日本救急医学会雑誌
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4 巻 , 6 号
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  • 瀧 健治, 平原 健司, 十時 忠秀, 遠藤 重厚, 谷口 繁, 星 秀逸
    1993 年 4 巻 6 号 p. 589-595
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    目的:353例のDOA症例(疾病群222例,外因群131例)を搬入時の心電図から心停止過程にあわせてN型(心停止直前の正常QRSのもの),I型(心室細動のもの),II型(wide QRSのもの),IIIa型(心静止のもの)およびIIIb型(死後変化を伴っているもの)の5型に分類し,各段階におけるDOAの蘇生率やその予後などについて検討してみた。結果:これらのDOAのうち疾病群と外因群のいずれでもIIIa型がもっとも多かった。それに対し,心拍が停止しつつあるN型からII型のDOAは少なかった。全DOA例の蘇生率は20%であったが,疾病群の各型の蘇生率ではN型とI型で50%以上と高くなっていた。一方,外因群ではN型で33%ともっとも高かった。それらの蘇生例の予後をみると,疾病群で蘇生率の高いN型がもっともよく,つぎにI型であったが,外因群では蘇生率の高いN型で予後が悪かった。発見から救急部に搬入までの全DOAの平均時間は32.3分であり,これらのDOA症例を5型に分類したときの疾病群ではII型で16.1分ともっとも短く,IIIa型で29.2分と有意に長かった。また,蘇生例や予後のよい症例で搬入時間が短い傾向が認められていた。外因群ではI型で26.5分ともっとも短かった。心停止はいずれの型でも就眠安静時と運動時に循環器系疾患の原因で発生した例が多く,外因群では交通事故の原因がもっとも多かった。結論:DOAを心電図から分類して解析すると,安静時と運動時に心疾患および交通事故で発生するIIIa型のDOAがもっとも多く,救命率向上にはIIIa型に対する対策が問題であるとされ,搬入までの時間を短縮するために,by-standerや救急隊のよりいっそうのCPR教育の充実と普及が望まれた。また,外因群ではとくに現場で輸液などの積極的な救急処置が必要と推察された。
  • 西田 昌道, 稲川 博司, 松田 兼一, 国府田 博之, 俣野 一郎, 渡辺 晃
    1993 年 4 巻 6 号 p. 596-604
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    1978年から1990年までの13年間に国立水戸病院救命救急センターでは50例の膵外傷手術例を経験した。主膵管損傷の有無と十二指腸損傷合併の有無によりI, II, III型に大別し,さらにII, III型を膵周囲主要血管損傷の有無よりそれぞれII a, II bおよびIII a, III bと2つに分けるという損傷形態分類を試みた。この分類は簡便で,形態別に手術術式とおよそ対応した。つまり,I型には膵縫合・ドレナージ,II型には膵体尾部切除,III型には膵体尾部切除,膵切離膵空腸吻合などの膵の処置に,十二指腸損傷の処置を加えればよいということである。また,この分類は死亡率からみた予後もよく反映した。手術術式は,膵縫合・ドレナージを30例(60%)に,膵切除術のなかでは膵体尾部切除を11例(22%)に,膵頭十二指腸切除を1例(2%)に,またRouxen-Yにて膵空腸吻合(Letton-Wilson法),十二指腸空腸吻合を合わせて7例(14%)に行った。膵外傷の治療は,その機能の保全より安全をより重視する基本方針をとっており,膵体尾部切除を11例(22%)と多用する傾向がみられた。膵損傷の際,膵切除量80%以下の体尾部切除に伴う糖尿病は11例中1例(9%)のみで,また消化吸収障害は1例もなかった。また,膵体尾部切除後の合併症発生頻度(36%)も縫合・ドレナージ術後の頻度(38%)と同程度であった。膵体尾部切除は簡便で手術時間が短縮でき,安全であり膵機能の面からも問題は少なく,膵断裂・挫傷例に基本術式とできると考えられた。全体として死亡率は16%,術後合併症率は42%であった。死亡例(8例)の検討では,その原因は膵周囲主要血管からの出血と術後のMOFであった。予後の改善のためには,損傷形態に基づいた適切な術式を選択することにより術後合併症の減少と受傷早期に膵周囲主要血管からの出血をコントロールすることが必要である。
  • 村松 俊裕, 元山 猛, 許 俊鋭, 宮本 直政, 今福 博司, 尾本 良三, 土肥 豊
    1993 年 4 巻 6 号 p. 605-610
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    目的:心不全症例に対する,左房-大腿動脈バイパス(以下AABと略す)による経皮的左心補助の有用性を検討すること。方法:心筋梗塞に続発した心停止(3例)と心原性ショック(2例)の5症例に対して,独自に開発した経皮的に挿入可能な左房脱血カニューレを用いたAABを試み,その有用性を右房-大腿動脈バイパス(以下VABと略す)と比較した。結果:心停止3例に対して,最初VAB補助を施行した左心不全の克服が困難なため,平均16時間後に2例でAABの移行に成功し,1例を96時間の心肺補助の後救命できた。移行不成功の1例は,29時間のVAB補助を施行したが死亡した。また,1ヵ月のintra-aortic balloon pumping(以下IABPと略す)依存状態の心原性ショックで肺水腫に陥った症例では,最初からAABを施行して3日間の補助で左心不全を克服して手術治療に移行できた。VABでは中等度の出血傾向は避け得なかったが,AABに移行することで出血傾向を克服できた。結語:心停止に対する迅速な対応はVABが優れていたが,長期の左心不全に対する補助としては不十分で,VABのみで早期の回復が期待できない症例に対しては速やかにAABに移行することが望ましい。
  • 木下 順弘, William W. Monafo
    1993 年 4 巻 6 号 p. 611-618
