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―新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を踏まえて―
三玉 真, 日原 勝也
p.
1-6
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
観光は自然災害や経済恐慌といった予期せぬ外的ショックに対して脆弱であり、その影響は観光需要の急減を通じて地域経済に波及する可能性がある。本研究では、日本と東京都を対象に 2010 年から 2024 年までの訪日外国人客、国内客別宿泊観光消費額と総生産額(GDP/GRP)を用いた時系列分析を行った。ベクトル自己回帰(VAR)モデルとベクトル誤差修正(VEC)モデルを用いた Granger 因果性検定とインパルス応答分析により、宿泊観光消費額が急激に減少した際、GDP にどのような影響を与えるかについて検証した。その結果、対象データの動的な相互関係についての示唆を得た。
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―2 年間の悉皆調査に基づく資源分類ごとの比較より―
中谷 陽, 川澄 厚志, 古山 周太郎
p.
7-12
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本稿では、令和 6 年能登半島地震の被災地である 6 市町(珠洲市、輪島市、穴水町、能登町、七尾市、志賀町)の観光資源 218 件を対象とした悉皆調査に基づき、資源分類ごとの復旧プロセスの差異を比較分析することで能登の観光復興が抱える構造的な課題を考察した。その結果、経済合理性や文化的価値といった資源の特性によって復旧のスピードや方向性が大きく異なることが明らかとなり、今後の観光復興においては、資源の特性に応じた多様な支援策の展開が重要であるという示唆を得ることができた。
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―東日本大震災における気仙沼市・石巻市の産業連関分析から―
山﨑 庸右
p.
13-17
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
地場産業の大災害からの早期復旧により、観光消費がどれだけ被災地の収入につながるのか定量的に把握するため、気仙沼市と石巻市の飲食料品の自給率を 1 にした場合の総合波及効果額及び雇用者所得誘発額の増加額を試算した。気仙沼市では雇用者所得誘発額が全体で 1.01 倍、飲食料品では 1.08 倍に、石巻市では同額が全体で 1.05 倍、飲食料品では 1.44 倍になり、その効果が認められた。そのために生産額を気仙沼市では 1.10 倍の額に、石巻市では 1.51 倍の額に増額させる必要があるが、いずれの場合も 2013 年の生産額よりも少なかった。
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―東日本大震災の伝承施設を対象として―
閆 耕, 橋本 俊哉
p.
18-23
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
日本は過去に多くの自然災害を経験し、その中で防災・減災に関する知恵や文化、いわゆる「災害文化」を蓄積してきた。災害文化は、防災・減災体制において重要な役割を担っているものの、担い手の高齢化や地域社会の空洞化等により伝承が困難となっており、観光を活用した災害文化の伝承の必要性が提起されている。本研究では、文献資料をもとに災害文化に関する理論的研究を整理し、さらに防災観光で災害文化を伝承する施設に関するデータベース分析を実施する。本研究は、その分析結果を基に、観光を通じた災害文化の伝承形態と時間経過による変化の動向を明らかにすることを目的とする。
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本田 量久
p.
24-28
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
2011 年 3 月 11 日に東日本大震災が発生してから数か月後、被災地では、被災経験の記憶を伝承することの重要性を訴える一方で、非被災者の無関心を懸念する声が聞かれた。だが、実際には、直接的に東日本大震災を経験していなくとも、地域・国境を越えて多くの人たちが被災者の苦しみに共感を寄せ、震災復興を願いながら、被災地内外でのボランティア活動や観光振興に向けた取り組みに尽力してきた。本論では、A.シュッツや M.アルヴァックスらの議論を参照しながら、震災復興に向けた非被災者の実践に着目し、時空を越えた被災経験の共有可能性と記憶の共同体に関する社会学的考察を試みたい。
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―原子力災害被災地の復興計画を参考にして―
稲葉 雅子
p.
29-34
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
災害からの復興に観光は有効な手段といわれ、東日本大震災後、岩手県・宮城県の津波被災地では復興計画の中に観光の視点を取り入れ、その成果は観光客入込数にも表れてきた。しかし、福島県の原子力災害被災地では、帰還困難区域が残り地域資源を活用できないうえ、地域外で避難生活をしている住民が戻れていない。この状況で、原子力災害被災地における復興にも観光は有効性を発揮するのであろうか。その可能性について、福島県双葉町・大熊町を中心に調査研究をするものである。
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―AI 活用による分散戦略と地方創生 2.0 への示唆―
田原 洋樹
p.
