現在,さらなる経済成長・生産性の向上を目指して,社会全体のデジタル化を推進するべく,AI人材の養成が必要とされている.その中で高等教育機関は,AI人材の効果的な養成を可能とする教育体制の整備を社会から望まれている.このような要請に応えるため,広島工業大学では,2020年度より始めた新カリキュラムにおいて,入試科目の文理を問わず全ての学生が,AIやデータ活用の素養を習得することを目標に,全学共通の大学初年次向け必須科目「AI・データサイエンス入門」を設置した.本論文は,2020年度,全学科の1年生を対象に「AI・データサイエンス入門」での取り組みと実践結果を報告する.講義中に取得したデータ分析の結果,本科目実践によるAIやデータサイエンスに対する理解度の向上が示された.さらに,本授業が数学に対する学習意欲の向上に役立っていたことが確認できた.以上の結果から,今回実践した教育は適切であったと結論づけた.
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