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    ラットを用い,虚血時および再還流時の坐骨・脛骨神経の血流変化と後肢運動機能について検討した。腎動脈より末梢の腹部大動脈遮断では,遮断時の坐骨・脛骨神経の血流量は半減するものの,後肢の機能障害はないか軽度で,2時間の阻血後,血流再開により機能は完全回復した。再還流中の神経血流は坐骨神経の遠位部と脛骨神経で,正常より増加していた。一側の総腸骨動脈と大腿動脈の同時遮断では,後肢の重篤な機能障害を来した。同部位で3時間血行遮断した後再還流した群では,血流再開1時間後の後肢機能は部分的に回復した。阻血中の脛骨神経血流量は,4匹中3匹で動脈結紮中3ml/min/100g以下と著しい減少を来し,再還流後は平均29.4ml/min/100gと正常の約2倍にまで増加した。阻血中の血流がもっとも減少した脛骨神経で再還流時の血流増加がもっとも多かった。一方,坐骨神経近位部では阻血中の血流の減少,再還流中の血流増加ともに変化が軽度であった。虚血後再還流中に末梢神経の血流増加がみられたとの報告はこれまでになく,きわめて重要な知見と考えられる。今後,血流遮断後の神経障害を論ずるには,本研究のように虚血中と再還流時の神経血流を定量し,血流変化を証明したうえで,運動機能や神経伝達速度などの臨床的指標との関係を検討していく必要がある。
  • 萩原 章嘉
    1993 年 4 巻 6 号 p. 619-630
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は鈍的肝損傷急性期の肝実質超音波所見を分析し,これが治療方針決定の指針として利用され得るか否かを評価検討したものである。受傷2時間以内に腹部超音波検査を施行し得た肝損傷63例を対象とした。全例,肝損傷の診断は,腹部CTまたは開腹手術にてなされた。超音波検査による肝損傷の診断率は71%であった。false negativeは18例であり,日本外傷研究会肝損傷分類(以下,外傷研究会分類と略す)のIa型2例,Ib型5例,II型11例であったが,これらは肝損傷に対する処置を必要としなかった。肝実質の超音波所見より,(1)高エコー型23例,(2)混在型11例,(3)低エコー限性型6例,(4)低エコー亀裂型5例,以上の4typeに分類できた。低エコー限局型,高エコー型,混在型,低エコー亀裂型と,順次外傷研究会分類III型が占める割合が高くなり,受傷後24時間以内の輸血量も多く,より損傷形態は重篤であった。開腹手術は高エコー型3例,混在型6例,低エコー亀裂型3例に施行された。高エコー型の手術例は全例,肝に対しての止血操作を必要としなかった。混在型は縫合止血および部分切除をそれぞれ3例に必要とした。低エコー亀裂型は部分切除術2例,右葉切除術1例であり,これらは肝後面下大静脈損傷を合併していた。各型で肝臓に手術操作を要した症例頻度は,混在型(54.5%)と低エコー亀裂型(60%)に有意差はなかったが,他の2型と比較して有意に高かった(x2検定,危険率1%以下)。低エコー限局型,高エコー型は肝損傷に対して保存的治療が可能であり,混在型は肝に対する止血操作を必要とされると考えられる。さらに低エコー亀裂型は肝後面下大静脈損傷の可能性が高く,この型を示す肝損傷で循環動態が不安定な症例は,緊急開腹手術の適応と考えられる。以上より受傷直後の肝損傷超音波所見分類は,肝損傷急性期の治療方針を決定するうえで,きわめて有用な情報を与える。
  • 仁科 雅良, 藤井 千穂, 荻野 隆光, 小濱 啓次
    1993 年 4 巻 6 号 p. 631-637
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    Appropriate surgical management, selected from various options, is still controversial as the number of accumulated cases of bile duct injury due to blunt abdominal trauma is small. Furthermore, is seems that no single surgical intervention can be justified as the best management for delayed stricture of the common bile duct (CBD). This report describes an illustrative case of blunt trauma leading to delayed stricture of the CBD after immediate celiotomy for liver trauma and minor CBD injury at the intra-pancreatic portion, treated by left lateral segmentectomy and cholecystostomy. An initial postoperative cholangiogram through the cholecystostomy revealed no leakage and good passage of bile into the duodenum. However, follow-up cholangiography demonstrated stricture of the CBD and subsequent complete obstruction on the 31st postoperative day. In this case, the patient was managed conservatively with external bile drainage through the cholecystostomy. Spontaneous reopening of the CBD was evident by the 94th postoperative day. A review of 36 cases of blunt bile duct injury reported in the Japanese literature and our case suggested the possibility that conservative management for delayed stricture of the CBD may result in spontaneous reopening, especially when the stricture developed within 1 month after blunt trauma.
