プロセスから逐次得られるデータに基づいてプロセスの状態の変化を把握することは,プロセスの管理または解析のどちらの場合においても重要である.特に状態変化をもたらしたの原因を究明するためには,このデータを観察・分析して,プロセスの状態に関する妥当な変化の様相を知ることが必須である.本研究では,プロセスから逐次得られるデータがポアソン過程に従う場合に,このプロセスの状態の変化を明らかにするための状態追跡法を提案する.具体的には尤度理論に情報量規準を併用することで,ポアソン過程における状態の変化点を検出する方法を構築する.いくつかの数値計算を用いて,提案手法の妥当性や応用の可能性について検討する.
本論文では,事例研究として使用済み家電のリサイクルを行う企業における,工場の操業計画最適化モデルを提案する.当該企業における家電の入荷量は年々増加しており,特に繁忙期である6月から9月にかけて膨れ上がった家電在庫の保管を,長期間にわたり外部企業に委託する状況が続いている.この状況の改善のため.工場の処理工程全体を考慮して操業計画を出力する整数計画モデルを構築し,数値実験および感度解析により提案モデルの有効性を述べる.その結果,現状の勤務形態においても最適化により輸送量や外部保管量が減り,総費用が減少することを示せた.また感度解析によって,適切な増員に加え柔軟な人員配置が総費用減少につながることがわかった.