日本食生活学会誌
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14 巻, 4 号
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  • 堀部 敦子
    2004 年 14 巻 4 号 p. 254-262
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    An overview of the leftovers and wasted food and our eating habitat is described.
    According to the result of Statistics for Loss of Food which includes leftovers and wasted food, published by the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries in 2002 FY, 5.6% of foods consumed in household were leftover or wasted.With these statistics, they also researched the composition of the foods leftover or wested in each food groups, The loss of food consists of mainly vegetables, fruits and marine products, especially an excessive waste of each food group. From statistics in 2000 FY, they researched the loss of food in the food service industry. The ratio for food loss in a wedding party reached 23.9%. The loss of food is one of the main problems of our eating habitat.
    To promote better dietary patterns including resolving the problem for wasted food and the more effective use of agricultural resources, the Japanese Government prepared “Japan's Dietary Guidelines” in 2000. In the guidelines, we mentioned “Reduceleftovers and waste through proper cooking and storage methods” . In addition, many problems concerning food ssfely have been recognized. Government is promoting “Food Education” now
    To reduce food loss links a solution to a problem for the environment, and is a very important method to review our eating habitat in this era of abundance.
  • 杉山 純一
    2004 年 14 巻 4 号 p. 263-265
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
  • 乾シイタケを中心に
    奥崎 政美
    2004 年 14 巻 4 号 p. 266-273
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
  • 学科別の差異と食教育の重要性
    古崎 和代, 東川 尅美, 菊地 和美, 山本 愛子, 山口 敦子, 水野 浄子, 平井 和子
    2004 年 14 巻 4 号 p. 274-281
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    女子大学生877名 (A: 管理栄養士専攻374名, B: 幼稚園・保育士専攻252名, C: 社会学・国文学.英文学専攻251名) を対象に食行動・食傾向のアンケート調査を行い, 専攻学科間における日常の食生活や健康についての差異の有無について検討した
    1. 健康に適した食生活をしていないと自覚している者はA22.3%, B32.7%, C27.5%を示した.
    2. 現在の健康状態についての自覚では, 非常に疲れている. 疲れているを合わせると, A71.1%, B68.1%, C60.9%を示し, 学生の6~7割が疲れていると感じていた.
    3. 今後の体調についての問いに対して, ABC全体では, 病気にならず元気であると思う55.6%, 不安である19.0%, 病気にならないよう指導して欲しい25.3%であり, 学生の1/4が指導を望んでいた.
    4. 欠食については, 時々する・よくするではA35.6%, B42.4%, C46.2%であった. 特にB, Cは国民栄養調査結果の20~29歳34.7%の全国平均を大きく上回り欠食者の多いことを示した.
    5.野菜類, 海草, 豆類, 干物以外の魚介類, 乳類, 植物油は, いずれもAがB, Cより多く摂取していることが示された. 現代ではこれらの食品が食生活の “良否” の指標となることを示唆していると思われる.
    6. 缶コーヒー・缶ジュース等の甘い飲料はどれくらい飲んでいるかについては, 1日2回以上・毎日1回がA9.6%, B17.9%, C23.5%, 週に1回・ほとんど飲まないA61.3%, B44.8%, C47.4%であった.
    いずれの結果もAの食生活がB, Cより “良い” 傾向にあった. 現代における大学生世代の食生活改善には教養科目の1つとして「栄養・食生活」に関する科目を開講することが望ましいと言える.
  • 後藤 昌弘, 西村 公雄, 中井 秀了
    2004 年 14 巻 4 号 p. 282-288
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    真空調理による肉じゃがの最適減塩調理条件をランダム・セントロイド法 (RCO法) を用いて最少実験回数で決定することを試みた.
    肉じゃがは, プラスチック袋に一定量の野菜 (ジャガイモ, タマネギニンジン) と牛肉及び調味液を入れ, 真空包装し, スチームコンベクションオーブンを用いて100℃で加熱した. まず, 一般的配合の調味料を用いて20, 30, 40分加熱し, 官能検査 (順位法) で最も好まれる調理時間を調べた. その結果は40分であった.
    次に, 加熱時間40分, 加熱温度100℃, 風味調味料重量を一定 (1.2g) として醤油重量 (0~19.5g) 及び砂糖重量 (0~8.4g) の2つを要因としてRCOプログラムによって示された条件で調理を行い, 官能検査の総合評価が最も高くなる条件を求めた. この場合, 醤油重量16.6g, 砂糖重量4.2gが最適条件で, 普通調理品 (一般的配合の調味料で約20分間鍋で煮たもの) と比べ約33%の減塩効果があった. また, 官能検査の総合評価は, 普通調理品肉じゃがと比べほとんど差がなかった
    さらに, 醤油重量 (0~16.6g), 砂糖重量 (0~8.4g),
    風味調味料重量 (0~3.0g) の3つを要因としてRCOプログラムで同様に調理条件を求めた. その結果, 醤油重量13.4g, 砂糖重量5.5g, 風味調味料重量1.7gが最適条件であった. この時は普通調理品と比べ38%の減塩効果があった. この場合の官能検査の総合評価も普通調理品肉じゃがと比べほとんど差がなかった.