35-40
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
日本の観光政策は、京都市や鎌倉市に代表される観光集中の解消と、地方での人口減少・担い手不足の解決という「二重の非対称性」に直面している。本稿は、AI を活用しこの二重の非対称性をいかに克服し得るかを検討する。まちづくりプラットホーム、岡山県観光連盟、京都市を事例とし、図 1 に示した研究デザインに基づいて分析した。さらに、図 2 のロジックモデルを提示し、AI が観光客の行動変容を促し、地方創生 2.0 につながる過程を示した。その結果、AI は観光分散と観光行動の質的向上に一定の効果をもつ一方、住民合意や交通基盤、データガバナンスといった条件が整わなければ一定の成果は得られない可能性が示唆された。
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―オーバーツーリズムのメカニズム解明と対応への示唆について―
関口 伸一
p.
41-46
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本稿はオーバーツーリズム問題を背景に、観光地ライフサイクル理論にイノベーション普及理論とキャズム理論を統合したフレームワークを用いて、観光地発展段階に存在する「キャズム(溝)」を示し、それにより観光客が本質的価値を求める「First Comer」から実利的便益を求める「Next Comer」へと質的に変容するメカニズムを明らかにする。また事例分析を通じ、「Next Comer」の過度な集中がオーバーツーリズムを引き起こす構造を明らかにし、従来は「量的」集中への対応が主であったオーバーツーリズム対策において、「質的」変容への対応(デマーケティング)も必要であることについて示唆する。
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伊藤 穂高, 三玉 真, 小笠原 悠, 清水 哲夫
p.
47-51
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究では東京都民 9,200 名を対象としてオーバーツーリズムに関する認識を調査した。因子分析およびクラスター分析の結果,住民は観光の経済的・社会的便益を一定程度認識する一方,混雑,物価上昇,治安悪化等の負の影響も強く意識していることが明らかとなった。特に観光・ホスピタリティ産業への従事経験が認識差に影響を及ぼし,住民は「高認識層」「一般層」「低認識層」に類型化された。全体として観光の地域経済・雇用への寄与は中立的に評価される傾向にあるが,これは少数の高認識層が押し上げた結果であり,大部分の回答者は観光の地域への恩恵に懐疑的態度が優勢であることが示唆された.
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―チンクエ・テッレを事例に―
佐野 浩祥
p.
52-57
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、イタリアにおけるオーバーツーリズムの実態を明らかにするため、代表的な観光地であるチンクエ・テッレを対象に、観光地としての発展過程を整理した上で、オーバーツーリズムに関する新聞記事を用いてその実態や変容について分析するものである。新聞記事の内容を「認識」「対策」「評価」に分類し、その変化を見ていくと、相互に関係し合いながら多様化、深化していく過程が観察され、オーバーツーリズム現象は地域のステークホルダー間の合意形成や新たなビジョン構築の契機となり得ることを結論とした。
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―ヴェネツィア市役所ヒアリング調査を通じて―
吉原 俊朗, 伊藤 雅
p.
58-61
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
2025 年 8 月末に、宮島のオーバーツーリズム対策を検討する一助として、ヴェネツィア市役所ヒアリング調査を実施する機会があり、ヴェネツィアにおけるオーバーツーリズム対策について伺った。本稿は、特に 2024 年、2025 年に実験的に開始した訪問税について情報収集を行った結果を報告するものである。ヴェネツィアの訪問税は日帰り観光客を抑制する方策として導入し、観光客の動きを把握するシステムの構築が成果として挙げられるものの、観光客抑制という成果が見える段階には至っておらず、今後も継続的に実施していくものであることが確認された。
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―マト・フランコビッチ市長による 2017 年から 2024 年の政策に着目して―
西川 亮
p.
62-67
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、クロアチア・ドブロブニク市における 2017 年から 2024 年に展開されたオーバーツーリズム対策の展開を明らかにするものである。2017 年に市長になった Mato Frankovic 氏は Respect the City プロジェクトを立ち上げ、クルーズ船会社への交渉や公共空間の利用規制、交通マネジメントなどを短期間のうちに劇的に行ってきた。その結果、ドブロブニクの取り組みは様々な賞を受賞するに至った。観光が地域にもたらす経済的メリットを認識しつつも、必要に応じて経済利益を犠牲にして地域住民の生活環境を守ろうとする姿は示唆に富む。
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神田 大介
p.
