近年、大学においてポータルサイトや教育支援システム、eラーニングシステム等の利用によるICT(Information and Communication Technology)活用教育が増加しており、学生が学内のコンピュータ施設を利用する機会が増加してきている。そのため、常にセキュアで安定したコンピュータ環境をコストを削減しつつ提供することが大学の情報センターに強く求められている。また一方で、環境問題の深刻化に伴い、環境に配慮したIT(グリーンIT)の導入も強く求められてきている。さらに、2011年3月に起きた東日本大震災の影響により電力不足が発生し、大学においても節電が呼び掛けられている。このような状況のもと、本稿では専修大学においてグリーンIT化に向けて取り組んだ事例を、消費電力対策である“Green of IT”の観点と、ITによって環境負荷を低下させる“Green by IT”の観点から紹介する。さらに、本学がとった節電対策及びその効果についても言及する。
なお本稿は、情報システム学会第6回全国大会・研究発表大会で発表した内容に加筆・修正を加えたものである。