日本食生活学会誌
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19 巻, 3 号
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論文
  • 山崎 貴子, 伊藤 直子, 岩森 大, 堀田 康雄, 村山 篤子
    2008 年 19 巻 3 号 p. 193-201
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      本研究ではいも類, 根菜類, 果菜類, 葉菜類を低温スチーミング調理し, 糖およびビタミンCの測定, 官能評価, 衛生面から検討した。低温スチーミング調理では茹で加熱に比べて糖やビタミンCの残存率が高かった。また葉菜類では40-50°CのスチーミングによりビタミンCが増加した。さらに調味料の浸透性, 殺菌効果の面でも効果があることが示され, 官能評価でも高い評価が得られた。
      以上の結果より, 低温スチーミング調理は食材ごとに適切な温度で加熱することで, より栄養・機能性成分を保持し, 素材本来の風味を生かすことのできる調理法であることが示された。今後はさらに食品の成分変化, 特に酵素との関係の解明とこれらの食材の利用によるメニュー開発を検討していきたい。
      最後にオーブンレンジ型低温スチーミング装置をご提供くださいました東芝家電製造株式会社に深く感謝いたします。
  • 加藤 佐千子, 長田 久雄
    2008 年 19 巻 3 号 p. 202-213
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      Y市およびK市の60歳以上の地域在宅高齢者に対して, 2007年6月~8月に, 食品摂取, 食品選択動機について調査し, 食品選択に対する認知が食品摂取に及ぼす影響を検討した。
      1) 男女ともに, 体によいことや栄養素が含まれることを重要であると捉えて, 健康や栄養認知に重みをおいた判断を行っていた。反対に, 価格や支度に要する時間の認知に重みをおいた判断は弱かった。
      2) 食品選択動機の認知は, 男性より女性の方が強く, 「栄養と健康」「感覚的快楽」は女性の認知が高かった。
      3) 男性では, 「栄養と健康」に対する認知が高いと, 「海そう類」の摂取頻度は高くなり, 「低カロリー」に対する認知が高いと, 「冷凍食品」の摂取が高くなり, 「卵」の摂取頻度は低くなると考えられた。また, 「入手の容易さ」に対する認知が高いと, 「惣菜」の摂取頻度は低くなると考えられた。
      4) 女性では, 「低カロリー」に対する認知が高いと「卵」の摂取頻度は低くなると考えられた。また, 「入手の容易さ」に対する認知が高いと「麺類」や「インスタント食品」の摂取頻度は高くなり, 「漬物」「大豆製品」の摂取は低くなると考えられた。「感覚的快楽」に対する認知が高いと「漬物」の摂取頻度は高くなると考えられた。
      以上より, 食品選択動機が, 食品摂取頻度に影響を及ぼすことが示された。
  • さといもについて
    殿塚 婦美子, 長田 早苗, 谷 武子, 根岸 由紀子, 奥崎 政美, 香川 芳子
    2008 年 19 巻 3 号 p. 214-223
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      アクアガス加熱食材の基礎的調理加工特性を明らかにすることを目的に, さといもについてアクアガス加熱と既存の加熱法 (茹でる, 蒸す) について実験を行った。併せて, さといもの粘質物の溶出を抑制し, 皮剥操作の作業能率と安全性を目的に, 予備加熱にアクアガス加熱を活用することの有効性について検討した。
      結果は次の通りである。
    1. アクアガス加熱のさといもは, 茹でおよび蒸し加熱と比較して, 色差はNBS単位で「わずかに」の差であり, 物性値においても顕著な差は認められなかった。しかし官能検査の結果はテクスチャーおよび味の総合的評価において優位性が示唆された。
    2. 予備加熱・アクアガスは, 従来の予備加熱・茹と比較して, 総加熱時間は変わらないが, 予備加熱後の皮剥作業が容易であり, 作業能率, 安全性の面から有効であると判断された。また, 品質面では以下の実験結果から, 予備加熱にアクアガスを活用できることが示唆された。
      1) 官能検査の評価は, 4種の加熱条件のテクスチャー・味の総合的評価および総合評価に有意の差は認められなかった。
      2) 予備加熱・アクアガスの色差は, 予備加熱・無と比較して, 「わずかに」の差であり, 大量調理の現場で行われている予備加熱・茹と変わらず, 官能検査の色の評価は普通 (0) であった。
      3) 物性値は, かたさでは4種の加熱法間の差は些少であるが, 予備加熱・アクアガスは粘着力および付着性の値が小さかった。
      4) 予備加熱・アクアガスは, γ-アミノ酪酸の増加率が有意に高かった。
      5) 予備加熱・アクアガスの灰分, カリウム, マグネシウムおよびリンの未加熱に対する変化は認められなかった。
    本研究は, (独) 農業・生物系特定産業技術研究機構生物系特定産業技術研究支援センター「生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業」の「アクアガスを用いた高品質汎用食材の新規調製技術の開発」によって実施されたことを記し, 深謝いたします。