68-72
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
安島(2011)によると観光価値は様々な要因によって増減するものである。その観光価値とは精神的な価値と身体的な価値に分類できる。精神的な価値は例えば温泉や美味しい食事などは、一度満たされても時間が経つとまたその欲求は芽生えるが、人間にしか理解できない精神的価値、言い換えると言語的認識に基づくもの、例えば小説の舞台や古戦場へは、とても行きたかった場所であっても継続的に行くことはあまりない。一方、その精神的な価値の中でも消費されにくい要素の一つが「交流」とされている。本研究ではその実証を目指すための仮説を提示するものとする。
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―肘折温泉における質的調査から―
岡部 純子, 石川 利江
p.
73-76
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は肘折温泉を事例に、旅行者が体験する「異日常」の心理的効果を質的に検討した。宿泊者 15 名への半構造化インタビューを逐語録化し、キーワードを抽出した結果、地域の特性、リピーター性、住民との交流が抽出された。これらは DREAMA モデルや自己決定理論と対応し、特にリピーターは地域との持続的関係を通じて心理的安定を得ていた。肘折温泉の異日常体験は「第二の日常」として内在化し、旅行者のウェルビーイング向上に資する可能性が示された。本研究は「第二の日常」としての旅行の意義を明らかに、観光政策における「第二のふるさとづくり」や「関係人口」施策にも関連する知見を提示する。
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―国内宿泊旅行の類型化に基づく実証研究―
大方 優子, 岩崎 達也
p.
77-82
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、現代の旅行スタイルの一形態である高関与旅行に焦点を当て、旅行者を関与の対象(旅行・旅行先・目的行為)と水準に基づき類型化し、その行動的・心理的特性を明らかにした。2025 年 9 月に国内宿泊旅行経験者 1,038 名を対象にオンライン調査を実施し、計画・経験・満足度などを分析した結果、旅行先関与型が最多で、次いで目的行為関与型、旅行関与型の順であった。さらに、関与水準が高い層は意思決定を慎重に行い、経験を深く意味づけ、満足度も高いことが確認された。これにより、従来のデモグラフィック属性によらない心理的セグメンテーションの有効性が示され、観光マーケティングにおける新たな指針を提示することができた。
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―兵庫県出石町を事例として―
和田 遥菜, 直井 岳人
p.
83-86
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、公衆トイレの評価と観光地イメージの関係を明らかにすることを目的とする。まず、女子大学生 6 名によるディスカッションで観光地の公衆トイレの良い・悪いイメージを抽出し、防犯・衛生・内装が主要因と示された。更に、兵庫県豊岡市出石町で公衆トイレ利用者アンケート調査を行い、トイレ使用前後の観光地イメージ変化を分析した。その結果、「温かさ」「自然」「古さ」「静かさ」等が使用後低下した。トイレのイメージとトイレ使用前後の観光地イメージの差異の間の相関関係に関しては、トイレの明るさ、広さと観光地イメージの間に有意な相関関係が見られたが、全体的には、有意な相関関係が見られた項目間の組み合わせは少なかった。
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―1 人旅行のイメージ、ゆとり、旅行阻害要因の観点から―
津留 もな実, 直井 岳人
p.
87-90
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、若年層における「1 人旅行(ソロ活)」意向に影響を与える心理的要因を明らかにすることを目的とする。近年、SNS の普及などの社会的状況により、1 人旅行は増加傾向にあると考えられる。ここでは、大学生 96 名を対象に、1 人旅行意向、ゆとり、旅行阻害要因、旅行イメージに関する調査を実施し、t 検定および Welch 検定による分析を行った。その結果、1 人旅行意向のある学生は、同行者不在への不安や時間的制約をより強く感じつつも、「楽しい」「普段よりアクティブになれる」といった肯定的イメージを有していた。これにより、阻害要因の存在にもかかわらず、ポジティブなイメージが意向形成と関係している可能性が示唆された。
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花井 友美, 八城 薫, 今野 久子
p.
91-96
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究では、日本におけるバーチャルな旅の経験者を対象に、①プレゼンスとそれに対する心理的反応が旅行先への態度に与える影響、②参加者のマインドフルネスの程度による影響パターンの違いを検証した。2025 年 8 月に、参加経験を持つ 90 名を対象に質問紙調査を行った結果、①プレゼンスは旅行先への態度に直接的に、また心理的反応を媒介して間接的にも影響を及ぼすことが示された。さらに②マインドフルネス高群では、プレゼンスが心理的反応を媒介して間接的に旅行先への態度に影響する一方、マインドフルネス低群ではプレゼンスが旅行先への態度に直接的な影響を与えることが確認された。
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田中 剛
p.
