日本救急医学会雑誌
Online ISSN : 1883-3772
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10 巻 , 12 号
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  • 澤野 誠
    1999 年 10 巻 12 号 p. 707-716
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    目的:著者は以前,外傷性小腸破裂症例のうち受傷から手術まで6時間を超える群(Late群)では,6時間以下の群(Early群)と比較して利尿期への移行が遅れることを報告した(日救急医会誌1997; 8: 145-60)。その機序を抗利尿ホルモン(ADH)およびIL-1β, IL,-6の関与の観点から明らかにすることを目的とした。対象:都立墨東病院救命救急センターに入院した外傷性小腸破裂症例15例について1時間ごとの水分バランスおよびADHの術後変動を,9例についてIL-1βおよびIL-6の術後変動を測定した。結果:(1) ADHは術直後より指数関数曲線に沿って低下し,半減期にはLate群とEarly群との間の有意差はなかった。(2)手術から利尿期までの時間(Td)と手術からADHが基準範囲に低下するまでの時間(TADH)との間の回帰式は,Td=0.982TADH+0.094(r=0.972)と,TADHとTdとはほぼ一致した。(3)術直後のADHは,Early群30.0±19.8, Late群96.3±30.8pg/mlとLate群において有意に高値であった。(4)術直後のIL-1βは,Early群18.2±5.81, Late群16.3±7.77pg/mlと,有意差はなかった。(5)術直後のIL-6は,Early群では198±127, Late群2,710±1,200pg/mlと,Late群において有意に高値であった。考察:外傷性小腸破裂症例において利尿期へ移行する時期は,ADHが基準範囲まで低下する時期に一致すると考えられた。Late群では長時間持続する腹膜炎刺激により手術時のIL-6の血中濃度が上昇する。その結果,術直後のADHの血中濃度が高値となり,それが基準範囲に低下するまで長時間を要するため,利尿期への移行が遅れると説明される。
  • 根本 学, 佐藤 陽二, 後藤 英昭, 澤田 祐介, 行岡 哲男, 松田 博青, 島崎 修次
    1999 年 10 巻 12 号 p. 717-724
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    乗車用安全帽(以下ヘルメット)の着用が頭部保護に関し,効果の高いことは周知のごとくである。一方,臨床の場ではヘルメットを着用していたにもかかわらず,頭部・顔面外傷にて救急医療施設に搬送される患者は少なくない。ヘルメットは日本工業規格(以下JIS規格)により3種類(A種,B種,C種)に分類されており,一般使用者の多くはA種もしくはC種を着用している。臨床検討として,過去2年間に経験した着用ヘルメットが判明している二輪車事故患者157例を対象とし,頭部・顔面外傷の有無とその損傷部位,および着用ヘルメットにつき検討した。実験的研究として,同一条件下で市販されているJIS規格AおよびC種ヘルメットの衝撃吸収試験を行った。統計学的検討はχ2検定およびt検定を用いて行い,危険率5%未満を有意とした。また,実験における測定値は,平均値±標準偏差で表示した。臨床例では157例中,A種着用群は56例,C種着用群は101例であった。頭部・顔面外傷の頻度はA種着用群60.7%であり,C種着用群25.7%に対し有意(p<0.001)に多かった。衝撃吸収試験ではA種よりC種が有意差(p<0.001)をもってすぐれた衝撃吸収能を示した。とくに376cmからの落下実験では,A種で脳に損傷を与えるとされている衝撃加速度400Gを超える値が測定された。JIS規格では125cc以下の排気量に対し,A種ヘルメットの着用を許可しているが,今回の検討でA種ヘルメットの危険性が判明した。ヘルメットの生産・販売にあたり,消費者に保護性能を明確に伝え,消費者自身がヘルメットの機能を認識することが大切であり,今後,現状に見合ったJIS規格の再検討が必要と考える。
  • 鈴木 一郎, 稲葉 英夫, 村越 智, 中永 士師明, 和田 博, 遠田 耕平, 吉岡 尚文
    1999 年 10 巻 12 号 p. 725-729
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    A 49-year-old woman was found submerged in the bathtub at home. Closed chest compression was performed first by her husband for approximately 10 minutes, and then by ambulance personnel for 37 minutes. She was transported to our hospital's emergency room while cardiopulmonary resuscitation was continued. She received external chest compression for 19 minutes and then open-chest direct cardiac massage for 45 minutes. Major autopsy findings were hemorrhage (approximately 400ml) in the pericardial sac and a large longitudinal 3.5cm laceration of the right ventricle. Histopathological examination of the right ventricle revealed marked fatty infiltrations, which had partially replaced the major cardiac muscle layer. Some of cardiac muscle bundles in the right ventricle were disarrayed with fibrosis and fat. Infiltrations of fat were also seen in the left ventricular wall and septum near the conducting system. These autopsy findings suggest that the major cause of death in this case might have been a lethal arrhythmia due to arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy (ARVC), and that the ruptured right ventricular wall and cardiac tamponade were complications of the vigorous resuscitative efforts. In conclusion, the softened myocardium with massive fatty infiltration in ARVC may be susceptible to CPR-related injuries.
  • 清水 彰一郎, 田中 秀治, 行岡 哲男, 島崎 修次, 秋元 義弘, 平野 寛, 福田 稔
    1999 年 10 巻 12 号 p. 730-731
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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