日本救急医学会雑誌
Online ISSN : 1883-3772
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8 巻 , 3 号
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  • Anthony T. Tu
    1997 年 8 巻 3 号 p. 91-102
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    化学兵器は第一次世界大戦中に誕生し盛んに使われたが,その後大規模にはあまり使われなかった。しかし最近その有用性が再認識され,この古い兵器が再び脚光を浴びるようになった。化学兵器は原料もたやすく手に入り,製造も簡単なため,貧乏国の核爆弾といわれる。オウム真理教のサリンテロ行為で,化学兵器は戦場のみならず,これからは公衆に対してテロリズムに使われる可能性がますます強くなった。本文は化学兵器の生体に対する毒作用と治療が目的であるが,限られた誌面ですべての化学兵器について述べることは不可能なので,神経ガスに重点を置き,他のガスの作用は比較的簡略に述べた。多くの種類の化学兵器があるが,実際に兵器として採用されている数は比較的少ない。アメリカ軍を例にとっても実際に化学兵器として採用され,貯蔵されているのはサリン,タブン,VX,マスタードガス,ルイサイトの5種類のみである。神経ガスは神経伝達に必要なアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害する。それに対する薬はいろいろあるが,どの薬もすべての神経ガスに一様に効くわけではない。薬の効果は神経ガスによって異なる。オキシム系の薬(例えばPAM)とアトロピンとの併用は,単独で使うより治療効果が大とみなされている。ジアゼパムは痙攣を防ぐのに効果があり,三者併用はさらによいといわれている。他の毒ガス,例えばマスタードガス,ホスゲン等には特効薬はなく,対症治療が主な方法である。既存の毒ガスのみならず,新しい型の毒ガスにも注意し,その治療法についても検討すべきである。
  • 射場 敏明, 八木 義弘, 木所 昭夫, 塚田 稔, 近藤 隆雄, 丸山 智之
    1997 年 8 巻 3 号 p. 103-110
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    エンドトキシン投与経路の違いによる凝固機能異常の差を調べる目的で,ラットに2.0, 5.0, 10.0mg/kgの各用量のlipopolysaccharide (LPS)を気管内注入(intratracheal; i.t.),腹腔内投与(intraperitoneal; i.p.),静脈内単回投与(bolus intravenous; b.i.),あるいは静脈内持続投与(continuous intravenous; c.i.)を行い,それぞれの群で凝固機能変化および臓器障害の程度を比較検討した。その結果,血小板数はb.i.群とc.i.群で有意な低下がみられたが,i.t.群,i.p.群では変化がみられなかった。また血中フィブリノゲン(Fbg)はc.i.群においてのみ有意な低下がみられ,アンチトロンビンIII (AT III)はb.i.群とc.i.群でそれぞれ同経路で生理食塩水を投与したコントロール群に比し有意な低下がみられた。そして投与経路の異なる群間で比較すると,FbgとAT IIIはc.i.群がその他の群に比して低下の程度が高度であった。一方,肝機能の指標としたGOTや腎機能の指標としたBUNは,やはりb.i.群とc.i.群で有意な上昇がみられたが,i.t.群とi.p.群では有意な変化は観察されなかった。そして,各群間の比較ではLPS 5mg/kg投与下ではc.i.群がその他の群と比較し有意な上昇を示していた。さらに血中総蛋白とアルブミンの低下もc.i.群がその他の群よりも高度であった。組織学的変化もc.i.群で最も高度であり,肺においては細胞浸潤と出血,肝臓においては細胞浸潤と浮腫および壊死,腎臓においては糸球体におけるフィブリン血栓の形成や蛋白円柱,好中球浸潤や壊死等の所見が観察された。これらの結果から,同量のLPS投与を行った場合には,c.i.群において最も顕著に血液,組織学的な播種性血管内凝固(DIC)所見や組織障害が認められた実験モデルとして最も適切であると考えられた。
  • 有馬 健, 長尾 建, 櫛 英彦, 大槻 穣治, 矢崎 誠治, 上松瀬 勝男
    1997 年 8 巻 3 号 p. 111-118
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    救急救命士制度導入により,院外心肺機能停止症例の予後が改善したか否かを検討する目的で本研究を行った。内因性院外心肺機能停止例のうち,救急救命士制度発足前('89.4-'92.3)の421例(A群)と,東京都のほぼ全救急隊に救急救命士が配属された平成6年度('94.4-'95.3)の109例(B群)を対象とした。そして,来院時心拍再開率,救命率(1週間生存率),生存退院率,社会復帰率,原疾患などを検討した。来院時心肺機能停止例(以前はDOAといわれていた)の救命率はA群2.4%, B群6.9%でB群が有意に高率であった(p<0.05)。しかし,その生存退院率/社会復帰率はA群1.2%/1.0%, B群2.0%/0%で有意差を認めなかった。一方,救急隊の心肺蘇生法により心拍再開していた来院時心拍再開率はA群2.6%, B群6.4%でB群が高い傾向(p=0.0503)であり,来院時心拍再開例の救命率/生存退院率/社会復帰率は,A群45%/27%/0%, B群100%/100%/71%でB群がそれぞれ有意に高率であった(p<0.05/p<0.01/p<0.01)。この結果,院外心肺機能停止例の救命率/生存退院率/社会復帰率は,A群3.6%/1.9%/1.0%, B群12.8%/8.3%/4.6%でB群がそれぞれ有意に高率であった(p<0.01/p<0.01/p<0.05)。以上より,救急救命士制度の導入により,院外心肺機能停止例の予後が改善したと結論した。
  • 光定 誠, 上木 雅人, 坪田 邦男, 服部 博之, 小林 剛, 関口 令安
    1997 年 8 巻 3 号 p. 119-126
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    1994年10月より都立広尾病院と東京都の全島嶼の医療機関11ヵ所の間に救急医療に主眼をおいた24時間体制でのテレメディカルネットワークが形成され稼働している。約1年8ヵ月の間に200症例834画像の伝送とコンサルテーションが行われ,これらについて検討した。伝送が行われた地域について検討すると,中小規模の離島からの伝送が多く,大規模離島からは少なかった。これには伝送を行う医師と受ける医師との間の人間関係(doctor-doctor relationship; DDR)が関連していると考えられ,このようなネットワークを考えるうえでの重要性が示唆された。疾患別,モダリティー別では整形外科疾患,骨X線写真が多く伝送された。CT,胸部単純X線写真,実写カラー画像も多く伝送されたが,伝送画像における診断名特定率を検討すると骨X線写真,CTでは92.7%, 93.6%と高値を示したが,胸部単純X線写真では43.8%,実写カラー画像では56.3%と低かった。伝送目的を検討すると診断に主眼をおいたものは37%で治療方針についてのコンサルテーションが63%を占めた。緊急性について検討すると160症例(80%)になんらかの緊急性を認めた。25症例(12.5%)は緊急航空搬送されたが,伝送とコンサルテーションにより緊急航空搬送を回避できた症例も認められた。このネットワークシステムは搬送適応の適正化に加えて,搬送決定の補助,収容病院における画像情報による患者受け入れ体制の強化などにも有用であると考えられた。
  • 1997 年 8 巻 3 号 p. 127-129
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 8 巻 3 号 p. 129
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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