  • 田村 律, 井関 和成, 丸山 貴生, 新井 武志, 川本 俊治, 吉野 孝司, 石川 勝憲
    1993 年 4 巻 6 号 p. 638-642
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    A 69-year-old man who had been taking glycyrrhizin for chronic hepatitis had been suffering from watery diarrhea for several weeks. After retrograde urethrography for dysuria, he developed shock and was transferred to our hospital. His blood pressure was 72/44 mmHg and his ECG showed atrial fibrillation, ventricular extrasystoles and non-sustained and then sustained polymorphic ventricular tachycardia(torsade de pointes: TdP). Electrical cardioversion restored sinus rhythm, and the QTc interval was prolonged to 0.62 with a change in T and U waves (slow wave). The serum potassium level was 2.9mEq/l and the serum free calcium level was 0.7mEq/l, but other electrolyte levels were normal. He was diagnosed with TdP occurring in hypopotassemia-induced QT prolongation. He was treated with KCl, dobutamine and dopamine. The TdP attack was diminished within a few days, but the QTc interval returned to 0.42 0n the 20th day. He had no organic heart disease. TdP occurred in the manner of the pause-dependent type, and was accompanied with the prolongation of QTc interval and the fusion of T and U waves. This QT prolongation was produced by hypopotassemia induced by glycyrrhizin-related pseudoaldosteronism and probably hypomagnesemia accompanied by chronic diarrhea. This is the first case, to our knowledge, in which TdP occurred after retrograde urethrography.
  • 秋山 久尚, 増田 卓, 黒澤 利郎, 柏谷 義宏, 土屋 直隆, 大和田 隆
    1993 年 4 巻 6 号 p. 643-647
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    We report the case of a 17-year-old young woman who developed acute myocardial infarction with myocardial contusion following a blunt chest trauma sustained in a motorcycle accident. The chest roentgenogram on admission was normal. Electrocardiogram showed complete right bundle branch block and pathologic Q waves with ST elevation in leads I, aVL and V1 to V5. Two-dimensional echocardiogram revealed akinesis of the anterior wall and hypokinesis of the posterior wall of the left ventricle, consistent with extensive anterior myocardial infarction with myocardial contusion of the posterior wall. Coronary angiography revealed an abrupt, severe stenosis with delayed antegrade filling in the proximal left anterior descending artery, suggesting an intimal flap in the vessel wall. Technetium-99m pyrophosphate myocardial scintigraphy demonstrated diffuse tracer uptake in the left ventricular wall. Follow-up coronary angiography performed one year after the accident showed only minor stenosis without any filling defects of contrast medium at the site of the initial lesion. In this report, we discuss the spontaneous resolution of coronary artery dissection due to a blunt chest trauma together with its management and treatment.
  • 矢野 秀樹, 山下 秀一, 光岡 正純, 白石 恒明, 坂本 照夫, 加来 信雄, 大泉 耕太郎
    1993 年 4 巻 6 号 p. 648-652
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    Flumazenil, a potent benzodiazepine antagonist, was administered to a patient who showed prolonged coma after sedation with diazepam. In this study, flumazenil was considered to be useful for differentiating sedation from anoxic encephalopathy. We recommend the use of flumazenil in evaluating the cause of prolonged coma in patients in the Intensive Care Unit who were sedated with benzodiazepine to control conditions such an status asthmaticus or brain injury.
  • 1993 年 4 巻 6 号 p. 665-668
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 4 巻 6 号 p. 669
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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