97-102
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
従来研究では、LCC においては、短距離路線運営でこそ LCC のビジネスモデルが最大効果を発揮され、中長距離路線運営は、機材の運航効率、乗員の人件費抑制等の観点から発展可能性は厳しいとの研究が多い。しかしながら、2020 年に JAL グループが ZIPAIR Tokyo、2024 年には ANA グループが Air Japan の運航を開始して、国際線中長距離 LCC 市場は一気に活性化している。コロナ後の日本発海外旅行需要が伸び悩む中ではあるが、運航を開始した 2 社の経営陣へのインタビューの実施結果ならびにその発展経緯を含めて、日本における中長距離 LCC について考察する。
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―中国の大理市を事例として―
呂 馥羽
p.
103-108
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
近年、世界各地で農村民宿が発展しているが、観光客と経営者のコミュニケーション効果に関する実証研究は十分ではない。本研究は、両者のコミュニケーションがもたらす影響を明らかにすることを目的とする。大理は民宿経済の規模が大きく研究価値が高いため調査対象とし、観光客、経営者、現地住民にインタビューと質問紙調査を行い、定性・定量両面から分析した結果、コミュニケーションは多方面に効果を及ぼす一方で、観光経路の選択には大きな差を与えないことが示された。また、調査を通じて新たな民宿の魅力や経営形態が把握され、他の経営者にとっても参考となる知見が得られた。
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―COVID-19 の影響による時系列構造変化とシミュレーションについて―
木崎 誠史, 鈴木 祥平, 小笠原 悠, 日原 勝也
p.
109-114
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
旅行における交通や宿泊のオンライン手配の割合は増加しており、オンライントラベルエージェント (OTA)によるデータの有用性は高まりつつある。また、観光業に大きなショックを与えた COVID-19 の影響を測ることは今後の経済ショック下における政策決定に重要である。本研究では OTA データを用いて宿泊価格の時系列分析を行い、パンデミックによる宿泊価格への影響や宿泊価格の都市間の相互影響を分析した。その結果、流行のフェーズ (流行前・下・後) による価格変動の特徴や都市間の影響関係の違いを把握し、推定した都市間の影響関係モデルから一定のショックが時系列構造に与えられた場合の影響をシミュレーションした。
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-中国東北ハルビン市の公式地域宣伝ショート動画を例として-
張 靖沢, 山崎 隆之
p.
115-120
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、抖音(中国版 TikTok)で話題となったハルビン市の観光プロモーション動画「我姓哈」を事例とし、行政の公式アカウントが中国の日常文脈においてスティグマ化されたサブカルチャー「喊麦」を宣伝の中核として用いた点に着目する。視聴者コメントの分析を通じて、この動画がハルビン市および東北地域のイメージ変容に与えた影響について考察する。その結果、諸主体が「演者化」を通じてステレオタイプ的な言説構造に介入し、地域に内在するネガティブな特性が特定の戦略によって観光資源へと転換されうる可能性が示唆された。
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康 乃馨
p.
121-126
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、東京都 23 区における訪日外国人観光者の中国語話者と英語話者観光者の飲食選好に着目し、大衆点評および Tripadvisor のクチコミデータを基に、飲食店の料理分類ごとの投稿数と消費額の視点から分析を行った。その結果、両言語グループに共通してラーメンや寿司、カフェなどの定番料理が高い人気を示した一方で、中国語話者は海鮮料理や焼肉などの中価格帯の店舗に集中する「集中型」の傾向が強く、英語話者は洋食やスイーツ、居酒屋など多様な価格帯でカジュアルな店舗に分散する「分散型」の傾向を示した。
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山浦 ひなの
p.
127-130
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、「じゃらん.net」に掲載された東京都と静岡県の口コミデータを用いて、総合評価の点数と小項目評価点数の関係性を重回帰分析により検証した。分析の結果、東京都では「部屋」、静岡県では「夕食」の小項目が総合評価の点数に最も強い影響を与えていた。また、両地域に共通して「接客・サービス」が重要な要素であることが明らかとなった。これにより、宿泊施設のタイプや立地条件によって重要視されている項目が異なることが示され、宿泊施設の顧客満足度の向上には、施設特性を踏まえた戦略的な運営が求められることが明らかになった。
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―2 つの国家重点観光地区における比較・考察―
石崎 雄久
p.
131-134
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
近年の持続可能な観光を推進する世界的なトレンドの中、ベトナムでも国策としての観光開発/振興が成果を上げてきている。一方で同時に、経済、社会・文化、および環境面でのネガティブな課題が表面化してきており、健全で持続可能な観光地域経営に対する関心、必要性が高まってきている。ベトナム北部のニンビンと南部のムイネーで実施された現地セミナーでのグループディスカッション結果を両地域の観光資源や地域特性を踏まえて比較したところ、ニンビン開催の方がより官民のバランスの取れた意見を抽出することができた。
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―ヘルスツーリズムの視点から―
YINPENG HUANG, Innhou Kou
p.
