[目的] 横浜市乳癌集団検診結果について, 視・触診法による乳癌検診 (以下, 集団検診) と, マンモグラフィ併用乳癌検診 (以下, MMG検診) の結果を比較して, 乳癌検診の精度, 効率について検討した。
[対象と方法] 対象は平成5年度から平成11年度の7年間に, 横浜市在住30歳以上の女性で集団検診を受診した192,633人と, 主に50歳以上の女性でMMG検診を受診した3,205人である (両群とも繰返し受診者を含む) 。マンモグラフィは二方向撮影とし, 視・触診法とあわせて要精検者を決定した。
[結果および成績] 要精検者 (率) は集団検診群で14,542人 (7.5%), MMG検診群で838人 (26.1%) であった。発見乳癌 (率) は集団検診群で254人 (0.13%), MMG検診群で27人 (0.84%) であった。そのうちマンモグラムで発見された乳癌は25人, 非触知乳癌は4人であった。マンモグラムで所見を認めなかった乳癌は, 血性乳頭分泌で発見された非浸潤性乳管癌症例, dense breastを呈していた硬癌症例の2人であった。
[考察] MMG検診群での要精検率は集団検診群に比べて高率であったが, 発見乳癌のうち非触知乳癌が14.8%を占めており, MMG併用乳癌検診は早期乳癌発見に寄与する可能性が示唆された。
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