日本救急医学会雑誌
Online ISSN : 1883-3772
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1 巻 , 2 号
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  • 村松 俊哉, 加藤 雅彦, 塚原 玲子, 野池 博文, 安川 透, 斎藤 徹, 上嶋 権兵衛
    1990 年 1 巻 2 号 p. 91-97
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞に対する急性期治療の進歩は目覚ましいものがある。しかし,急性期心室性不整脈の発生頻度はいまだ高率で,とくにsecondary VTなどのポンプ失調に伴う不整脈の予後は不良とされている。今回われわれは急性心筋梗塞130例のうち,発症24時間以内にLown分類2以下の心室性不整脈を呈した88例をA群,Lown分類3以上の心室性不整脈を呈した42例をB群とし,その臨床像,予後につき比較検討した。平均年齢はA群64.3歳,B群66.7歳,性別はA群男性69例,女性19例,B群男性26例,女性16例であった。CCU入室中の完全房室ブロック合併はA群9%, B群26.2%,ショック合併はA群10.2%, B群64.3%,入院時Forrester 3以上のポンプ失調合併はA群4.5%, B群19.1%とそれぞれB群はA群に比し有意に高率を示した。入院中のcardiac eventの発生頻度は心不全がA群6.8%, B群30.9%,重度不整脈がA群19.3%, B群52.4%,死亡がA群5.7%, B群57.1%とそれぞれB群はA群に比し有意に高率を示した。入院中死亡のA群5例,B群24例の死因についてはA群で心不全・心破裂が80%を占めるのに比し,B群ではVT・Vfが21%を占めた。また,入院中死亡29例中,入院時Killip 4以上のポンプ失調合併は75.9%と高率であった。一方,A群71例,B群15例の最長3年での長期予後では,cardiac event (AMI, UAP, heart failure, death)の発生頻度に両群間に差異はなかった。Kaplan-Meier法を用いた生存曲線では,退院直前の生存率はA群94.3%, B群42.8%とB群はA群に比し有意に低率であった。しかし,退院後では両群間に差異はなかった。以上より,急性期重度不整脈は急性期死亡と関連があり,そのほとんどはポンプ失調に伴うもので急性期重度不整脈とポンプ失調は相互に悪影響し,予後不良の要因と思われた。
  • 横田 裕行, 中澤 省三, 小林 士郎, 矢嶋 浩三, 黒川 顕, 辺見 弘, 大塚 敏文
    1990 年 1 巻 2 号 p. 98-102
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    臨床的に頭蓋底骨折と診断された19例に対して,受傷3日以内の急性期のMRIを施行し,その意義について考察した。19例の年齢は2~72歳で平均29.2歳であった。使用したMRI装置は日立製作所製MRP-20あるいは東芝製MRT-50Aである。頭蓋底骨折の部位は前頭骨3例,側頭骨14例,蝶型骨2例であった。MRIは直接には頭蓋底骨折を描出できないが,19例中17例にて副鼻腔や側頭骨錘体部内の髄液漏をT2強調像で高吸収域として描出し,間接的診断が可能である。一方,high resolution CTにて頭蓋底骨折が描出された症例はわずかに5例のみであった。また,CTでは髄液漏の部位や経路を検索することは困難であるが,MRIは周囲の骨からのアーチファクトが無視できるので,T2強調画像にて髄液漏を高吸収域として描出することが可能である。MRIは頭蓋底骨折に続発する髄液漏の診断に有用であった。
  • 石田 詔治, 黒田 誠一郎, 吉永 和正
    1990 年 1 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    西宮市消防局,新明和工業と防振ストレッチャーを共同開発し,予備実験,実車搭載走行で振動測定実験を行った。生体は1~14Hzの周波数域で全身振動に暴露されると,各種の生体反応や臓器共振をきたす。したがって,生体の全身振動を軽減するには,この周波数域で車体からストレッチャーへの振動伝播を軽減する必要がある。加振台上での予備振動実験において,ストレッチャーへの振動伝達率は25~50%未満であった。テストローラ上での実車走行実験を時速20, 50, 80kmにおいて,床面とストレッチャー上の振動レベル80%上端値を計測した。ストレッチャー上の頭部,胸部の高さに相当する部位での80%上端値は速度の影響をほとんど受けなかった。床面と比較した80%上端値は頭部で2~18%,胸部で10~37%と,いずれも低値を示した。しかし,胸部の高さでの振動伝播の軽減の程度は,頭部に相当する部分と比較して低値であった。一般道路での実車走行実験は,時速40kmの定時走行で,床面とストレッチャー上のパワー・スペクトル密度(以下PSD)を測定した。1~14Hzの周波数域でストレッチャー上の頭部,胸部に相当する位置で測定されたPSDは,全周波数で床面より低値を示した。すなわち,この防振ストレッチャーは一般道路上の実車走行でも,床面と比較して防振ストレッチャー上の振動が少ないことが実証できた。しかし,胸部の高さでの振動伝播の軽減の程度は,テストローラ上での結果と同様,頭部に相当する部位と比較して低く,まだこの防振ストレッチャーに改良の余地のあることを示唆した。
  • 松村 武男, 木村 敏之, 大坂 芳夫, 大賀 興一, 伏木 信次
    1990 年 1 巻 2 号 p. 110-113
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    We encountered a 15-year-old male with grade-III bilateral simultaneous spontaneous pneumothorax (pulmonary collapse rate: 65% in the right lung and 80% in the left lung) accompanied by retention of pleural effusion in the left pulmonary cavity (approximately 1, 200ml), who developed transient cardiac arrest.
    The patient was 166cm in height and 45kg in weight. Slight deformation was observed in the thorax, and impetigo was present on both shoulders and back. Laboratory tests revealed an increased leukocytecount, increased GOT, OPT, ALP, LDH, γ-GTP, LAP, and CPK, decreased ChE, strongly-positive CRP, markedly increased IgE, strongly-positive HBs antigen level, positive HBe antigen, and slightly-increased mycoplasma antibody titer.
    Primary cause of the bilateral simultaneous pneumothorax was simultaneous destruction of bilateral bullae. The bilateral simultaneous spontaneous pneumothorax resulting from rupture of bilateral lung abscesses due to Staphylococcus as the causative microorganism in a young patient with no cardiopulmonary complications, was considered to be an indication for one-stage bilateral simultaneous surgery. The patient was successfully treated by partial pulmonary resection including abscesses, by longitudinal sternotomy.
  • 松本 幸夫, 川前 金幸, 田勢 長一郎, 藤井 真行, 奥秋 晟
    1990 年 1 巻 2 号 p. 114-117
    発行日: 1990/10/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    Diquat is a bipyridilium compound, of which the toxicity is lower than that of paraquat. A case of diquat intoxication complicated by acute renal failure, consciousness disturbance and tetraplegia is reported.
    Case: A 49-year-old female ingested approximately 50ml of 30% diquat, and was admitted to the ICU in our hospital. Gastric and intestinal lavage, direct hemoperfusion and forced diuresis were commenced, but the condition progressed to acute renal failure, respiratory failure, consciousness disturbance and tetraplegia. Hemodialysis was necessary up until the 111th hospital day. We could not extubate for 99 days because of pulmonary edema and pneumonia. Although the patient recovered from consciousness disturbance 80 days later, tetraplegia remained.
    In this case the cause of consciousness disturbance and tetraplegia was thought to be necrosis of the capillary walls and perivascular hemorrhage in the central nervous system.
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