135-140
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本研究は、中国の長寿の郷として知られている海南省澄邁県を対象とし、ヘルスツーリズムに焦点を当て、「候鳥老人」の観光行動を明らかにする。インタビュー結果から、観光行動は「親睦」「運動」「栄養」「休養」の4つの視点に整理できたが、特に親睦と運動が中心であり、両者は相互に影響していることがわかった。広場でのダンスや散歩など身体活動が交流の機会を生み、交流が運動の継続を支える構造が見られた。また、「恒大御景湾」のような充実した施設環境も、この生活拠点型のヘルスツーリズムを成立させる基盤となっていた。
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―持続可能性、科学、そして地域文化の融合―
松浦 宏之, 五嶋 俊彦
p.
141-146
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
パンデミック以降、日本からのアラスカを含む海外旅行は停滞が続いている。本稿では、SDGs に根ざした「持続可能な観光」を掘り下げ、特に気候変動を現地で学び、体験する Science Tourism、そして地域の環境、文化を尊重する新しい定義としてのジオツーリズム(Geotourism)をアラスカ州の観光振興に取入れることの重要性を提起する。アラスカの環境破壊、気候変動が引き起こす生態系への影響と先住民文化を主要な観光資源とすることで、訪問者は学びと共に、その保全活動への意識を高めることができる。また、先住民社会の経済的開発と文化継承を支援することは、アラスカ州に新たな観光の可能性を生み、持続可能な地域発展に不可欠と考える。
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―カンブリアの地域観光組織の取組と課題に着目して―
中野 宏幸
p.
147-152
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
本論は、英国の地域観光に着目し、コロナ禍を経た経済状況の下、観光を巡るガバナンス政策の動向、LVEP の導入初期に認証されたカンブリアの観光政策の特徴、現在の運用と企業の動向につき、カンブリアの地域観光組織への訪問・現地調査と提供されたデータから把握したものである。英国では、2024 年に労働党への政権交代が行われ、新政策方針が注目されるが、コロナ後の回復において顕著な地域差が認められる中、カンブリアにおいて自然の観光資源を活かした LVEP を核とした施策と課題を確認しており、これらの取組の考察を通じ、地域観光の政策形成・連携に寄与することを企図するものである。
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―英国クライチ・トラムウェイ村を事例に―
藤井 秀登
p.
153-158
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
フリー
英国のクライチ・トラムウェイ村を事例として、ヘリテージ・サイトに位置するナショナル・トラムウェイ博物館がどのような構造で来訪者を集客しているのかを考察の対象とする。英国では、トラムウェイは過去の交通機関であり、ヘリテージといえる。保存団体が、消滅しつつあるトラムウェイを一ヶ所に集めて博物館を創設するに際し、鉄道の父として知られているジョージ・スチーブンソンに所縁があるミネラル鉄道の廃線跡とクリフ採石場の跡地を再利用したのが、ナショナル・トラムウェイ博物館を含むクライチ・トラムウェイ村であった。本稿では、ヘリテージ・サイトを観光資源として活用した、ヘリテージ・ツーリズムの構造を明らかにしていく。
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―イタリアのアグリツーリズモを事例として―
杜 国慶, 鮫島 卓
p.
159-164
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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本研究は、イタリア全土でアグリツーリズモ(AT)の集積と空間構造を明らかにすることを目的とする。 AT の地理座標をもつ点データを用いて地理情報システム(GIS)による地図化と可視化を行い、半径が異なる 31 バッファーを求め、エリア数変化率の差およびエリア AT 数の順位・規模曲線に基づいて 5 バッファーを選んで分析する。57 エリアを基に、再び可変クランプ分析法を用いてエリアの統合を求めた結果、21 エリアを密集エリアと特定でき、関連するコムーネ数は 2,306 に及ぶ。
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―出雲市におけるフィールド実験―
奥村 拓史, 本橋 萌, 森 雄貴, 吉成 泰彦
p.
165-170
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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観光需要が都市部に偏在し、経済的恩恵が地域間で二極化する中、本研究は出雲市で NFT アートを活用したデジタル・スタンプラリーを導入し、その効果を検証した。周遊データとアンケート個票データを統合した計量分析の結果、万博来場者やデジタル・リテラシーの高い層が積極的に参加し、文化資源とデジタル技術の組み合わせが誘客要因となることが確認された。これにより、地域文化のデジタル化が域外誘客や収集促進、持続可能な観光戦略の展開に有効であることが示唆された。
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― 先行研究の整理と予備的検討 ―
大嶋 淳俊
p.
