階層型神経回路網の構造決定においてバックプロパゲーション学習アルゴリズムを適用する場合,回路網の層数や各層のユニット数のみならず,学習係数や慣性項の係数などの各種パラメータの値は,研究者たちの経験により決められているのがほとんどである.一方,遺伝的アルゴリズム(GA)は広い探索空間を有する様々な最適化問題の近似解法に適用され,実用的な探索アルゴリズムとして注目されている.最近,GAにおけるパラメータ値の設定を必要としないPfGA(Parameter-free Genetic Algorithm)が提案され,関数最適化問題での有効性が報告されている.本研究では,PfGAを階層型神経回路網におけるパラメータ値決定問題へ適用することを提案する.ここでは,学習対象としてXOR問題および3ビットのパリティチェック問題を取り上げる.そのシミュレーション結果から,これまでの研究で用いられてきたパラメータ値と比較することにより,提案手法の有効性を示す.
抄録全体を表示