日本救急医学会雑誌
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8 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 黒木 一彦, 有田 和徳, 栗栖 薫, 中原 章徳, 大谷 美奈子, 佐藤 秀樹, 魚住 徹
    1997 年 8 巻 6 号 p. 231-236
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    厚生省竹内班基準では6歳未満の小児は脳死判定の対象から除外されている。しかし,われわれは不可逆的全脳不全の状態は乳幼児においても存在しており,正しく判断されるべきであると考え,1990年以前は厚生省基準を用いて6例,1991年以降は“広島大学医学部における医学的脳死判定基準”を用いて5例,計11例の脳死判定を行ってきた。われわれの基準の特徴は厚生省判定基準に加え,聴性脳幹反応,脳血流検査を必須とし,観察期間を24時間としている点である。11例全例とも脳死判定後,意識の回復を認めることなく,心停止を迎えた。しかし,われわれは11例中1例に“広島大学医学部における医学的脳死判定基準”を用いて,脳死を判定した後に一過性に脳血流,聴性脳幹反応の再開が認められた3ヵ月幼児例を経験した。これは一過性の脳機能の回復と考えられ,真の意味での全脳死の状態とは言い難い。われわれは自験例の蓄積から,1歳以上の症例は“広島大学医学部における医学的脳死判定基準”を満たした場合には全脳死と判定してよいと考えた。しかし1歳未満の乳児では最適な観察期間,最良な脳血流検査を検討されるべきである。いずれにしても6歳未満の小児の脳死判定については世界的にみても症例の蓄積が乏しく,少なくとも本邦では全国的レベルの共同研究が行われるべきだと考える。
  • 鈴木 幸一郎, 植田 昭徳, 青木 光広, 福田 充宏, 川根 博司, 副島 林造, 小濱 啓次
    1997 年 8 巻 6 号 p. 237-246
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    川崎医科大学救急部・救命救急センターを過去5年間に受診した気管支喘息患者2,893例を対象に,重症喘息患者の臨床的特徴および気管内挿管と吸入麻酔薬使用の判断に関係したと思われる要因について検討した。(1)入院を要した症例は5年間で86例であり,気管内挿管下に人工呼吸を必要とした重症例が30例,そうでなかった中等症例が56例であった。(1)気管内挿管の理由は,46.7%がCPAOAや治療中の呼吸停止あるいは意識の急速な悪化であり,薬物治療にも関わらず症状の悪化したものが46.7%であった。(2)重症例の入院日数は中等症例に比べて有意に長く,呼吸回数は有意に多く,発汗,起坐呼吸,チアノーゼの各症状は重症例において有意に高率に出現していた。(3)来院時血液ガス所見は,重症例ではpHの低下,PaO2の低値,PaCO2の高値,BEの低下を認めた。(4)気管内挿管という判断に関係したと思われる要因について多重ロジスティック回帰を用いて検討したところ,発汗,チアノーゼ,BEが強く関与していた。(2)重症例のうち吸入麻酔薬を使用した10例と使用しなかった15例について入院期間,来院時のバイタルサインと臨床症状を比較検討したが有意な差を認めなかった。しかし,来院時血液ガスは吸入麻酔薬使用例でpHの低値とPaCO2の高値を認め,挿管期間も長期化していた。今回の検討結果から,薬物療法中に呼吸停止や急激な意識の悪化を来す緊急例はもちろんのこと,薬物療法にも関わらず発汗,起座呼吸,チアノーゼの身体所見と,血液ガス所見の異常を示す症例が気管内挿管と機械的人工呼吸のハイリスク症例と考えられた。とくに発汗,チアノーゼ,BEの3つは気管内挿管の判断に関係すると思われる重要な要因であった。吸入麻酔療法については,肺胞低換気のより強い症例という以外の要因は見出せなかった。
  • 越智 元郎, 新井 達潤, 和藤 幸弘
    1997 年 8 巻 6 号 p. 247-252
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    日米両国の地方都市であるPittsburgh市,松山市,東温地区(愛媛県温泉郡重信町および川内町),米子市の4地区において病院外心肺停止患者について調べ,市民による1次救命処置の施行率やプレホスピタルケアの効率について比較した。市民による蘇生処置の施行率はPittsburghで35.2%であったのに対し,松山で8.4%,東温地区2.6%,米子8.9%と著しく下回っていた。救急医療システムへの通報から4分以内に1次救命処置を受けた患者は,Pittsburghで57.4%を占めたのに対し,松山15.3%,東温地区7.9%,米子17.9%であった。通報から10分以内に2次救命処置を受けた患者はPittsburghの83.1%に対し,松山27.7%,東温地区2.6%,米子39.3%にとどまった。病院外で施行された2次救命処置の頻度をみると,気管内チューブやラリンジアルエアウェイによる気道確保の施行率はPittsburgh 86.9%,米子91.1%に対し,松山16.4%,東温地区0%であった。電気的除細動や静脈路確保についても同様であった。以上のことから,市民による蘇生処置の施行率も含めたわが国のプレホスピタルケアの質は,Pittsburgh市と比較してかなり劣っており,同時に国内でも無視できない地域差があると考えられた。
  • 山村 仁, 若井 聡智, 平出 敦, 島津 岳士, 吉岡 敏治, 杉本 壽
    1997 年 8 巻 6 号 p. 253-257
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    A 68-year-old previously healthy man noticed swelling of his left leg after he had been playing golf. Two days after the onset of the symptom, he was admitted to our department with the diagnosis of deep venous thrombosis in his left leg. Decreased oxygenation and a mild CRP increase in laboratory data on admission. Since fibrinolytic and anticoagulant therapy with systemic administration of urokinase and heparin failed to reduce the local symptom, thrombectomy using a Fogarty balloon catheter was performed. On the 8th post-operative day, recurrence of deep venous thrombosis was detected by sonography. In addition, pulmonary embolism was detected by computed tomography following pulmonary angiography. A hereditary thrombotic background was suspected from the clinical feature of resistance to fibrinolytic and anticoagulant therapy and the complication of pulmonary embolism. The patient was found to be the heterozygote of familial deficiency of protein S. Protein S deficiency must be looked for in such a case in addition to AT-III deficiency and protein C deficiency, as an important hereditary thrombotic background.
  • 広瀬 保夫, 大西 洋司, 吉田 和清, 本多 拓
    1997 年 8 巻 6 号 p. 258-262
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    A case of atypical neuroleptic malignant syndrome following discontinuation of many different neuroleptics and antidepressant agents is described. A 33-year-old woman with a 6-year history of depression and alcoholism had been treated with daily oral doses of 2mg of haloperidol, 75mg of clomipramine, 150mg of sulpiride, 150mg of trazodone, 3mg of etizolam, 3mg of biperidene, and 0.5g of disulfiram. She was admitted to a local hospital because of agitation and confusion. The patient refused all medication and her ingestion had markedly decreased. Six days after discontinuing her medication, she developed hypotension and was transferred to our institution. When brought to our emergency room, she was in shock with cold sweats, tachycardia, and consciousness disturbance. She became pyrexic, and 3 days after admission developed systemic tremor and oral dyskinesia. Her serum creatine phosphokinase levels gradually increased in spite of the improvement of her hemodynamic state. A diagnosis of atypical neuroleptic malignant syndrome was made, and treatment with dantrolene and bromocriptine was instituted. Her symptoms gradually subsided. This case suggests that development of neuroleptic malignant syndrome should be borne in mind whenever antipsychotic drugs are abruptly discontinued.
  • 1997 年 8 巻 6 号 p. 263-264
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 8 巻 6 号 p. 264
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/03/27
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