171-174
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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観光地域づくりで地域活性化を牽引する経営リーダー人材の重要性は高まっている。しかし観光分野のリーダー研究は事例紹介に偏り,とりわけ観光 DX 時代に必要な戦略的マーケティング能力の理論的整理は乏しい。観光需要の再拡大とデジタル化の進展により,従来の調整力や対人的スキルに加え,データサイエンスを活用した観光データ分析やデジタルマーケティングを駆使して戦略を立案・実行できる能力が不可欠となる。本発表は先行研究の整理を通じて,観光 DX を推進するリーダー像の特徴を明らかにし,特に戦略的マーケティング能力の不足が喫緊の課題であることを予備的に検討する。
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―耕三寺博物館を対象として―
森分 斗環, 西名 大作, 金田一 清香
p.
175-180
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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事前の VR 観光体験がその後の現場観光に及ぼす影響を検討した。体験内容が量的に異なる2種類の VR 空間のいずれかで観光体験を行なった後に現場観光を行う条件と、事前に VR 観光体験を行わない条件の計3条件を設定し、現場観光における観光行動や現場観光後の評価結果について比較検討した。その結果、事前に VR 観光体験を行っていても満足度は低下せず、再訪意欲においては VR 観光を行っていない被験者より高評価であった。このことから、事前の VR 観光体験は現場観光を充実させる可能性が示唆された。
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―現地への訪問意欲喚起と現地観光の代替可能性―
西名 大作, 森分 斗環, 杉田 宗, 金田一 清香
p.
181-186
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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近年,VR 技術は観光分野においても広く普及しているが,現地への訪問意欲の喚起や,現地での観光体験の代替など,その活用目的は多様である。本研究は広島県尾道市に所在する耕三寺博物館を対象に,379 地点に及ぶ全天球画像を組み合わせた,可能な限り現地での観光と同様な体験が可能な VR 空間を作成し,現地での観光体験と VR での観光体験をそれぞれ被験者に行わせる実験結果を比較した既往研究の成果を踏まえ,体験可能地点数や体験する際の移動方法を変化させた新たな VR 空間を作成し,同様の観光体験実験により得られた結果を比較することで,様々な観光場面での要求により合致した VR 空間の可能性について検討する。
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倉田 陽平
p.
187-191
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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日本には 300 以上の廃休止スキー場が存在する。それらは山間部かつ豪雪地帯に立地するため、跡地利用は困難と考えられるが、放置しておくと土砂流出や雪崩といった自然災害のリスクがある。本研究では全国 368 箇所の廃休止スキー場の跡地状況を航空写真判読などによって調査したところ、そのおよそ 6 割が未活用状態にあると判明した。また地域外からの訪問者向けに活用されているスキー場跡地も 2 割ほど発見された。これらの訪問者向け活用がなされているスキー場跡地から、CAT ゲレンデ、イングリッシュキャンプ、ハーブ園、オフロードドライブ場、サバゲーフィールドといった跡地活用例を紹介し、それぞれの利点欠点を考察する。
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―日本のアイヌ文化を対象として―
浜崎 美帆, Lorenz Poggendorf, 栗原 剛
p.
192-196
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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2020 年のウポポイ開業をきっかけにアイヌへの注目が高まる一方、アイヌ文化観光をその地域の観光資源に挙げている地域であっても観光の発展段階は異なる。近年、観光政策において住民参画の重要性が議論されており、先住民族観光においてもその関与の有無等が観光発展に影響しているのではないかと考え、選定したアイヌ文関連施設の所在地域の住民参画について検証した。文献調査とヒアリングの結果、住民や外部からの影響含め、文化を守るための取り組みが見られた場合にアイヌ文化観光として現在まで持続している傾向が示唆された。ただし、アイヌ文化の保存に取り組む地域のすべてが観光を目的としないことにも注意を要する。
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森重 昌之
p.
197-202
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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北海道標津町は日本遺産を活用した観光まちづくりを進めているが、日本遺産は認知度が低いなどの課題が指摘されている。本研究は 2000 年以降の標津町の観光まちづくりに向けた取り組みの経緯を整理し、地域資源の認識の変化やデスティネーション・ガバナンスの形成が見られた反面、近年はサケ漁獲量の減少や「ハイブリッドな実践」の減少といった課題を明らかにした。そして、日本遺産のストーリーと町内での新たな活動をいかに結びつけるか、またデスティネーション・ガバナンスをいかに再生するかが課題であることを示した。その上で、日本遺産を集客目的ではなく、観光まちづくりに向けた地域側の指針として活用することの重要性を指摘した。
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―第2期地方版「まち・ひと・しごと創生総合戦略」における記述を通じて―
李 潤智, 羽生 冬佳
p.
