観光研究
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28 巻 , 2 号
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論文
  • 宮﨑 友里
    2016 年 28 巻 2 号 p. 35-43
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    ネパールには火葬場観光地が世界遺産パシュパティナート寺院内にある。なぜ火葬場は観光地になり得たのだろうか。アーリーのまなざし論では、非日常性が高いからだと説明がつくだろう。しかし、まなざし論では観光地になり得る条件を説明できても、なぜ観光地になったのかを説明できない。そこで本稿では、ソフトパワー論を分析視角としてネパールの国際関係に焦点を当てることで、火葬場が観光地として整備されたいきさつを考察した。その結果、パシュパティナートの活用方策にはネパール政府の外交方針と同じ論理が働いていると分かった。パシュパティナートにおける火葬の観光利用はインドに取り入る形で国際社会へ進出する方策として機能する。
  • 井手 拓郎
    2016 年 28 巻 2 号 p. 45-56
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、観光まちづくりにおけるリーダーの発達プロセスを明らかにするため、別府ハットウ・オンパクを推進したD 氏とE 氏を観光まちづくりのリーダーとして設定し、両氏にインタビューを行った。調査方法は半構造化面接による聞き取りで、ライフストーリー研究の方法を用いて分析した。その結果、別府ハットウ・オンパクリーダーの発達プロセスが明らかとなり、その発達プロセスに関係している要因として「カルチャーショック」「地域の先輩」「国際交流」が明らかとなった。さらに本研究では、これらの発達要因が有効に機能する前提条件として、「リスクを冒して新しいことに挑むこと」と「経験からの学習」を挙げた。
  • 大野 富彦
    2016 年 28 巻 2 号 p. 57-67
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    旅館の場合、顧客の満足度には、部屋、料理、風呂といったモノのほかに、従業員の接客を通じた経験が影響する。本研究は、この接客に関わる人々に焦点をあて、彼ら・彼女らの声を基に、働きやすさ・働きがいについて検討し、旅館経営で参考になるような実践的な含意を導くことを目的とする。天坊の事例から、社内コミュニケーション:「タテ・ヨコのコミュニケーションのとれた職場」と人材育成:「従業員の成長を意識した仕事。そのための人材育成」の重要性を指摘することができた。
  • 鄭 玉姫
    2016 年 28 巻 2 号 p. 69-79
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、韓国南海岸の南海島文巷集落を対象として「体験型観光村」の運営システムについて解明を試みた。南海島文巷集落は2002 年に海洋水産省によって「文巷体験村」に指定されており、潮干狩り等を体験メニューとし、2014 年では年間6 万人の観光客を受け入れており、本稿ではその事業運営の成功要因について、住民出役の仕組みと事業運営の状況を分析した。その結果、「文巷体験村」は集落共同事業に分類され、その運営には既存の地域組織が活用されている。全世帯を対象とする輪番制によって住民の出役が促されており、事業運営による利益が参加住民への人件費とともに全世帯へ配分されるなどして、「文巷体験村」が運営されていることが明らかとなった。
  • 阿久津 千晶, 十代田 朗, 津々見 崇
    2016 年 28 巻 2 号 p. 81-92
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、全国の都市・115 自治体の168 のまち歩きガイド組織を対象とし、アンケート調査およびその結果をもとにした数量化理論Ⅲ類とクラスタ分析を行うことで、若手ガイドが多く活動している組織の特徴とガイド個人の特性と意識を明らかにした。結論として、『若手(50 代以下のガイド)』の参加促進方策のひとつとしては、「『若手』も気軽に参加でき、知識の吸収欲を満たせるような、ガイドの前段階となる装置を用意すること」が提案できたとともに、ガイド活動は、より自地域への愛着を増幅させ、更なる地域活動への参画を促すものにもなりうることがガイド個人へのアンケート結果より推察された。
  • 横関 隆登, 下村 彰男, 櫻井 宏樹
    2016 年 28 巻 2 号 p. 93-103
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    協力金制度の議論は山岳域と田園・農村域とで共通点ばかりではなく別途の課題と論点がある。本研究は、由布院に訪れてきた観光者を対象に、その観光者が期待した田園・農村域に対する保全管理事業の内容の特徴を明らかにし、田園・農村域に協力金制度を活用する上での重点的に考慮すべき点を見出すことを目的とした。本研究は保全管理事業の概念的枠組みを設定の上、アンケート調査の実施結果を用いて論証した。その結果、協力金制度の議論には観光者の資源認識に着目し、住民からの総合的な視点を含めることが重要であることを示した。本研究が示した概念的枠組みは協力金制度を議論するための論点に有用と考えられる。
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