ディーゼル機関の技術の進歩と, 石油精製技術の発達, ならびに世界の石油事情の変遷から, ディーゼル機関に使用される重油の性状はきわめて広範囲なものとなってきた.そしてこれらの性状の中には規格などによって限界値を定められているものもあるが, 測定の困難性とか, 燃焼に対する影響の本質を把握し難いために, 明示されていないものもある.
そして, ディーゼル機関の取扱者に対して不便を感ずるばかりでなく, 不慮の事故を起こす原因ともなるので, これら燃料油の取扱いに対しては従来にもまして注意が必要であろう.そこで, ディーゼル機関に用いる燃料重油を対象として, 取扱い上のいくつかの問題点をまとめてみようと思う.
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