  • 豊満 美峰子, 小川 久恵, 松本 仲子
    2004 年 14 巻 4 号 p. 289-297
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    祖父母と同居している三世代家庭と両親と子供の二世代家庭を対象に, 食品と料理の嗜好についてのアンケート調査を行った.
    1) 食品の嗜好は, 祖父母は比較的野菜類や芋類を好み, 両親と学生は野菜類のほかタンパク質系食品を好む傾向を示した.
    2) 家庭の食卓に頻繁にのぼる食品と料理については, いずれの世代も「どちらでもない」~ 「好き」に評価が集中しており, 極端に嫌われているものはなかった:
    3) 料理では, 祖父母は和風料理の嗜好度が高かったが, 洋風料理の評点も「ふつう」以上であり, 必ずしも高齢者が洋風料理を好まないとはいえなかった.
    4) 学生は, 高齢者に比べ洋風料理を好んだが, 和風料理の嗜好度も低くはなかった.
    5) 三世代同居家庭の学生は二世代同居家庭の学生に比べて高齢者の嗜好に対する理解度が高い傾向を示した.
  • 木村 友子, 佐々木 弘子, 野口 幸子, 長澤 伸江, 井上 明美, 一色 忍, 角野 猛, 後藤 真彦, 菅原 龍幸
    2004 年 14 巻 4 号 p. 298-308
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    全国の女子大学生 (1, 727人) とその母親 (1, 723人) に, 蒟蒻の嗜好と食行動を調査し, 次のような結果を得た.
    (1) 蒟蒻は親子共に90%以上の人に好まれる食品であり, 利用頻度は月1~2回が53%で最も多かった. またダイエット経験のある学生は蒟蒻の利用頻度が高かった (p<0.05). 喫食理由は「食感がおいしい」と「食物繊維の補給」が上位にあった.
    (2) 蒟蒻の形状の好みは親子共に板蒟蒻約70%, 糸蒟蒻約23%で, 旧製品への依存意向が根強いが, 学生は球状, カットコンニャクなどの利用割合が母親より高かった. 蒟蒻の色の好みは, B関東, C中部, D関西・中国・四国, E九州・沖縄では黒色が約80%, 逆にA北海道・東北は白色が約70%を占め, 地域性が見られた.
    (3) 料理は「おでん」と「煮物・煮メ」が60~70%で上位にあり親子の嗜好は一致していたが, 新食品の「ゼリー」では, 学生が母親より22ポイント上回った.
    (4) 蒟蒻購入の判別法は, 親子共に「賞味期限」を見るが約80%で顕著であった.
    (5) 蒟蒻の生理・機能的効用を「知っている」者は, 親子共に約75%で, その効用は, 「便秘解消」と「肥満防止」が上位にあったが, 親子間には有意差が見られた (p<0.01).
    (6) 蒟蒻の知識検査では学生は母親より調理特性, 生産地, 新製品の知識度や正解得点が低かった (p<0.01).
  • 野田 艶子
    2004 年 14 巻 4 号 p. 309-315
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    豊かな食生活ゆえの食の問題点が指摘されるようになってきた今日, 本学食物学科の学生186人と, 生活学科の学生181人の合計367人を対象に, 食事摂取の実態および食物の摂取頻度調査を行った結果, 以下の差異が認められた.
    1. 食事の摂取状況
    1) 各食事の時間帯が一定している学生は, 食物学科で高値を示し, 朝食の平均時刻は7時36分, 昼食時刻は12時45分, 夕食時刻は19時34分であっが, 生活学科の朝食の平均時刻は7時54分であった.
    2) 朝食, 昼食の欠食率は, 生活学科で25.4%, 17.6%と高値を示した.
    3) 各食事の重要度は, 両学科とも夕食重視の傾向が認められたが, 食物学科では朝食も重視していた.
    4) 間食の摂取率は食物学科で59.7%, 夜食の摂取率は, 生活学科で16.6%と高値を示した.
    5) 主食の形態は, 朝食は両学科とも御飯とパンがそれぞれ50%, 昼食は食物学科では御飯が66.1%を占めたが, 生活学科ではパンと麺がやや多かった. 夕食は両学科とも御飯が90%以上を占めていた.