203-206
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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本研究は、地域における関係人口の認識と実際の施策展開について明らかにすることを目的としている。既存文献では、関係人口が既存概念と区別され、持続的・多様な地域との関わりを持つ人々として定義されているが、地域事例では、関係人口について政府が用いている用語をそのまま踏襲していることや既存概念と区別されていない概念として認識されていた。また、一部の地域で進められている関係人口に関する施策からは、持続性・多様性について不十分な状況がうかがえた。今回は実施施策の分析に留まるため、今後は地域における関係人口の実態を明らかにすることが求められる。
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―林業,観光,及び皇国史観の重奏史―
米本 芽生, 岡田 昌彰
p.
207-210
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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奈良県中部の山間地に位置する吉野町は江戸時代に吉野林業の流通・販売拠点としての地位を確立させ,近代以降も林業を中心に発展してきた.一方、古くから桜の名所であるとともに後醍醐天皇の率いた南朝の拠点としての歴史ももつ関西屈指の観光地としても知られてきた。本研究では,林業とともに自然観光,さらに南朝を中心とする歴史文化観光業,及びそれぞれの発展に寄与したインフラ整備に着目し,文献調査及び地元の企業や住民組織等へのヒアリング調査をもとに,同町が特徴的な林業都市として発展してきた経緯を明らかにした.
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―道中記・道中絵図の変遷をたどって―
長谷川 浩
p.
211-216
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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江戸時代の代表的な旅は伊勢参宮だが、東国からの場合は単に伊勢神宮に参るだけでなく、その後奈良、京都、大阪の名所・旧跡を訪ね、帰路は中山道を善光寺にまわるのが一般的なルートであった。東海道と中山道を組み合わせた大周遊ルートを巡る旅であるが、こうした旅はいつごろから行われるようになったのか。江戸時代に、木版により発刊された各種道中記や道中絵図をたどることにより、その時期と成立の背景を探る。
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二重作 昌満
p.
217-222
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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本研究は、観光史およびコンテンツツーリズム研究の視点から、東映株式会社制作の仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ、メタルヒーローシリーズの 3 つの特撮シリーズの米国市場への輸出から、現在まで続く催事開催へどのように繋がったか、その歴史的過程を記録するアーカイブ研究を実施した。その結果、日本から輸出された特撮ヒーロー番組の催事は、米国で独自の進化を遂げ、これらのコンベンションは約 30 年と長期的に開催され続けていることに特徴があり、その背景には米国でコミックや映画のコンベンションを実施する催事文化が盛んであること、そして作品のファンが催事開催に積極的であること等が考察できた。
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―慢性疾患患者の旅行の位置づけを通じて―
相澤 美穂子
p.
223-228
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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本研究の目的は、がん患者等の慢性疾患患者の旅行を既存の観光概念の中にどう位置づけるかを明らかにすることである。社会的包摂や健康に関する観光の諸概念を先行研究レビューに基づき整理し、「健康状態」と「観光参加の形態」の二軸で体系化した結果、慢性疾患患者の旅行はどの単一概念にも収まらないことが明らかになった。これは、慢性疾患患者を特別な支援が必要な旅行者と限定的に捉える従来の視点の限界を示唆する。本稿は、観光における「健康」と「包摂」を横断する統合的フレームワークの必要性を提起する。
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―主要 4 市場のランキング比較分析による考察―
松本 百加里
p.
229-234
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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2024 年、訪日外国人旅行の需要は急速に回復し、三大都市圏へ集中するルートの脱却と地方分散が重視された。本研究では、位置情報ビッグデータを用い、台湾・タイ・オーストラリア・アメリカの 4 市場における周遊ルートの変化を分析した。2023 年と 2024 年のトップ 20 ルートを比較し、地方部を含むルートの増減、市場別傾向、新規ランクイン県、順位上昇の要因を明らかにした。全体として分散の進展は限定的だったがいくつかの兆しがみえた。今後は、地域パスの整備、二次交通の充実、テーマ型観光の推進により、持続可能な地方誘客の拡大が期待される。
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王 子文
p.
235-240
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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本研究は、アニメ聖地巡礼を行うインバウンド観光客と地元住民との間で発生する空間的交錯を回避するための情報提供方法を検討するものである。三つの方法を通じて研究対象を選定し、現地観察および管理者へのインタビューを通じて、訪問者数の時間帯別変化と交錯が集中する地点を明らかにした。さらに、情報提供有無による巡礼者の訪問ルート・時間帯選択への影響を仮想調査で比較し、効果的な情報提示方法を提示する。
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頼 柔安, 古屋 秀樹
p.
