本論文は舶用自励交流発電機の三相短絡電流の近似解析についてのべたものである.
自励交流発電機の短絡電流の交流分
Isは次式で計算することができる.
Is =
Vo {1+
W/xd+(1/
x′d-1+
W/
xd) ε
-t/Tdeq+(1/
x″d-1/
x′d)ε
-t/T″d} +
ILOsinε
-t/TdeqV0: 定格相電圧
xd, x′d, x″d, T″d: 同期機のリアクタソスおよび初期過渡時定数
ILO: 短絡前負荷電圧
ψ: 短絡前の負荷力率角
Tdeq: 自励短絡時定数
W: 電流帰還常数
Tdeq,
Wを計算するに必要な定数は, 変流器の巻線比α, 変流器の2次飽和電圧
V20, リアクタ
XSRの値, 並列抵抗
RPの値だけで, これらの数値は容易にもとめられる.
100kVA 225V自励複巻交流発電機について行なった解析式と実験結果を比較して短絡瞬時より持続短絡電流に至る全過渡期間において良い近似を有することをたしかめた.
また, この結果を用いて自励交流発電機の突発短絡電流のオシログラフより, 短絡電流の構成部分を簡単にもとめることができる.
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