スポーツ傷害の予防は, スポーツを行う上で最も重要視されるべき課題の1つである. 近年, 傷害発生の危険因子を導出し, 事前に予防策を講じることで, スポーツ傷害の発生率を減少させる取り組みがなされている. しかし, どの危険因子を優先して予防策を講じるかについて明確な基準が存在していないのが現状である. 本論文の目的は, スポーツ傷害の予防介入に関するモデル開発の手助けとなるよう, 現場データからバスケットボールにおけるスポーツ傷害の発生要因と予防要因を導出し, 予防策を講じる際に優先されるべき項目の基準設定を手助けすること. また, 指導者や選手自身がスポーツ傷害の予防策を講じる際の一助とすることである. そこで, 本論文では, ロジスティック回帰分析, ポアソン回帰分析を行い, 筋肉・関節のそれぞれのバスケットボールにおけるスポーツ傷害について発生要因, 予防要因を導出し, それを基にそれぞれに発生率を減少させる予防策を示した.
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