日本救急医学会雑誌
Online ISSN : 1883-3772
Print ISSN : 0915-924X
ISSN-L : 0915-924X
7 巻 , 7 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 木下 学, 望月 英隆, 小野 聡, 青笹 季文, 玉熊 正悦
    1996 年 7 巻 7 号 p. 325-334
    発行日: 1996/07/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    好中球が産生するO2-と好中球エラスターゼ(polymorphonuclear neutrophil elastase; PMN-E)についてin vivoでの急性肺障害(acute lung injury; ALI)発生機序における両者の関連について検討した。ラットにendotoxin (Et) [0.5mg/kg bolus], platelet activating factor (PAF) [5μg/kg/hr 4hr DIV]を投与し実験的ALIを作成,これにsuperoxide dismutase (SOD) [25,000Unit/kg/hr 4hr DIV], catalase (3.3mg/kg/hr 4hr DIV)投与をO2-阻害群(n=11), PMN-Eの特異的阻害剤ONO5046 (5mg/kg/hr 4hr DIV)投与をPMN-E阻害群(n=7),生食投与をALI対照群(n=10)とした。肺でのO2-産生をMCLA依存性化学発光の相対発光強度(relative lumi-nous intensity; RI)で表すと,O2-阻害群ではRIの上昇がALI対照群に比し抑制されたが(p<0.05), PMN-E阻害群では実験開始3時間後まではALI対照群と同様の上昇を示し,その後横ばいとなった。4時間後のRIはALI対照群(1.47±0.43)に比しO2-阻害群(1.06±0.08)は有意に低く(p<0.05), PMN-E阻害群(1.28±0.22)は両群の中間に位置した。肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid; BALF)中elastase活性ではALI対照群(97.5±138.0U/ml)に比しO2-阻害群(検出域以下),PMN-E阻害群(5.1±13.5U/ml)共に有意に抑制された(共にp<0.05)。またBALF中蛋白濃度や肺での組織学的な含気率,うっ血水腫などのALI所見ではO2-阻害群,PMN-E阻害群共に明らかな改善を認めた。肺での好中球集積については肺組織中myeloperoxidase活性,組織学的な好中球集積共にO2-阻害群でALI対照群のみならずPMN-E阻害群に比しても明らかに抑制されていたが,PMN-E阻害群ではALI対照群と明らかな差はなかった。以上,EtとPAFの投与により作成したラットALIモデルにおいて,O2-を阻害することにより肺でのO2-産生とBALF中elastase活性を抑制し得た。一方,PMN-Eを阻害することでBALF中elastase活性は抑制し得たが,肺でのO2-産生は抑制し得なかった。これより好中球の肺組織傷害に関してPMN-Eは直接的に,O2-はPMN-Eを介して間接的に働く機序が示唆された。またPMN-E阻害剤の肺障害抑制作用は好中球の肺への集積抑制を介さないことが示唆された。
  • 川端 洋一, 佐藤 真也, 仲村 広毅, 奥野 孝, 福田 充宏, 小濱 啓次
    1996 年 7 巻 7 号 p. 335-344
    発行日: 1996/07/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    雑種成犬14頭を使用し,aortic occlusion balloon catheter法(AOB法)を用いて10分間の全脳虚血(total cerebral ischemia)を作成した。血流再開後にNaCl (2mEq/kg=control群7頭)およびNaHCO3 (2mEq/kg=SBC群7頭)を投与し,脳神経機能(脳神経反射,呼吸,四肢の運動,行動機能など)の回復および脳組織に及ぼす影響について検討し,以下の結果を得た。(1)動脈血pHは,control群では血流再開240分後においても血流停止前値まで回復しなかったが,sodium bicarbonate群(SBC群)では,血流再開3分後に前値に回復した。(2) PaCO2は,control群では血流再開後徐々に低下した。SBC群ではNaHCO3投与によりさらに上昇したが,血流再開20分後に前値に回復した。(3)脳神経機能は,瞳孔,呼吸,角膜反射,四肢の運動,行動機能の順に回復したが,SBC群ではcontrol群に比べ早期に回復した。(4)形態学的変化としては,虚血後5日目でcontrol群は,SBC群に比べて海馬CAl細胞の胞体の萎縮および核の濃染,ミクログリアの増生が著明であった。(5)画像解析では,虚血後24時間で正常細胞残存率,胞体面積の平均値で両群間に有意差を認めなかったが,虚血後5日目には,SBC群がcontrol群に比べて有意に正常細胞残存率が高く,胞体面積の平均値も高かった。以上のことよりNaHCO3の投与は全脳虚血血流再開後にみられる代謝性アシドーシスを早期に改善し,結果として虚血によるエネルギー代謝障害を早期に改善させ,脳機能の回復を早めたと考えられた。また,NaHCO3投与により海馬CAl細胞の虚血性変化が軽減されたことは,NaHCO3の投与が血流再開後の再灌流障害に対して有効に作用したのではないかと思われた。
  • 堺 正仁, 樗木 等, 土井 一義, 舛元 章浩, 赤塚 裕, 林田 潔, 成田 安志
    1996 年 7 巻 7 号 p. 345-351
    発行日: 1996/07/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    経皮的心肺補助装置(PCPS)の適応は現在各施設でまちまちで,明確な適応指針は示されていない。われわれは経験した33例の症例をもとに本法の適応,限界,問題点をPCPS使用別に,(1)急性循環不全群,(2)急性呼吸循環不全群,(3) DOA群,(4)開心術後心不全群,(5) PTCA中の補助循環として用いる場合の,いわゆるsopported PTCA群に分類し,比較検討することでPCPSの適応指針とすることを試みた。急性循環不全群は10例あり急性心筋梗塞後心破裂,難治性不整脈など心筋梗塞例での使用が多くみられた。PCPS離脱率は80%,救命率は40%であった。急性呼吸循環不全群は7例で,急性肺塞栓症での使用が4例みられた。離脱率は71.4%,救命率は57.1%であった。DOA (CPA)症例では5例に用いた。1例のみ離脱可能であったが,救命例はなかった。開心術後使用群は10例で離脱率は70%,救命率は60%であった。PCPSに伴う合併症,トラブルは大腿動脈送血に起因する下肢阻血が6例(18.1%)と最も多かった。PCPSは急性心筋梗塞に起因する心破裂や難治性不整脈などの急性循環不全例や,急性肺塞栓症,喘息重責発作などの急性呼吸不全に対しては心,肺,脳蘇生の補助循環装置として有用で,開心術後の急性心不全には心補助として効果がみられた。
  • 三浦 裕次, 政岡 陽文, 里村 吉威, 飯田 博行, 青木 周一, 三輪 淳夫, 廣瀬 昭一郎
    1996 年 7 巻 7 号 p. 352-356
    発行日: 1996/07/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    A 45-year-old woman was referred to us with complaint of sudden onset of continuous epigastralgia. She was alert and her blood pressure and pulse rate were in the normal range. Her symptom improved with rest. However, 2 hours later she died of hemorrhagic shock with elevation of abdominal pressure at the toilet. An autopsy revealed a rupture of splenic aneurysm-induced hemoperitoneum. The aneurysm, which was 25mm in diameter, was located in the hilum lienis. The ruptured arterial wall showed thinning of the tunica media, with disappearance of smooth muscle cells and elastic fibers.
  • 赤堀 通哉, 切通 雅也, 箱田 滋, 山上 和寿, 武山 直志, 田中 孝也
    1996 年 7 巻 7 号 p. 357-358
    発行日: 1996/07/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 7 巻 7 号 p. 364
    発行日: 1996/07/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top