日本救急医学会雑誌
Online ISSN : 1883-3772
Print ISSN : 0915-924X
ISSN-L : 0915-924X
10 巻 , 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 平岩 幸一
    1999 年 10 巻 2 号 p. 67-80
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    救急医学が扱う患者の多くは常に保険が関係していると言っても過言ではない。傷害保険では急激・偶然・外来性の事故による傷害が原因で後遺障害・死亡などの結果が生じることが必要であり,その因果関係は蓋然性が認められればそれで足りる。現在の法的因果関係としては,伝統的相当因果関係説を基礎に,被害者救済を旨とした割合的因果関係による判断が定着しつつある。そのため交通事故後の後遺障害者の自殺でも,事故と自殺との因果関係が割合的に一部認められている。また,脳動脈瘤の破裂による死亡は労務の過重負荷によるとした労災認定の判例もある。一方,医学的因果関係の判断にも課題がある。外傷患者の合併症,特に合併症として頻度の高い肺動脈血栓塞栓症や,頻度は低いものの脳血管障害による外傷性脳血管閉塞,脳動脈瘤あるいは硬膜動静脈瘻は,高齢者では病的心筋梗塞や脳梗塞と誤診されやすい。外傷が原因とされる後遺障害・死亡が,病的原因によると誤診されれば,本来保険で保護されるべき被害者・遺族は二重苦を負うことになる。本稿では法的・医学的因果関係の問題を賠償科学の観点から考察した。救急医学も因果関係の問題について関心を抱くべきである。
  • 森田 大, 西原 功, 大野 正博, 福本 仁志, 冨士原 彰
    1999 年 10 巻 2 号 p. 81-90
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    病院到着前に心停止となった急性心筋梗塞(AMI)症例の臨床的特徴を,蘇生に成功した症例をもとに検討した。対象と方法:1985年11月から1996年8月までの10年9ヵ月に搬入され,蘇生に成功した内因性院外心肺停止(OHCPA)症例257例のうち,AMIと確診した47例(18.3%-CPA群)を対象とし,同期間に発症24時間以内の生存入院したAMI651例(nonCPA群)と比較した。結果:CPA群のAMI発症はnonCPA群と同様の日内変動を示し,時刻は午前10時から12時と午後8時から12時に多かった。CPA群の72%の症例が,自宅で心停止を起こしていた。71%の症例はAMI発症から1時間以内に,残る29%は1時間以上経過し搬入された。搬入時自己心拍の再開はなく,心室細動が19例(40%),電導収縮解離が10例(21%),心静止が18例(38%)にみられた。CPA群はnonCPA群に比べ急性前壁中隔梗塞の発症が多く(72% vs 53%, p=0.016),心筋梗塞の既往をもち(32% vs 12%, p=0.0002),梗塞前狭心症を有していた(57% vs 29%, p=0.0003)。64%が虚血性心疾患により医師の管理下にあった。喫煙者は40%でnonCPA群の59%より少なかった(p=0.01)。来院時胸部X線写真で,CPA群に肺うっ血像を示す症例が多かった(17% vs 6.5%, p=0.015)。13例の冠動脈造影では全例に責任冠動脈の近位部に閉塞が認められ,剖検の2例と他院での冠動脈検査5例の計20例から,50%が多枝病変,25%が左主幹部病変であった。bystander CPR施行6例中4例(66%)が,bystander CPR非施行41例中3例(7%)が社会復帰した(p=0.006)。心室細動が質の問わない生存と相関があった(60% vs 26%, p=0.049)。結論:AMI後に急性心停止する危険性が高いのは,心筋梗塞症の既往と梗塞前狭心症があり,冠動脈に多枝病変あるいは左主幹部病変が認められ,急性の前壁中隔梗塞を発症した症例と考えられた。急性心停止の病態として,17%の症例にポンプ失調の関与が示唆された。bystander CPRの施行と心室細動は良好な転帰につながる可能性が高いと考えられた。
  • 射場 敏明, 永仮 邦彦, 小野寺 謙吾, 木所 昭夫, 大野 陽一, 金城 義明, 鮫島 忠久
    1999 年 10 巻 2 号 p. 91-97