  • 木村 友子, 井川 千春, 鬼頭 志保, 加賀谷 みえ子, 内藤 通孝, 菅原 龍幸
    2008 年 19 巻 3 号 p. 224-231
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      給食経営管理実習の栄養・食事計画に資する目的で, 女子大学生の1・2年生193名を対象に, 食事バランスガイドを用いて食事行動の実態を明らかにし, 給食経営管理実習の教育方法と教育効果について調査研究を行った。
    1  1日の食事摂取のサービング数は平日より休日の方が少なく, 「主食・主菜・副菜など」の揃った食事 (平日・休日の全平均) は67%であり, 食行動に慎重さが欠けていた。
    2  昼食の喫食状況では, 弁当群が70%, 外食群が30%であり, 両群ともにエネルギー, カルシウム, 鉄, ビタミン (A・B1・C) , 食物繊維が不足傾向であった。昼食費は弁当群平均207円, 外食群平均405円であった。外食群は弁当群に比べて食事バランスガイドの摂取サービング数も少なかった。
    3  2年次の献立作成上の意識調査では, 調理をする群 (A群) は31%, 調理をしない群 (B群) は69%で, 献立作成の困難度では, B群はA群に比べ有意に高く, 献立作成順序は, 両群とも主菜から決め, 肉類の利用は洋風食に81~85%, 中華風食で62~65%であり, 魚類の利用は和風食で77~79%であり, 上位にあった。
    4  昼食の実施献立食 (和風・中華食・洋風食) を, 1日当たりの日常食の昼食に置換した場合では, 食事摂取目標量の16~19SVの範囲に達し, 学生の日常食に比べて有意にサービング数が多くなった。この献立食の自己・他者評価は, 献立内容を改善した実施献立では予定献立より有意に評価点が高かった。
      以上のことから, 学生の自己効力感 (自信) を高める実践的教育が食事の改善や食行動の変容を図ることにつながり, 効果が認められた。
  • 石原 万里名, 鍋野(帰山) 由佳, 木村 友子, 内藤 通孝
    2008 年 19 巻 3 号 p. 232-238
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      黒大豆煮汁の日常摂取における有用性を明らかにするために, in vitroおよびin vivoにおける黒大豆煮汁の糖代謝に対する作用を検討した。
      黒大豆煮汁の糖類分解酵素活性をin vitroで測定した。さらに, 健常若年女性を対象に, スクロースおよびグルコース負荷試験における黒大豆煮汁同時摂取の効果を検討するとともに, 黒大豆煮汁の長期 (4週間) 摂取試験を行った。
      その結果, 黒大豆煮汁はin vitroにおいてα-グルコシダーゼ阻害活性を有することが明らかになった。また, スクロースおよびグルコース負荷試験における黒大豆煮汁の同時摂取は, 血糖上昇を抑制した。さらに, 黒大豆煮汁の長期摂取は, 血糖コントロール改善, 抗酸化能上昇, 活性酸素代謝物低下の作用を示した。
      以上の結果から, 黒大豆煮汁の摂取は糖代謝改善および抗酸化作用を有し, 耐糖能障害および糖尿病の予防に有用であることが示唆された。
研究ノート
  • にんじんについて
    長田 早苗, 殿塚 婦美子, 谷 武子, 根岸 由紀子, 奥崎 政美, 香川 芳子
    2008 年 19 巻 3 号 p. 239-246
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      AQG加熱食材の基礎的調理加工特性を明らかにすることを目的に, にんじんを用いて, AQG加熱と既存の加熱法 (茹でる, 蒸す) について実験を行い, 物性, 色調, 成分量 (総ビタミンC, カロテン, 遊離アミノ酸) について測定を行い, 官能検査と併せて検討した。結果は以下のとおりである。
    1. AQG加熱の内部温度上昇は蒸し加熱と同様であった。また水分量については, 蒸し加熱よりも水分減少を抑制できた。
    2. AQG加熱による色調は, a値については蒸し加熱と比較して有意に大きく, L値については蒸し加熱と茹で加熱の中間であり, それぞれ有意差が認められるが, 人の視覚では, ほとんど差を認めることはできないほどの違いであった。
    3. 総ビタミンC量については, AQG加熱が最も減少が抑制された。カロテンは3つの加熱法の間に, 有意差は認められなかった。遊離アミノ酸総量については, AQG加熱では蒸し加熱および茹で加熱よりも有意に少なかったが, アルギニンを含め苦味を呈するアミノ酸類は蒸し加熱および茹で加熱と比較して有意に少なく, 甘味・旨味を呈するアラニン, アスパラギン酸およびグルタミン酸の量は茹で加熱よりは多く, 蒸し加熱よりは少なかった。
    4. 皮層部では茹で加熱が最も硬く, 髄部では蒸し加熱が最も硬い結果であった。AQG加熱は, 両部位とも, 最もやわらかい傾向であった。
    5. 官能検査については, 甘みの強弱や味の総合的評価および総合評価についても, AQG加熱は蒸し加熱と同等であり, 茹で加熱と比較して有意に良好な結果であった。
      本研究は, (独) 農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター「生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業」の「アクアガスを用いた高品質汎用食材の新規調製技術の開発」[コンソーシアム構成 : (独) 食品総合研究所, (株) タイヨー製作所, 女子栄養大学, (株) ローズコーポレーション, (有) 梅田事務所]委託研究によって実施されたことを記し, 深謝いたします。