241-246
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
会議録・要旨集
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本研究は、2023 年と 2024 年における訪日外国人旅行者の主要 5 市場(韓国、台湾、中国、香港、米国)の旅行者属性と、訪日台湾人の都道府県訪問パターンに着目した。インバウンド消費動向調査のデータを用い、潜在クラス分析により、旅行者の訪問パターンは 27 種類に分類された。そのうち約 74%が単一の地方を訪れる「単一地方訪問型」であり、東京や関西などの大都市圏を中心とするパターンが依然として主流であった。一方、東京から京都・大阪へ至るゴールデンルートの派生型など、複数の地方を巡る「複数地方周遊型」も多様化していることが確認された。市場全体としては、初回来訪者の割合が増加し、リピーター層は減少傾向にあった。
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―モノからコトへの視点に―
趙 芸, 古屋 秀樹
p.
247-252
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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本研究は、COVID-19 後における訪日中国人旅行者の消費動向を明確にすることを目的とする。訪日中国人旅行者は、日本のインバウンド観光における重要なターゲットであり、COVID-19 後も消費額と訪問者数は急速な回復傾向を示している。そこで、2019 年と 2023 年のインバウンド消費動向調査個票データを用い、個人属性(性年代、訪日回数、滞在日数、同行者、旅行手配)と購買・体験費目(買物代、娯楽等サービス)による全体像を把握した上で、潜在クラス分析により訪日中国人旅行者の消費動向の変化を検証する。これにより、異なる特性を持つ旅行者に応じた観光誘致戦略を提示し、日本のインバウンド観光の経済効果向上に資することを目指す。
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片瀬 葉香
p.
253-257
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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2000 年にクルッツェンは、完新世が終わり、新しい地質時代である「人新世」を提唱した。2024 年に正式な地質時代として否定されたが、人新世という時代についての認識を深め、地球温暖化の進行・生物多様性の喪失などの問題に対処し、持続可能な地球の未来に向けた行動を起こさなければならないと主張されている。そこで、本稿では、人新世の本質について検討し、地球システムの視点から人新世を捉え直すことの重要性を指摘した上で、人新世時代におけるツーリズム研究の方向性と課題を提示したい。
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森下 寛大, 日向寺 祥子
p.
258-263
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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2019 年まで、日本の観光産業は継続的な成長を示していた。その結果、国内外からの旅行者数の急増に伴い、過密化や旅行者のマナー低下といったオーバーツーリズムの事例が数多く報告されるようになった。本研究の目的は、オーバーツーリズム問題に対応して実施された観光地政策の有効性を、旅行者および地域住民の双方の視点から評価することである。オンライン上の観光客レビューに対するテキスト解析と、アンケート調査によるデータ分析を用いた。その結果は、持続可能な観光の実践に資する知見を提供するものである。
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―湾岸諸国におけるクリエイティブ産業を事例に―
安田 慎
p.
264-268
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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本研究は、湾岸諸国におけるクリエイティブ産業をめぐる観光政策を事例に、観光政策においてクリエイティブ・エコノミーが果たす役割について論じるものであった。湾岸諸国におけるクリエイティブ産業の発展では、文化芸術をクリエイティブ財に転換することで、地縁・血縁によって閉じていた伝統工芸・芸能をはじめとする地域文化を、グローバルな文化コンテンツとともに観光の現場をはじめとする公共空間に流通させることで、文化芸術のアクセス環境を向上させてきた。その結果、地域文化が多様な空間で消費されていくことで公共性やローカリティが涵養されるとともに、市場価値も高めてきた点を指摘した。
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―2023-2024 年放送の大河ドラマ「どうする家康」と「光る君へ」を事例に―
中村 忠司
p.
269-274
発行日: 2025年
公開日: 2026/06/06
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大河ドラマと自治体の観光事業については、一過性のマス・ツーリズムとして批判の対象にもなってきた。特に放送年だけ観光客数が増え、放送終了後に観光客数が大きく減る持続性のない観光に、なぜ多くの予算を費やすのかという指摘である。本論文では事業が終了した最新の2つの大河ドラマの舞台地に着目し、事業報告書と関係者のヒアリングを中心に分析を行った。その結果、市民や中小規模の事業者に対して観光を担う人材育成につながる事業などソフトインフラの整備が大河ドラマ館を核として行われていることが分かった。
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