範囲からのみならず, 作業時の視覚特性や動作時の筋特性を計測評価することによって, 作業時の視認性, 動作負担度という観点からおのおのその適正範囲を探求した.実験は, 最大作業域内における部品配置を変化させて, 実際にモデル製品の組立および部品取り置き作業を課した.その結果, 次の事柄が明らかとなった.1)作業域が拡大するに従って, 作業中の視点停留時間が有意に短くなり, 作業域内の部品配置展開は, 縦方向に比較して横方向の方が視認上優位となる.2)取り置き動作が及ぼす筋負担は取り置き角度, 距離により有意に異なる.3)筋負担別に平面作業域を区分し, これによって対象物の条件による適正取り置き部品配置領域を考えることができる.
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