  • 下橋 淳子, 西山 一朗
    2008 年 19 巻 3 号 p. 247-250
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      色調の異なる味噌の表面色と80%エタノール抽出液のDPPHラジカル消去能を測定し, 味噌の熟成中に生成したメラノイジンの生成量と抗酸化性の関係を調べた。さらに, 0.5M-L-リジンと0.5M-D-グルコースの等量混液によるアミノカルボニル反応液の着色度とDPPHラジカル消去能の関係からもメラノイジンの生成量と抗酸化性との関係を検討した。
    1) 味噌の表面色の明度とDPPHラジカル消去能の間には, 相関係数r=-0.755 (α‹0.05) で有意な負の相関が認められた。
    2) 味噌の熟成過程におけるアミノカルボニル反応で生成したメラノイジンが多く, 赤褐色化の進んだ味噌ほどDPPHラジカル消去能が高値を示した。
    3) 大豆の抗酸化成分を多く含む豆味噌の八丁味噌や赤だしは, 米味噌や麦味噌と比較してDPPHラジカル消去能がかなり高かった。
    4) 0.5MのL-リシンとD-グルコースの等量混合液によるアミノカルボニル反応液には, 着色度とDPPHラジカル消去能の間に相関係数r=0.961 (α‹0.01) で強い正の相関関係が認められた。
  • 笹田 陽子, 笹田 陽子, 中舘 綾子, 工藤 ルミ子, 重田 公子, 鈴野 弘子, 石田 裕, 鈴木 和春, 樫村 修生
    2008 年 19 巻 3 号 p. 251-259
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      咀嚼・嚥下困難な高齢者に安全で簡単な調理による食事の提供を目的に, 誤嚥性肺炎の出現のないR施設で提供している嚥下ソフト食の物性を測定し, その評価を行った。
      (1) 主食の粥は温度の低下とともにゲル状となり, 舌でつぶせる, 箸でつかめるかたさとなった。
      (2) 主菜のまぐろの山かけ蒸しは, 粥とほうれん草のくずあんかけより有意にやわらかかった。
      (3) 主食, 主菜および副菜におけるかたさは, 5×103N/m2から1×104N/m2程度であり, 厚労省許可基準およびユニバーサルデザインフードの表示区分「舌でつぶせるかたさ」の基準を満足していた。
      (4) 汁物における粘度は, 4.9×104mPa⋅sから1.0×104mPa⋅sの範囲で, その平均は (2.4±1.4) ×104mPa⋅sで, この値は汁物, ピューレ状で提供する料理の指標となると考えられる。
      (5) 汁物における回転数依存指数のばらつきは小さく, 飲み込みやすい汁物であることが認められた。
      以上より, 嚥下ソフト食は, 「水やお茶が飲みにくい」レベルの多くの咀嚼・嚥下困難者に対して「舌でつぶせる」レベルのかたさ, 粘度で対応できる食事形態であることが明らかになった。
      なお, 本研究は, 平成18年度, 19年度盛岡大学研究助成により行われた。
  • 岡山県M町における, 国保ヘルスアップモデル事業に参画して
    三宅 妙子
    2008 年 19 巻 3 号 p. 260-265
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      本研究の目的は, 高齢者を対象とした食生活指導に主食1品, 主菜1品, 副菜2品, 計4品を揃える献立を基準とした場合の充足度がどの程度有効かを明らかにすることである。  対象は, 岡山県M町在住の女性57人 (平均65.4±3.7歳) である。
      1週間の食生活調査結果を1献立中の品数から見直し, A (1食3品程度) , B (1食4品程度) , C (1食5品以上) の3グループに分けて日本人の食事摂取基準で設定されている平均推定必要量等との関係を比較した。
      エネルギー摂取量とPFCバランスは, AとBグループではエネルギー摂取量は比較的基準値の付近にあったが, 脂質がやや多く, たんぱく質がやや少なかった。Cグループのエネルギーは基準値を30~50%も超えており, 脂質は30%前後, 炭水化物は55%以下を示した。
      次に, 主な微量栄養素および食物繊維の摂取量は, A, B, Cのいずれのグループにおいても, 特に食物繊維の摂取不足がみられた。
      高齢者を対象とした食生活指導に主食1品, 主菜1品, 副菜2品, 計4品を揃える献立を基準とした食事の見直しは, バランスの取れた食生活を送るためにかなり有効であり, 導入しやすいことが示唆された。
  • 北林 蒔子, 本間 健, 根ヶ山 光一
    2008 年 19 巻 3 号 p. 266-272