    2. 食事観食事のおいしさ, 食事の楽しさ, 食欲の有無, 食事満足度には有意差は認められなかったが, 家族との団欒がある, 食環境について考えたことがあるは食物学科に高値を示した.
    3. 食物の摂取頻度食物学科では牛乳・乳製品, 豆・豆製品, 緑黄色野菜, 淡色野菜, きのこ類の摂取率が高値を示し, 生活学科では菓子類の摂取率が高値を示した
  • 高澤 まき子, 佐々木 弘美, 保井 明子
    2004 年 14 巻 4 号 p. 316-322
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    アマランサス粉を小麦粉の替わりに添加して調製したスポンジケーキの性状および食味におよぼす影響について検討し, アマランサス粉のスポンジケーキへの有効利用を試みた結果は次の通りである.
    1) アマランサス粉代替率の増加に伴い, バッター比重は増加し, 比容積は減少した.
    2) 色調は, ケーキ上面の焼き色には大きな影響はなかったが, バッターおよびケーキ内相の色ではアマランサス粉代替率の増加に伴い, 明度は減少し赤味度は増加して色差が増加した.
    3) テクスチャー特性値は, アマランサス粉代替率の増加に伴い硬さは有意に高値を示し, 凝集性は代替率20%以上になると低下した.
    4) 破断特性値は, アマランサス粉代替率の増加に伴い破断応力, 破断エネルギーが増加し, 両者の間に正の相関性が認められた.
    5) 官能評価はアマラサス粉代替率が増加するに従い, 「きめ」は粗くなる傾向を示し, 「ケーキ内部の色」, 「かたさ」, 「香り」, 「味」, 「総合評価」では代替率10%までがよい評価を得た.また, SD法での官能評価では「かたさ」はアマランサス粉代替率の増加に伴いかたくなり, かみにくく, 飲み込みにくいことが示され, 代替率30%以上になると歯ごたえがある方に評価され, 機器測定値と一致した.しかし, 「粘り」においては有意差は認められなかった.
  • 田中 みのり, 鹿間 ルミ, 石橋 源次, 本多 英敏, 小笠原 正良, 榊原 隆三
    2004 年 14 巻 4 号 p. 323-327
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    PS-H1は乳清を栄養源として, Lactobacillus属, Bifitbacterium属, Lactococcus属, Leuconostoc属, Saccharomyces属等の菌種を用い混合培養後, 遠心分離して得られた上清液である. 本実験は, この液を凍結乾燥した粉末PS-H1を飼料に1%添加し, ラットに対する栄養的効果およびコレステロール代謝に及ぼす影響を検討した.
    血清コレステロール濃度の上昇は高コレステロール食に粉末PS-H1を飼料に1%添加した場合, 抑制されたが, 肝臓の脂質濃度に対して影響を及ぼさなかった. また, 粉末PS-H1は血清たんぱく質, IgG, IgA, 肝臓たんぱく量濃度および肝臓のGOTとGPTを増加させており, 栄養状態の増進や免疫力に影響を及ぼす可能性があることが分かった.このことは, 肝臓におけるたんぱく質合成を促進させる成分の存在を示唆するものであり, その有効成分としてアミノ・ペプチド態窒素の可能性が考えられた
  • 堀内 理恵, 杉原 好枝, 福田 満
    2004 年 14 巻 4 号 p. 328-338
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    産業廃棄物として処分されるオカラを生活習慣病予防食品素材として有効利用するために, 微粒子化した乾燥オカラの添加が製パン性に与える影響を検討した.
    (1) 食パンの材料として乾燥オカラを使用する時には湯戻しが必要であった.オカラ添加食パンは淡茶褐色を呈し無添加食パンと比較すると外観が悪くなった.
    (2) オカラ添加率の増加にともない, オカラ繊維および大豆タンパク質の影響で食パンのグルテン形成が抑制され, 食パンの比容積は減少した.オカラ添加率の増加にともないパン内相は硬くなり, 20%以上のオカラ添加で硬さが顕著に増加した.オカラ添加率の増加にともないパン内相の凝集性は若干減少し, 破断応力は明らかに減少した.
    (3) 食味特性の総合評価は, 10%オカラ添加, 20%オカラ添加, 30%オカラ添加の順に低下した. 10%オカラ添加食パンの評価はほとんどすべての項目において0 (普通) 以上であった.
    (4) オカラ湯戻し用加水量の比較検討については, 10%オカラ添加では比容積への影響が小さく, 20%添加ではオカラの2.5倍量加水時に比容積が最大となった. また加水量増加にともないパン内相は柔らかくなった.
    (5) 食パン内相の微細構造の観察から, グルテン形成はオカラ添加により抑制されていることが認められた.
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