女子大学生の居住形態からみた健康と食生活に関連した意識を検討するために, 北海道札幌市周辺の女子学生435人についてアンケート調査を行った。
1) 健康を保つのに適した食生活を “している”, “大体している” と答えた合計は自宅生と寮生各々46%と多く, 下宿生は28%であった。健康な食生活を “していない” は自宅生20%, 寮生25%に対して, 下宿生は44%と多く, 3居住間に有意な差が認められ, 健康に適した食生活の意識は自宅生と寮生で高かった (3居住間p<0.001, 自宅と下宿間p<0.001, 寮と下宿間p<0.001)。
2) 家での食事について, 居住形態別に比較すると, “少し楽しい”, “楽しい”“非常に楽しい” を合わせた合計は, 自宅生97%, 寮生85%で, 両者共に食事を楽しんでおり, 逆に “楽しんでいない” は, 寮生15%より下宿生24%の方に多く, 食事を楽しんでいない学生は下宿生に多いことが認められた (3居住間p<0.001, 自宅と寮間p<0.05, 自宅と下宿間p<0.001)。
3) 食品摂取頻度は自宅生が相対的に高く, 次は寮生が続き, 下宿生は最低であった。自宅生に比べて, 寮生に摂取頻度が低かった食品は魚介類ど海藻類であり, 有意差が認められた (各々p<0.001とp<0.05)。
4) 学生の欠食状況は“よく欠食する”と“時々欠食する”を合わせた合計は, 自宅生32%, 寮生43%の順で, 下宿生は54%と多く, “欠食しない” は, 自宅生68%, 寮生57%の順で, 下宿生は46%と少なく, 下宿生で欠食頻度が最も高い傾向がみられた (3居住間p<0.001, 自宅と下宿間p<0.001)。
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