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      Dissatisfaction with food and food service is a serious issue among elderly people that leads to lower QOL as well as malnutrition. However, there are only a limited number of surveys on the elderly hospitalized in facilities compared to hospitalized and at-home elderly people. The purpose of the present study was to examine the satisfaction with food and food service in institutionalized elderly people. We investigated how communications between staff and institutionalized elderly people affect this satisfaction. We interviewed 68 elderly people (83.1±7.2 years old) via questionnaire. Satisfaction was measured in seven categories:  overall evaluation”,  taste”,  quantity”,  tableware”,  meal plans”,  meal times”,and  snacks”. Satisfaction was lower for  taste” and  meal plans” than for the other five categories. Significant correlations were found between  satisfaction with food and food service” and  meal requests are met” (P‹0.05) and  The staff seemed friendly and considerable” (P‹0.05) . Those who had conversations with the facility staff concerning the meals felt that the meal requests were met (P‹0.001) . In order to increase the satisfaction with food and food service, this survey suggests that more communication is needed , such as hearing meal requests, between institutionalized elderly people and staff.
  • 菊地 和美, 古郡 曜子
    2008 年 19 巻 3 号 p. 273-279
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      クロテッドクリームの基礎的性状を調べるために, 北海道産クロテッドクリームを用いて, 色調, 動的粘弾性, 示差走査熱量分析 (DSC測定) を行った。さらに, クロテッドクリームを用いて北海道江別市の大学生を対象とした江別産小麦粉を用いた焼き菓子調理および官能検査を試みた。
    1. クロテッドクリームの色調は, ホイップクリームに比べて明るさのある黄色を呈していた。
    2. 動的粘弾性ではクロテッドクリームおよびホイップクリームともに, 最大貯蔵弾性率は5℃付近に存在し, 温度が上昇すると粘性要素が高くなった。
    3. 示差走査熱量分析ではクロテッドクリームの吸熱エンタルピー (δH) は乳脂肪クリームのそれよりも大きかった。
    4. 北海道産食材を用いた調理体験では, クロテッドクリームに抹茶粉末やキャロットジャムなどを混合している様子が観察された。
    5. 官能検査では, 焼き菓子のみに比べて焼き菓子にクロテッドクリームを添えたものは総合評価が有意に高かった。さらに, クロテッドクリームのみに比べて, 風味では抹茶入りクロテッドクリーム, 外観ではキャロットジャム入りクロテッドクリームの評価が有意に好まれた。
      以上より, クロテッドクリームはジャムと混ぜたり, しぼりだして用いることができるため, その特性を活かして焼き菓子などへ利用できる可能性が示唆された。
  • 井上 吉世, 安藤 真美, 北尾 悟
    2008 年 19 巻 3 号 p. 280-284
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
      付加価値の高い機能性食品素材であるとされているおからの有効利用を目的として乾燥おからを添加したケーキを調製し, 乾燥おからの添加量の違いがケーキの物性と食味に与える影響について物理的特性と官能特性から検討し, 以下のような知見が得られた。
      1 おからの添加量が多くなるにつれてケーキの膨化状態は小さくなり, 添加量15%では外観上部の膨らみはやや平坦な状態となり, 内相はスポンジ状が密であった。色調は明るく, 薄くなる傾向であった。
      2 テクスチャーの測定から, ケーキの硬さは対照ケーキとおから添加ケーキ間では有意差がなかったが, おから添加量が多くなるにつれて凝集性の値は有意に低くなり, 付着性は高くなる傾向がみられた。
      3 おいしさに関わる官能評価をおこなったところ, 15%おから添加ケーキは嗜好の面では対照ケーキと同程度の好ましさであった。
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