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    重症敗血症に対して行われるアンチトロンビンIII投与には,凝固機能抑制以外にも血管内皮機能調節やサイトカイン産生調節などが期待されている。今回われわれは,エンドトキシン投与ラットを用いてアンチトロンビンIII大量投与がサイトカイン産生に及ぼす影響を検証した。対象と方法:Wistar系ラットに中心静脈カテーテルを挿入してアンチトロンビンIII 250U/kgもしくは500U/kgをone-shotで静脈内に投与し,その30分後よりエンドトキシン5.0mg/kgを3時間かけて静脈内に持続投与した。そしてエンドトキシン投与終了6時間後に採血を行って血液生化学検査を行い,また投与終了後0hr, 3hr, 6hrの各時間における血中TNFα, IL-4, CINCレベルの測定を行った。結果と考察:AT-III 250, 500U/kgの投与により,AT-III活性はそれぞれ120%および170%程度を維持することが可能であった。そしていわゆるsupranormal levelに達したAT-III 500U/kg投与群においては血小板数の減少や,フィブリノーゲンの減少が有意に抑制された(各々p<0.05)。また臓器障害の指標としたASTやALTの上昇はAT-IIIの補充により有意に抑制された(各々p<0.05)。これに対し,炎症性サイトカインの代表であるTNFαは,0hrにおいてAT-III 500U/kg投与群がコントロール群の1/2以下の値を示したものの,500U/kg, 250U/kg投与群,コントロール群の間で有意差はみられなかった。また,抑制性サイトカインであるIL-4やchemotacticな作用をもつCINCに関しても,いずれの時間帯においても3群間における有意差はみられなかった。以上の結果から,少なくとも今回のモデルにおいてAT-III大量投与による臓器保護効果はサイトカイン産生調節によるものではなく,凝固機能抑制や抗トロンビン作用による血管内皮保護によって得られるものと推測された。
  • 岩本 英久, 関 洲二, 妹尾 薫, 赤木 耕平, 板野 恒之
    1999 年 10 巻 2 号 p. 98-103
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    肝破壊応力(肝を損傷する最小外力)を測定し,自動車正面衝突事故で前列左側座席(助手席)のシートベルト(ベルト)が同席搭乗者の肝を損傷する場合を考察した。まず,肝と体壁の接触面で肝自重と減速度によって生じる内部力と肝破壊応力から損傷が生じる減速度(危険減速度)と衝突速度(危険衝突速度)を試算した。なお,減速度とは負の加速度である。また,ベルトから体壁を介して伝わる直達外力を受ける際に,体壁が外力を吸収する効果(体壁緩衝効果)を推定した。肝破壊応力は,径5mmの計測円柱がブタの肝に嵌入し始めるときの力(応力)とし,臓器側腹膜の有無により漿膜群と無漿膜群に分けてレオメータで測定した。肝と体壁との接触面積(肝・体壁接触面積)は,接触面左端から角度45度(45°面)までを成人腹部CT断層像で計測した。直達外力は体重と減速度による力をベルトと体表面との接触面積で除して算出し,体壁緩衝効果は直達外力から肝破壊応力を減じて推定した。肝破壊応力は,漿膜群で4.7±0.3kgf/cm2であり,無漿膜群で3.5±0.2kgf/cm2であった。45°面で内部力が働き肝損傷が生じると予測される危険減速度は59±11重力(g)であり,危険衝突速度は84-100km/hであった。体壁緩衝効果は25-32kgf/cm2であった。
  • 間藤 卓, 紙尾 均, 大森 正規, 若林 寿雄, 大村 昌男, 堤 晴彦
    1999 年 10 巻 2 号 p. 104-105
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 櫻井 勝, 田中 秀治, 松田 博青, 島崎 修次
    1999 年 10 巻 2 号 p. 106-107
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 10 巻 2 号 p. 108-109
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 10 巻 2 号 p. 113-114
    発行日: 1999/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top