Bridge Team ManagementとBridge Resource Managementは安全運航の維持に必要不可欠な技能と認識されている。2010年のSTCW改定において、BTM/BRM訓練は必須な訓練として指定された。筆者らは外航船社の海技者に対し永年、船舶運航の安全性向上のためにBTM/BRM訓練を実施してきている。外航船社は合理的かつ高度のBTM/BRM訓練の標準的コースの開発を依頼してきた。そこで、開発した訓練コースを日本航海学会・シミュレータ研究会に標準コースとして提案し、受諾された。そして、提案した訓練コースは日本海事協会において認定対象とするモデルコースとして取り扱われることとなった。提案する訓練コースは公式な機関により認定された唯一のBTM/BRMモデルコースである。本論文では提案するBTM/BRMモデルコースの主要部分を紹介する。このコースは4 Sectionsで構成されている。Section AのCourse Contentでは訓練目的、BTMとBRMの定義,インストラクタの資質、訓練資材等についての説明されている。Section BのCourse Scheduleでは、訓練日程、技能評価システム等が説明されている。Section CのDetail of Education and Trainingでは、シラバス、講義と操船研修の詳細が説明されている。Section DのExecution of Trainingではシナリオ開発と技能評価システム開発のガイドラインが説明されている。本論の記載内容は海技に関する訓練機関や訓練担当インストラクタに大変有用な情報となるであろう。
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